背中のイボって皮膚ガンの可能性も?「3つの治療方法」と粉瘤について徹底解説!
背中のイボができると気になりますよね。繰り返し同じ場所にできたり、赤みがあったり、かゆみがあったり…ここでは背中にできるイボの原因とそれ以外に考えられる病気などをまとめました。
背中のイボって?
背中にイボできたことありますか?赤みがあったり、かゆみがあったり、同じところに繰り返しできたり...気になって何度も触ってしまいますよね。またニキビができてる!と思いがちな背中のイボですが実は違う病気が隠されているかもしれません。
ここでは背中にイボができる原因と背中のできものについて調べてまとめました。
背中のイボの原因
ウイルス
・尋常性疣贅(ゆうぜい)
小さい傷口などから感染するウイルス性のイボです。怪我をしやすい手足や関節の末端にできやすいといわれていますが、この尋常性疣贅は皮膚のどこにでもできる可能性があります。大きさは5~8ミリ程度で半球状に盛り上がります。イボの表面は灰白色をしている「ヒトパピローマウイルス」が原因の硬いイボができます。
手でかきむしったりすると他の場所に同じようなイボが出てきます。このまま放置していると他の場所(指など)に感染したり大きくなったりします。
・青年性扁平疣贅(ゆうぜい)
青年期に発生しやすいため青年性扁平疣贅という名前がついています。特に女性にも多く見られます。頚部(くび)、手背、腕などにできやすい傾向があります。大きさは2~5ミリ程度で少し盛り上がった茶色のイボです。イボの表面は平らで、シミと間違えやすくひっかいたりすると線状に広がってしまうことがあります。
老化
・老人性疣贅(脂漏性角化症)
皮膚の良性腫瘍で、中年以降に多くみられます。茶褐色で平らに盛り上がり、年齢とともに皮膚のどこにでもできます。後発部位は胴体やこめかみですが、背中にもみられます。このイボは悪性化せずガン化することもありません。
・老人性角化腫(日光性角化症)
老人性イボともよばれ、加齢によって生じます。イボの表面が黒くガサガサしていて放置すると盛り上がりが強くなることもあります。紫外線により、皮膚の表面を構成するケラチノサイトが厚く堅くなったもので、顔や手、背中に多くみられます。軽い痛みを伴う場合が稀にありますが、自覚症状がない場合が多いです。
放置すると一部が有棘細胞癌に移行する場合があるので早めに医療機関に相談することをおすすめします。
肥満体質
首イボとよばれるアクロコルドンというイボがあります。約2~3mmで多発しやすいのが特徴です。単発ででき直径約1cmぐらいのやや大きいものは軟性線維腫、軟性線維腫がさらに大きくなり皮膚から垂れ下がるようになったものを懸垂性線維腫とよばれます。
このようなイボは良性の腫瘍で感染もしません。20歳ぐらいから発生しますが、多くは30歳以降に発生し加齢とともに増えていく傾向にあります。特に、更年期を過ぎた女性や肥満の人によくみられます。
イボのできやすい場所は摩擦がよく起こる首の周りや脇の下、胸、横腹、鼠径部ですが、まれに背中にできる場合があります。
イボ以外の背中のできもの
粉瘤(アテローマ)
粉瘤(ふんりゅう)は皮膚の下にできる腫瘍で一番多いといわれている病気です。皮膚が皮膚の中に埋まりこんで袋を作ってしまう病気で、皮膚の中で垢がたまります。赤く腫れて痛みを伴う場合もあり、くさい臭いを伴います。
粉瘤は皮膚科で手術により切除します。赤く腫れていない場合は皮膚に切れ込みをいれ、袋を破らないように切除していきます。感染がある場合は一旦切開して膿を排出して感染を落ち着かせる施術をしてもらう場合があります。
感染がないうちに皮膚科にいき、切除してもらうことが大切になってきます。
がん
・悪性黒色腫(メラノーマ)
若い人から高齢者まで幅広い年齢層で発症し、皮膚のどこにでもできる可能性があります。きれいな円形ではなくいびつな形、黒い部分と褐色の部分などが混ざっている、以前と比較してサイズが大きくなっている、盛り上がりがある、出血や潰瘍があるなどの特徴があります。
・有棘細胞がん
日光性角化症(老人性角化症)の一部が進行して有棘細胞がんになる可能性があります・(日光性角化症については上記参照してください)表面がかさかさしていて、治りにくい潰瘍ができる場合もあります。進行してくると悪臭を伴い、リンパ転移する場合もあります。
脂肪のかたまり(脂肪腫)
粉瘤とは違い、皮膚の下に発生する軟部組織の良性腫瘍です。普段は成熟脂肪組織で構成される単純性腫瘍(一つだけできる腫瘍)ですが稀に多発することがあります。発生時期は幼少期と考えられていますが、脂肪腫がゆっくり発育するため発見は遅く、20歳以下で発見されることは稀で40~50歳代に多く見られます。女性に多いとされ、肥満の人にも多いといわれています。
体のどこにでもでき、背中、肩、頚部などに多く、上腕、臀部(おしり)、太ももも次いで多いとされています。大きさは数ミリの小さなものから10センチ以上に及ぶ大きいものんまで様々です。痛みはなく、皮膚がドーム上に盛り上がり、やわらかいしこりのような感触です。治療法は手術によって摘出されます。
粉瘤とは?
良性の腫瘍
粉瘤は頻繁にみられる皮膚の良性腫瘍です。ドーム型に盛りあがり、弾力性があるしこりが特徴です。
垢のかたまり
皮膚は垢を作る組織です。皮膚が皮膚の中に埋まりこんで袋を作っている粉瘤は粉瘤の中で垢が溜まります。搾り出すと白いあぶらのようなものが出てくる、くさい臭いがある、というものが特徴です。
化膿を繰り返す場合もある
小さい粉瘤はニキビと勘違いして自分で潰してしまうこともあります。しかし、中の袋は残ったままなので徐々に垢が溜まっていき再発を繰り返すことも少なくありません。雑菌が袋の中に入り、可能することがあります。そうなると赤く腫れあがり、痛みを伴うようになります。軽度の化膿は痛みはなく痒みを生じたり臭いがきつくなる程度のこともあるそうです。
おかしいな?とおもったら大きくなる前、化膿する前に皮膚科で切除してもらいましょう。
イボの治療法は?
塗り薬
・活性型ビタミンD3軟膏外用
角化症や乾癬の治療に使用される塗り薬です。本来イボに塗る治療薬ではありませんが、イボに効果があるという報告がいくつかあるそうです。
・モノクロル酢酸・フェノール外用
弱い腐食作用のあるモノクロル酢酸溶液をイボに塗る治療法です。モノクロロ酢酸やフェノールがたんぱく質を変性・凝固させ、いぼを腐食させて取る効果が期待できます。短期間の治療では治癒を期待できないようなので継続して塗る必要があります。
・ビタラビン外用
ビタラビンにはDNAウイルスに対する増殖抑制作用があり、ヘルペスの治療薬として使用されています。ウイルス性のイボの下人であるヒトパピローマウイルスもDNAウイルスに分類され、抗ウイルス効果を発揮すると考えられています。
レーザー治療
・炭酸ガスレーザー
局所麻酔を行い、イボをレーザーで焼きとります。炭酸ガスレーザーは水分の多い組織と反応するので、組織の蒸散や切開、止血などを行うことのできる装置です。液体窒素では治らない難知性のイボの治療に使用されます。
液体窒素治療
液体窒素をイボにあててこうらせる治療方法です。綿花や綿棒などに液体窒素を含ませ、イボに数回あてます。いぼがだんだん小さくなるか、かさぶた状に黒くなって取れていきます、この治療は1週間おきに繰り返し行います。
超低温で凍らせるので痛みを伴いますが、イボの治療法として最も安全で効果的な方法といわれています。
まとめ
背中のニキビがなかなか治らないと思っている方、当てはまる「背中のイボ」はありましたか?イボは皮膚科で治療できます。手術が必要なものもありますが、大きくなる前に治療すれば痕も目立たなくなります。なかなか治らないイボに心当たりのある方は早めにお近くの医療機関に相談しましょう。
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