尿管結石の痛みは三大激痛の一つと言われてる?気になる原因や予防法とは?
三大激痛と言われる程の激しい痛みに襲われる尿管結石。その痛みは、「七転八倒の苦しみ」にもたとえられます。どのくらい痛いかを思っただけでも辛いですよね。そこで、尿管結石は痛みの酷さと治療法・予防法について調べました。すると、日常生活で工夫が出来そうです!尿管結石について詳しくご案内します。
尿管結石の痛みってどのくらい痛いの?いつまでも続くの?
痛みを伴う病気は数多くあります。よく歯が痛くて辛い思いをした方も多いのではないでしょうか。しかし中でも、「痛みのベスト3:三大激痛」と言われるのが、くも膜下出血・心筋梗塞・尿路結石です。
一番痛い病気がくも膜下出血、二番目が心筋梗塞、そして三番目が尿路結石とされています。これを見るだけでも、尿路結石がどれくらい痛いか想像できますよね。そんな尿路結石の痛みの原因と酷さを簡単にご案内します。
尿管結石ってどんなものなの?
尿路結石の痛みの原因とは?
最初は腎臓で尿の中の結晶成分から結石ができます。そして作られた結石は、腎杯や腎盂の中で大きくなったり、尿管に詰まったりします。
しかし、結石が腎臓にとどまっている時は、存在しているだけなので痛みは殆ど感じません。腎臓内であれば、たとえ結石が動いて血尿が出ることがあっても、それ以外は気付かない場合が多いと言われます。
それが、結石が腎臓から尿管へ移動すると激しい痛みが引き起こされます。何故、結石が尿管に移動すると激痛が起こるか?のメカニズムは以下の症状が原因だと言われています。
結石は尿と共に腎盂(じんう)から尿管へと移動するのですが、尿管は結石より細い場合が多い為、結石が尿管に詰まります。結石が尿管に詰まってしまうと、尿が正常に流れない状態に陥ってしまいます。
すると尿は腎臓に逆流し、腎臓は尿が溜まって膨らみます。そうなると腎臓に圧力が加わって、激しい痛みが生じてしまうのです。
60%は原因不明
尿路結石の原因を見てみると以下のように、原因不明が半分以上になっています。遺伝的な要素はあまりないようです。
■特発性の尿路結石(原因不明):60%程度
■遺伝性の結石:1%~2%程度
■何かの原因疾患による尿路結石:20%~40%程度
尿管結石の痛みの程度は? いつまで続く?
尿路結石の痛みの特徴は大人の男性が転げ回る程の疝痛(せんつう)発作と言われています。中でも一番多い症状は突然の腰や下腹の痛みです。
就寝中に激痛に見舞われる場合が多いことからも分かるように、安静にしていても痛みは治まりません。痛みが酷いと苦しくて横になっていられなかったと尿路結石を経験された方がよく語っています。
尿路結石の痛みは結石が体外に出てしまえば嘘のようになくなります。しかし、結石が体内にある内は痛みは続きます。余りの痛さに救急車を呼ぶ方も少なくありません。
若い女性も増えている
尿路結石は最近、増加する傾向にあると言われます。少し前までは、20歳代から40歳代の男性に多かったのですが、生活習慣や食生活の影響でしょうか。最近は、若い女性にも尿路結石にかかる人が増えています。食生活や生活習慣への配慮が必要になっています。
尿管結石の痛みの特徴
尿路結石の痛みの特徴を挙げるとどうなるでしょうか?激痛を具体的にご紹介します。
突然の激痛は3~4時間続く
突然に腰や下腹に起こる耐え切れない痛みは、最初は3~4時間程度続きます。その後、数分おきに痛みが強まるなど強弱のある痛みが続く症状が特徴と言えるようです。
突然の激痛は夜間や早朝に多い
夜間や早朝に突然の激痛に襲われる場合が多い為、その痛みに耐え切れずに救急車を呼ぶケースも少なくありません。寝ている時に突然の大変な疝痛に襲われたら我慢できませんよね。
また、この痛みの状態を放置すると、腎臓の機能が低下してしまう可能性もあります。迷わず病院へ駈け込むことをお勧めします!病院では先ず、鎮痛剤などで痛みを緩和させてから結石を取り除く治療が行われます。
背中から脇腹にかけて痛む
腎臓は背中側に位置している為、激痛は背中から脇腹にかけて、ある日突然の激痛が走ることが多いと言われます。そして、耐え切れない痛みが、背中や腰・脇腹・下腹部へと拡がっていく場合が多いようです。
一口に腰の周辺が痛むと言っても、一般的な腰痛の痛みとは全く異なります。安静にしても痛みが治まることはなく、余りの苦しさから同じ姿勢を保っていられないと言われています。この状態が、「七転八倒の苦しみ」といわれる理由と言えます。
冷や汗や吐き気を伴うこともある
冷汗や吐き気、酷い時には嘔吐の症状が出る場合もあるところから、胃腸の病気と間違えられる場合もあるので注意が必要用です。
男性の場合は精巣の付近、女性の場合は外陰部に痛みが生じることもあります。その上、膀胱が刺激されしまう為、残尿感や頻尿があるのも尿管結石の特徴と言えます。一方、血尿も珍しくありませんが、目で見ただけでは分からず、検尿で血が混じっていることが確認される場合が大半です。
また、腎盂腎炎を併発して38度以上の発熱が起こる時もあります。最悪になると、腎臓に膿が貯まって敗血症になってしまい、命に関わる場合もあります。痛みだけでなく高熱が出た場合は、すぐに病院を受診しましょう。
時として両側の尿管に結石が詰まってしまい、尿毒症になる恐れもあります。この場合も緊急の処置が必要となるので、早急に病院を受診することが大切です。
尿管結石の痛みをとる治療法とは?
尿路結石の治療は先ず、痛みを抑えることが第一です。その上で、結石の大きさによって経過観察するかレーザー治療をするかを判断すると言われます。治療法を具体的にご案内します。
痛み止めで緩和する
先ず最初に、鎮痛剤として飲み薬の痛み止めや座薬、痛み止めの注射で積極的に痛みを取ります。その上で痛みが落ち着いたら、レントゲン検査や超音波検査などを行い、結石の位置や大きさを確認することになります。
尿路結石の診断は検尿と画像検査で行われます。検尿は、血尿や感染症の有無を確認する為に必ず行います。画像検査としては、腹部超音波検査・レントゲン単純写真・CT検査が行われます。特にCT検査では超音波や単純写真では判定できない小さい結石も見つけることが可能です。
5mm以下の小さな結石は、鎮痛剤で痛みを抑え、点滴や排石を促す薬を服用して経過を観察し、自然に結石が排出されるまで様子をみます。
レーザー治療で結石を粉砕する
10mmを越える結石では、体外から衝撃波を当て結石を砕く体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や尿道から内視鏡を挿入して結石を砕く経尿道的尿管砕石術(TUL)で、結石を自然に排出される大きさまで細かく粉砕します。その上で、体外に排出させるようにする場合が殆どです。
また、5mm〜10mmの結石の場合は、結石がとどまっている部位や病状によって治療法を選択する場合が多いと言われています。一方、レーザー治療が行われるようになってか、開腹手術による治療法は必要とされなくなっています。
尿管結石の痛みが出ないための予防法・対処法ってあるの?
尿路結石の痛みを予防する最良の対策方法は結石を作らないことです!そして、結石を作らない方法は日常生活を工夫することだと言われています。その工夫について調べてみました。
水分は1日に2リットル以上飲む
尿の成分が結晶になって結石となります。その為、体内の水分が不足したり、疲労で尿が濃くなったりすると結石ができやすなると言われます。こまめに水分を補給することが大切です。1日に2リットル以上は摂りましょう。
但し、よく結石を体外に出す為に飲むといいと言われるビールは、却って結石を作る働きをしてしまうと言われています。なるべく控える方が賢明です!
塩分をとりすぎない
食塩を沢山摂ると、腎尿細管で再吸収されるナトリウム量が低下します。すると再吸収されるカルシウム量も低下する為、尿中のカルシウム量が増加することになるのです。
またこの状態が長く続くと、低カルシウム血症で副甲状腺ホルモンの分泌量が増え、骨からのカルシウム溶出も増加し、骨が弱くなり易くなるとも言われています。
栄養バランスの取れた食事を心掛ける
日本で尿路結石や尿管結石が増えたのは、食生活が欧米化したことが原因だと言われています。中でも、問題なのは、動物性タンパク質や脂肪の過剰摂取、摂り過ぎです。
特に動物性タンパク質は、尿酸を増やす働きがあります。尿の酸性度が上がると結石ができやすくなると言われています。肉類は週に5食~6食にすることが望ましいようです。
一方、青魚に含まれている脂肪には結石を減らす働きがあると言われます。バランスの取れた食事を心掛けることが大切です。
夜遅くに食事をしない
食事で摂ったカルシウムやシュウ酸の尿中への排出は、食後2時間~3時間でピークに達します。一方、腎臓の働きが正常な人は就寝中の尿量がは減少する為、濃縮された尿となります。
夜遅くに食事をすると、尿中へのカルシウムおよびシュウ酸の排出と濃縮される尿が生成される時間帯が重なり結石が出来やすくなってしまうのです。夜遅い食事はなるべく控えるようにしましょう。
ストレスを溜めない
強いストレスを受けると自律神経が乱れます。自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つがバランスを保つことで心身共に健康を保っています。
しかし、ストレスにより交感神経が優位になり過ぎてしまうと、心臓の動きも高まったりして、筋肉も緊張した状態になります。そうすると血管の収縮がおこります。この血流障害が起こると尿酸の排泄機能が低下すると考えられています。尿酸値が上がると結石が出来やすくなってしまいます。
また尿管もストレスによって収縮し、圧力がかかると言われます。尿路結石の激しい痛みは、尿管に圧力がかかることで引き起こされてもいます。
上記のように、ストレスも尿路結石に影響を与えていると考えられています。ストレスを出来る限り解消して、十分な睡眠を取り、心に余裕を持つ生活を心掛けることも尿路結石の予防となります。
尿路結石は再発の可能性あり
カルシウムを主とした結石では、30%~40%も再発すると言われています。先ず、結石の成分を調べることが大切です。自宅などで尿と共に結石が出てきたら、捨てずに病院で検査をして貰って下さい。分析の結果によっては、生活指導や投薬をする場合もあるようです。
また、何度も結石が出来ている場合は経過観察が重要です。半年に1回はレントゲン写真、または腹部超音波検査ので定期検診を受けることをお勧めします。
尿路結石の予防は日常生活の工夫が大切
尿路結石の痛みはやはり、突然に激痛が襲う辛い症状であることが再認識できましたね。出来る限り、経験はしたくないですよね。
しかし、尿路結石になる確率は男性で9%前後、女性で4%前後と言われています。男性の10人に1人、女性の25人に1人が、一生の内に一度はなってしまう一般的な病気で、再発率も高いとされています。
そうなると予防を心掛けることがとても重要になります。尿路結石にならないように日常生活を工夫することが大切になります。毎日の食事や生活リズムを見直して結石を作らない体質にしていきましょう。
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