瞼に湿疹ができた!デリケートな目元トラブルの原因と対策方法とは
瞼は全身の中でも皮膚が薄くデリケートな部分のため、トラブルが起こりやすいところです。悪化すると、強いかゆみや痛みを伴うこともあるので、早めの対策が必要になりますよね。どのような原因や対策があるのか見ていきましょう。
瞼の湿疹はどうしてできるの?
瞼や目の周りの皮膚は、全身の中でも最も薄いといわれています。そのため、大変デリケートで外側・内側からのダメージを受けやすく傷つきやすい部分です。些細な刺激で皮膚が傷ついたり、細菌の感染などが原因で、瞼の湿疹が悪化して、痒みやかぶれなどを引き起こす可能性もある場所。そんなデリケートな瞼の湿疹について詳しく見ていきましょう。
瞼の湿疹って病気なの?
軽度の瞼のかゆみや湿疹は、自然治癒や市販薬などで改善することもあります。しかし皮膚が炎症を起こしていたり、アレルギー反応によるものだった場合は、早めに適切な処置をしなければ症状が長引いたり、悪化してしまうこともあります。それでは、瞼に湿疹がおこる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。
その湿疹は眼瞼皮膚炎かも!
瞼の炎症のことを総称して眼瞼炎(がんけんえん)といいます。なかでも瞼の炎症のことを眼瞼皮膚炎、まつ毛の根元付近など、眼の縁に起こる炎症は眼瞼縁炎と区別されます。眼瞼皮膚炎は瞼にかゆみを伴う赤みや腫れを引き起こしますが、その原因は、ウイルス感染によるものであったり、花粉や動物などのアレルギー、化粧品や薬品によるかぶれなど、様々な理由が考えられます。
ウイルス感染が原因の場合、かゆみだけでなく痛みを感じることもあり、抗ウイルス薬や抗生物質による治療が必要となるようです。そして、アレルギーなどによる皮膚の炎症やかぶれの場合は、ステロイド軟膏による治療が有効とされているようです。
眼瞼炎とは
赤ちゃんの瞼にできる湿疹は乳児湿疹かも
赤ちゃんにできる乳児湿疹は、ほとんどの赤ちゃんが一度は経験するといわれています。代表的な原因としては、皮脂の過剰分泌や汗、石鹸や化学繊維の衣類による肌への刺激、肌の洗いすぎによる乾燥などが考えられています。
新陳代謝の活発な乳児は、皮脂の分泌が多いので、ニキビや湿疹ができやすくなっています。だからと言って洗いすぎたり強くこすったりすると、赤ちゃんの肌は刺激に弱いため、乾燥による湿疹ができることもあります。また、一度湿疹ができると赤ちゃんが自分で掻いたり擦ったりして悪化するため、注意が必要です。
長期的に治らない湿疹の場合は、重症化してアトピー性皮膚炎になるといった可能性もあるので、なるべく早く乳児皮膚科などで医師の診断を受けるようにしましょう。
瞼にできる湿疹の原因はなにがある?
具体的には、何が原因で瞼に湿疹ができるのでしょうか。原因を知っておくことで、対策も早くできるかもしれません。顔の皮膚は、日常生活を送るだけでも多くの刺激にさらされているので、何が原因なのかを見極めることが大切になります。
ウイルス感染による湿疹は重症化の恐れも
外的な刺激によっておこる接触性皮膚炎や、アトピー性皮膚炎などで瞼や目の周りに炎症がおこると、湿疹や発疹が広がり強い痒みを伴います。そのときに目の周りを擦ったり、痒みを止めようと強い力を加えることで、角膜が傷つき、ウイルス感染のリスクを高める原因にもなるようです。
瞼の皮膚炎の中には症状が重篤化すると、白内障や網膜剥離などの合併症を起こすといった可能性もあるため、早急に専門の医師による適切な治療を受けましょう。
皮脂の過剰分泌が原因かも?
皮脂の分泌が多い顔の皮膚では、脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)の可能性も考えられます。この脂漏性湿疹の原因は、ヒトの皮膚に存在するマラセチア菌というカビの一種によるもので、皮脂がマラセチア菌によって分解された成分や、マラセチア菌そのものの刺激などから引き起こされるようです。
皮脂の分泌の多い乳幼児や、免疫の低下した老人に発症することが多いようです。ほかにも脂肪分の多い食べ物や唐辛子などの刺激物を好む方も発症しやすいよう。特徴としては、フケのような薄いかさぶたを伴う湿疹が現れます。皮膚科で処方される外用抗真菌薬による治療が一般的なので、まずは専門医の診断を受けるようにしましょう。
脂漏性皮膚炎
アレルギーが瞼の腫れやかゆみの原因に
アレルギーが瞼の湿疹やかゆみの原因となることも少なくありません。中でも花粉症は国民病ともいわれ、スギやひのきをはじめ、年間を通して様々な花粉のアレルギーが確認されています。また、化粧品や薬剤、ゴムや金属などでもアレルギーをおこすこともあり、これらによって急性アレルギー性結膜炎を発症し、目のかゆみや腫れなどの症状が現れます。
具体的な症状としては、目の周囲が痒くなり、瞼が腫れ、悪化すると結膜に浮腫が見られることもあります。痒さのあまりに掻いたり擦ったりすることで、皮膚だけでなく角膜や眼球を傷つける可能性もあるので、早急に対処することが必要になります。
アレルギーによる目の病気
瞼に湿疹ができてしまった時の治療方法とは
瞼の湿疹といっても、以上のことからさまざまな原因が考えられます。それでは、どのような治療法があるのでしょうか。忙しくて病院にいく時間がないという場合、自宅でのセルフケアは可能なのでしょうか?自分でできるケアや治療方法について、以下のことも参考にしてみてください。
瞼を洗浄してとにかく清潔にする!
瞼に湿疹ができたときに大切なことは、なによりも瞼を清潔に保つこと。湿疹自体がアレルギー物質や、瞼に何か刺激物が付着していることが原因である場合も考えられるので、余計なものを洗い、清潔にすることが大切です。
特に目の縁にできる眼瞼縁炎の場合は、ブドウ球菌が汗腺や毛穴などに繁殖しておこる化膿症や、皮脂の分泌過剰などでおこります。眼科でもまずは眼の縁を洗浄したうえで、点眼や眼軟膏での治療を行うようです。
市販の薬を選ぶときは成分に注目しましょう
皮膚の炎症やアレルギー症状を抑える薬でもある、ステロイド外用薬は薬局やネットなどで購入することも可能です。ですが、ステロイド外用薬には5段階の強度が設定されていて、その強さにより使用方法や副作用も異なります。
例えば、ステロイドにはアレルギーを抑える代わりに、皮膚細胞の増殖も抑えるといった働きがあるため、強いステロイドを使い続けることで皮膚が薄くなってしまいます。必ず医師や薬剤師などの専門家に相談し、症状に合わせた適切な薬を正しい使用方法で使わなければ、大きなリスクを負うことにもつながります。
ステロイド外用剤の作用と副作用 - 大田区・大森駅 | 大木皮膚科
ステロイド外用剤の作用と副作用
セルフケアは慎重に!湿疹が出た時の対処方
実際に瞼に湿疹ができたときは、どうすればいいのでしょうか。湿疹が増えたり、強い痒みや痛みを伴わなければ、自然治癒の可能性もあります。瞼を清潔に保ち、保湿ケアなどで様子をみても良いでしょう。
アレルゲンを取り除く!瞼を常に清潔に
肌への湿疹が現れたとき、何かしらのアレルギー反応である可能性が高いようです。体内に侵入したアレルゲンと呼ばれるアレルギー物質を排除しようと、人の持つ抗体が活発になります。その作用が過剰に起こることで、からだに様々な症状をもたらすことがアレルギー反応です。
代表的なアレルゲンである、スギやひのきの花粉、ペットの毛、ほこりやカビ、コンタクトなどが考えられます。さらにはそれらのアレルゲンに触れた手で眼の周りを触ることでも反応があります。それらをまず付着させない事も大切なので、常に瞼は清潔に保つようにしましょう。
アレルギーによる目の病気
メイクは負担に!トラブルの時は控えて
女性はどうしてもデリケートな目のまわりに、つけまつげや落ちにくいメイクをすることが多いと思います。ですが、適切なクレンジングや保湿など、ケアをおろそかにしがちな方もいるのではないでしょうか。そのため目元の皮膚への負担が積み重なって、乾燥や肌荒れなどの肌トラブルの原因となってしまいます。
アイメイクは専用のリムーバーで落として、刺激の少ない洗顔料を使うなど、毎日のケアを怠らないようにしましょう。そして、湿疹や赤みなどの気になる症状が現れたときは、悪化を防ぐためになるべく化粧品の使用を控えるようにしましょう。
生活習慣を見直すことも必要です
体の免疫力の低下が瞼の湿疹の原因となることがあるので、バランスの良い食事をとって、睡眠をしっかりとる、適度な運動をすることなど、生活リズムを規則正しく整えることもトラブル回避への第一歩となります。
瞼に湿疹ができてしまったら?
瞼に湿疹ができたときは、まずは刺激の少ない洗顔料などを使い、清潔にしましょう。そして保湿ケアも忘れずに。中でも、高純度のワセリンなどは皮膚科でも処方されるのでおすすめなようです。
悪化する前に病院へ!
瞼の湿疹に痒みを伴う場合、寝ている間に無意識で掻いたり擦ったりすることもあるので、眼球や角膜への影響も考えられます。かゆみや痛み、発赤などの症状がひどくなったり、治ってもすぐできるといった慢性化がみられた場合は、すぐに専門医の診断をうけることをお勧めします。
デリケートな瞼のトラブルは早めの対策を!
皮膚の薄い瞼で湿疹ができて痒みや違和感を感じた場合、眼の周りなので擦ったりするのは絶対にやめましょう。セルフケアでも改善しなければ、すぐに医師の診断と、適切な治療を受けることが大切です。また、乳幼児の場合は、悪化することでアトピー性皮膚炎に進行することも考えられるので、自己判断で悩まずに、すぐに病院で診てもらいましょう。デリケートな目元のトラブルは早めに治してしまいましょうね。
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