血液検査の「BUN」って?数値で分かる5つの症状や病気を紹介します!

血液検査の「bun」という項目を見たことがありますか?異常値があった時はやはり不安になりますよね?そんなときにぜひ読んでほしい記事です。あなたの身体では何が起こっているのか、やどういった状態であるか、などをある程度は把握することが出来ます。では、始めましょう。

血液検査における「BUN」の持つ意味とは

血液検査の「BUN」というのを目にしたことがありますか?目にしていても、あまり高くなければ気にしない人もいるのではないでしょうか?でも、そんなあなた!それは危険です。BUNには腎臓の働きを見る、という重要な指標としての役割があるのです。そんな「BUN」について、詳しく見ていきましょう!

BUNとは?

BUNって何の略?

BUNは日本語で尿素窒素と言われます。尿素窒素を英語にしますと、Blood Urea Nitrogen となります。これを略してBUNと言います。では、尿素窒素はどのように作られるのかを見ていきましょう。

BUNは血液中の中にある尿素のことで、必要なタンパク質を合成したこの分解段階の最終過程にできるものを言います。このBUNは分解されていくと、アンモニアが体内に発生していきます。体内にアンモニアが充満していくことは非常に体には良くありません。

ですから肝臓がその毒素を分解して無毒の尿素に変えていきます。この尿素は血液中を輸送されて、最終的には腎臓を通って体外に排出されますが、一部は体の中に戻っていきます。そのため、この血液中や尿中に排出されたBUNの値を調べることで、腎機能の低下を調べることができるのです。

気になる基準値は?

基準値は8.0~23.0mg/dLとなっています。

忘れてはいけない指標BUN/Creとは?

検査をして検査結果を見ると、BUN/Creという字を見ることがありますよね。これはどういう風に解釈したら良いのかわからない方もあるでしょう。

BUN/Creは、腎臓が尿素窒素の値によってどれだけ影響されているかを占める値で、Cre(クレアチニン)の数値で割ることで、尿素窒素が上昇する原因が本当に腎臓にあるのかどうかを見極める指標になります。

この数値が高くなると、脱水や心不全、消化器出血といった腎臓以外の原因で尿素窒素が上がっていることになります。また、10以上の数値の場合は、腎臓の機能低下のような病的なものの他にも、食事によるタンパク質の過剰摂取といった生活の一時的な要因が原因となっている可能性も考えられます。

ですから腎機能検査と一緒にこの検査を行うのは、どこに原因があるのか追及するのに非常に役立つのです。検査前に激しい運動を行うと、自ずとこの数値があがりますから、検査前には落ちついて過ごす方が良いでしょう。

BUNが高いときに考えられる疾患

腎前性の病気

腎前性の病気とは、その名の通り腎臓の前が原因で起こる病気です。つまり、全身疾患のために腎臓への血流が低下することにより起こる病気です。ですから、消化管出血や脱水などが疑われます。もう1つ疑われますのが、火傷ですが、こちらは血液検査をしなくても分かることが多いですね。

腎性の病気

腎性の病気とは、腎臓にその原因がある病気のことを言います。具体的には、腎不全、ネフローゼ症候群、尿毒症などが挙げられます。腎不全は、急性腎不全と慢性腎不全に分けられます。急性腎不全では急激に腎臓の機能が悪くなりますが、治療によって改善する可能性があります。

一方、慢性腎不全では自覚症状がないままゆっくりと進行し、治療による回復は見込めないことが多いようです。ですから、定期的に血液検査でBUNの値など腎臓に関する項目をチェックしておく必要があるのです。

では、代表的な疾患であるネフローゼ症候群ではどうでしょう?ネフローゼ症候群の特徴は、検査を行うと尿中にタンパク尿が大量に出ていきます。その為血液中に存在するタンパク質が減って、むくみを起こしやすくしてしまいます。重症になると心臓にもむくみが起きてしまい、重篤化しかねません。

こちらは検査で異常値を認めた後、腎生検といって、腎臓の組織を調べる検査をすることではっきりとした診断になります。

腎後性の病気

腎臓を通過した後に異常が見られるのが腎後性の病気です。膀胱や尿管が原因で起こる病気です。尿路閉塞や、尿管結石が具体的な病気として挙げられます。

尿管結石など様々な理由で尿管の閉塞が起こりますと、せっかくの排泄されるべき尿が、その場にとどまってしまい、尿素が身体にどんどん蓄積していきます。そのため、血液検査でBUNの値が高くなってしまうのです。

BUNが低いときに見られる症状

むくみ

BUNが低いというのはどういった状況かをまず考えてみましょう。BUNが低いということは、それだけタンパク質が血液中に少なくなっていることも意味します。肝臓の機能が悪くなりますと、肝臓でアンモニアを尿素に変えることが難しくなり、BUNの値も低くなってしまいます。

むくみというと、太ってしまったと思ってしまう方もあるかもしれませんが、実際には細胞の間にある組織間液が異常に増加した状態を言います。組織間液と言うのは、細胞と細胞の間を埋め尽くしている水のことを言います。

一般的にむくみが起きる原因には、毛細血管が圧迫されたりして血圧が上昇する場合、何らかの原因で血管内のタンパク質の濃度自体が低下してしまうことなどが挙げられます。BUNはむくみがどんな原因から起こっているのか、病的なものはないのか等を調べるには非常に効果的です。

ネフローゼ症候群では、尿にタンパク質が多く排出されてしまいます。肝硬変では、肝臓でのタンパク質の合成が少なくなるため、血液中のタンパク質が少なくなってしまいます。血管の中にあるタンパク質の働きは、浸透圧の作用によって水分を血管の中に確保しようとするものです。正常な場合は、このタンパク質のバランスが保たれていますから、むくみは生じません。

食欲不振

BUNが低値を示す原因として肝臓の病気、具体的には肝炎や肝硬変が挙げられます。食欲不振が表れますのはどちらかといいますと、肝炎の方が多いようです。肝炎では発熱といった感冒様症状というものが見られますが、その後は白目が黄色くなるという黄疸の症状が出るようです。

この黄疸の症状が出るのとほぼ同じ時期に食欲不振も見られるようです。肝臓がんなどでも見られることが多いようです。BUN値が低く、さらに食欲不振の症状がある場合は、肝臓の病気を疑ってもいいのではないでしょうか。

BUNが低いときに考えられるのは?

肝炎

肝炎や肝硬変では、BUNは低くなってしまいます。肝臓でアンモニアは尿素に変えられます。肝炎や肝硬変が起きますと、肝臓の細胞自体の働きが悪くなりますから、その分、アンモニアを尿素に変えることが難しくなります。

ここで肝炎の説明を少ししましょう。肝炎には5つのタイプがあります。A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎があります。日本国内のB型肝炎の患者さんはおよそ110~140万人いると言われています。

C型肝炎はそれよりもやや多く、190~230万人いると言われています。どちらも血液や体液を介して感染するため、注意が必要です。パートナーがキャリアといってウイルスを持っているが症状が出ていないときなどは注意が必要なようです。

E型肝炎はシカが持っているE型肝炎ウイルスが原因であると言われています。シカ肉が一時期ブームとなりましたが、きちんと加熱しませんと、このE型肝炎にかかってしまいますので、注意が必要です。

多尿

多尿という症状からは次のような病気が疑われます。尿細管障害、糖尿病、尿崩症などです。では、多尿とは何なのでしょうか?そのまま尿が多いという状態なんですが、具体的には1日に尿量が3,000mlを超えることを多尿と言います。

個人差はありますが、正常な成人の尿量は1,000~2,000mlです。おしっこの量が多いだけでなく、頻繁にトイレに行くため、頻尿と混同する場合も多いようです。

尿素はおしっこの中に排泄されます。ですからおしっこの量が増えますと、その分だけ排泄される尿素の量が多くなります。その結果、血液中の尿素窒素の量も減ります。ですから、多尿ではBUNの値が正常よりも低くなってしまうのです。

妊娠

妊娠しますと、母親の栄養はもちろん胎児の成長にも使われます。尿素窒素のもととなるのはタンパク質です。このタンパク質は胎児の成長に欠かせない栄養素です。そのため、母親から胎児へ移動するタンパク質が多くなります。すると、母親の身体では尿素が発生しないのではなく、むしろタンパク質が減ることによりBUNが低値を示します。

尿素窒素が高くなってしまったときの対処法

腎臓の機能回復

BUNが高いからといってすべて腎臓に原因があるとは限りませんが、腎臓の負担を減らすことは重要なことです。BUNが正常値よりやや高い程度であれば、早期に生活習慣の改善などで腎臓の機能回復を見込めまず。塩分の摂取を控えることであったり、血圧が高くならないようにすることであったり、様々あります。

サプリメントも飲んでいる人もいるようですが、血液検査で異常を指摘されましたら、お近くの医療機関を受診した方が良いと思います。受診する科は内科、あるいは腎臓内科です。

尿素をあまり作らないようにする

尿素のもととなるのはタンパク質ですから、タンパク質の摂取を制限することで、尿素をあまり作らないようにすることができ、BUNも正常値に戻る可能性が高くなります。

また、水をよく摂ることも重要です。水をよく摂ることで、尿量が増えます。それにより多くの尿素が排泄されることになります。しかし、あまり水を摂りすぎてもいけません。水の摂りすぎはかえって腎臓に負担がかかってしまうことがあります。

BUNのチェックで腎臓を守りましょう

BUNと様々な病気の関係について解説してきました。BUNをチェックすることで肝臓の病気から腎臓の病気、そして脱水などといった全身の状態まで理解することが出来る場合があります。

血液検査でBUNの異常を指摘されますと、不安になるかもしれませんが、定期的に検査値を観察していれば、早期に治療を始めることもできます。

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