口が渇くのはストレス?糖尿病?原因と自分でできる対処法をご紹介!
口がやけに渇く、と感じることってありませんか?その原因はストレスなどの精神的なものや、基礎疾患である糖尿病などが関係している可能性もあります。口の渇きの原因や日ごろからできる対処法についてご紹介します。
口が渇く…原因はいったい何?
最近やけに口が渇くように感じるな…ということはありませんか?単なる水分不足の場合もありますが、なかには水分を摂取してもまったく潤わず、口の渇きを感じ続けることもあります。
口が渇くと病気と言えば一番よく知られているのは「ドライマウス」だと思いますが、ドライマウスになる原因はさまざまです。また、花粉症や生理、妊娠などが原因で口が渇くこともあります。
口が渇くと、食べ物がうまく呑み込めなくなったり、美味しいと感じることができなくなることがあるので、とても困りますよね。そんな口の渇きの原因や対処法などをご紹介します。
気になる!口が渇いてしまう原因とは
口の中が渇くドライマウス
ドライマウスは口腔乾燥症とも言います。これは口のなかの唾液の分泌量が減ったり、唾液の質が変わってしまい、のどが渇いたように感じたり、口が乾燥したように感じる病気です。クッキーなどの乾いたお菓子が呑み込みづらくなったり、味覚障害などが生じることがあります。
ドライマウスになる原因としては、服用している薬の副作用や、基礎疾患である糖尿病、更年期障害などがあります。また、腎不全などの病気にかかっている場合も、ドライマウスになりやすいそうです。このほかにも、精神的なストレスが関係している場合もあります。
また、ドライマウスになる原因として、「シェーグレン症候群」という病気があります。この病気についてはのちほどご説明しますが、この病気による口腔の症状として、ドライマウスになることがあるのです。
緊張やストレス
ドライマウスになる原因としても挙げられますが、口のなかが渇く原因として、緊張やストレスなども関係しています。また、精神的なストレスや緊張状態によって、自律神経が乱れて自律神経失調症となり、それによって口が渇いてしまうこともあるそうです。
生理前、または妊娠中
生理前や妊娠中にも、口の渇きを感じやすくなることがあります。こういった症状は、生理前や妊娠中にホルモンバランスが崩れてしまったことによって起こると言われています。ホルモンバランスの乱れによって起こる症状はさまざまですが、口の渇きもそのひとつです。
口呼吸をしている
通常の呼吸は、鼻から息を吸って、鼻から吐き出します。しかし、ここ最近では、鼻からではなく口から息を吸って口から息を吐くという「口呼吸」をする人が増加しているそうです。
鼻が詰まっている場合や、もともと鼻炎持ち、無意識に口を開けてしまいやすい人などに多いと言われています。口呼吸をしていると、寝起きに口の渇きを感じたり、睡眠中にいびきをかきやすくなるそうです。
口呼吸をしていると、口のなかを守っている唾液が少なくなってしまいます。そのため、細菌に感染しやすくなり、虫歯ができやすくなったり、歯周病などになりやすくなってしまいます。また、口の筋肉がゆるんでしまうこともあります。
花粉症で鼻呼吸をしている
花粉症になると、鼻が詰まったり、鼻水が出るなどの症状が現れます。こういった症状によって鼻呼吸ができなくなると、口で呼吸をするようになり、それによって口が渇いてしまうことがあります。
さらに、花粉症の症状を和らげるために薬を服用することがありますが、花粉症の薬には、口のなかの唾液の分泌を少なくするような副作用を持ったものが多いそうです。そのため、花粉症の薬を服用すると、口のなかが渇きやすくなることがあるのです。
風邪を引いているとき
風邪を引いているときにも、鼻が詰まったり、鼻水が出ることがあります。そのため、口呼吸になりやすくなります。しかし風邪を引いて免疫力が落ちているときに、口呼吸によって細菌が感染しやすくなってしまうと、のどがイガイガしていたくなることもあります。
口が渇いてしまう病気とは
糖尿病
糖尿病の自覚症状のひとつとして、口の渇きを感じる場合もあります。糖尿病には初期症状がほとんどないと言われていますが、血糖値が上昇してくると、口の渇きを感じることがあるのです。また、水をたくさん飲んだり、トイレが近くなるなどの症状が現れることもあります。
脳梗塞などの脳血管障害
脳こうそくや脳出血、くも膜下出血などをまとめて、脳血管障害と呼ぶことがあります。この脳血管障害の症状として、口の渇きを感じることがあるのです。脳血管障害のひとつである脳こうそくの原因となる動脈硬化をチェックする項目にも、「喉の渇きを感じる」といったものがあります。
症状が現れにくい腎不全
唾液の分泌量が減って口が渇きやすくなるドライマウスですが、ドライマウスになる原因には、「腎不全」などの腎臓病が関係している場合もあるそうです。腎臓は「沈黙の臓器」とも言われるほど、なにか異常が起こっていても症状が現れにくいと言われていますが、そんな腎臓の異変のサインとして、口の渇きが生じている可能性もあります。
免疫機能の異常のシェーグレン症候群
「シェーグレン症候群」というのは、なんらかの原因によって自分の身体の免疫機能に異常が生じ、唾液や涙を分泌する分泌腺が炎症を起こして、唾液や涙の分泌量が減少してしまう病気です。そのため、口のなかが渇いたり、ドライアイなどの症状が現れます。
このシェーグレン症候群の症状では、ドライマウスやドライアイの症状が目立ちます。食事中に何度も水分を摂取したり、ドライマウスを感じたり、味覚に異常を感じていないか、眼の疲れや違和感を感じないか、などといったことをチェックしていきます。
また、涙や唾液などの分泌腺の異常以外にも、関節炎などのように関節に痛みが生じることもあります。関節が変形してしまうような激しい関節炎は少ないそうですが、関節リウマチを合併してしまうと、関節リウマチのような症状も現れるそうです。
口の渇きと一緒にあらわれる症状とは?
頻尿になる
口の渇きとともに、おしっこの量が普段より多いなと感じたら、糖尿病の可能性もあります。1日あたりの尿の量がだいたい3000ml以上に増えてしまっていると、糖尿病の疑いがあるそうです。また、おしっこの量が増えるだけでなく、1日に何度も頻繁にトイレに行くようになることもあります。
また、トイレに行く回数が増えたり、おしっこの量が増えるなどの症状は、糖尿病以外にも慢性の腎不全などの可能性もあります。
めまいを感じる
口の渇きとともにめまいなどの症状を感じることもあります。ストレスや疲労などが溜まっているときにもこういった症状が現れることがありますが、ストレスで自律神経が乱れ、自律神経失調症になっている場合にも見られることがあります。
吐き気を感じることも
また、めまいなどと同じように、口の渇きとともに吐き気を感じることがあります。口が渇く原因として緊張やストレスといったものも関係していますので、吐き気やめまいなどの症状も、そういった精神的なものから生じていることもあります。
口が渇くとどんなトラブルが起こる?
食べ物が飲み込みにくくなる
口のなかの唾液の量が減って口が渇いてしまうと、クッキーやおせんべいなどのように、水分を含んでいないような食べ物を飲み込むことが難しくなることがあります。こういった嚥下困難症状は食べ物を食べたときに「飲み込みにくいな」と感じたり、食べるときにむせたりすることがあります。
水分をあまり含んでいないような食べ物だけでなく、高いものはばらばらとしていてまとまりがないものなども飲み込みにくくなることがあります。また、これらの嚥下障害は、脳梗塞や脳出血などといった脳血管症によって引き起こされている可能性もあります。
味覚障害が起こる
また、口のなかが渇くと、味覚障害が起こることがあります。口のなかが渇いてドライマウスになると、舌に食べ物のカスなどの汚れが溜まる「舌苔」が増えていきます。そのため、口臭がきつくなることがあります。
また、舌苔の増加によって、舌の味覚を感知する「味蕾」という部分が食べ物の刺激を感じなくなります。そのため、味覚障害が起こることがあるのです。
知っておきたい!口が渇いたときの対処法とは
漢方薬を服用する
ドライマウスなどの口の渇きの症状は、漢方では「口渇」と「口乾」という2種類に分けて考えるそうです。「口渇」の場合は口のなかが乾燥し、水分を大量に摂取することがあります。後者の「口乾」の場合は口渇よりも乾燥度は弱く、少し湿らせる程度で十分だと感じるそうです。
ドライマウスの場合はこの口乾のほうに当てはまり、気・血・水の3つが不足しているときや、身体のなかの水のめぐりが悪くなっているときによく現れると、漢方では考えられています。
こういった場合には、漢方薬として「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」がよく使われているそうです。この麦門冬湯は、身体の気のめぐりを整え、身体の水を潤滑にするという作用を持っており、ドライマウスなどの症状の改善に役立つことがあります。
水分を補給する
こまめな水分補給も大切です。とくに夏場は脱水症状を起こしやすいので、水分補給を忘れないようにしましょう。ただし、シェーグレン症候群などのように、トイレに行く回数や尿の量が増えていたり口の渇きを感じている場合は、水分補給をこまめに行っても口の渇きがなくならないことがあります。そういった場合はできるだけ早く病院へ行くことをおすすめします。
マスクを着用する
鼻が詰まっていたりもともと鼻炎持ちの場合は、ついつい口呼吸をしてしまいがちです。口呼吸をすることによって口のなかが渇いたり、細菌に感染しやすくなってしまうことがあるので、どうしても口呼吸を改善できないと言う場合は、マスクを着用してみましょう。
寝ているときは無意識に口を開けて口呼吸をしてしまいがちです。紐のきつくないマスクをつけて寝ることによって、朝起きたときに口の渇きを感じたり、喉の痛みを感じることがなくなることもあります。
口の中の乾燥専用ジェルを使う
ドライマウスの症状の治療に、人工唾液や湿潤剤などを使って口のなかの乾燥を防いで保湿する方法もあります。口のなかの粘膜を保湿するために、ジェルやスプレータイプの薬を用いることもあります。
キシリトールガムなどを摂る
また、口のなかの唾液の量を増やすために、ガムなどを噛むこともおすすめです。ガムを噛むことによって口のなかが刺激を受け、その刺激によって唾液の分泌が促されるのです。キシリトールガムなどを選ぶと、虫歯予防にもつながります。
ドライマウスが気になる場合は歯科へ
口の渇きは嚥下障害や味覚障害などに繋がることもあるので、できるだけ早く治したい症状ですよね。ドライマウスなど、口の渇きが気になる場合は、一度歯科医院を受診して、歯科医の診察を受けましょう。
また、ストレスを溜めこまないようにし、水分をこまめにとったり、ガムを噛むなどといった対策を行って、唾液の分泌を促していくことも大切です。生活習慣を正しくし、潤いのある口腔を守りましょう。
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