障害のある子が生まれてきたら…事前に知る方法と4つの予防法とは?

妊娠中には様々なことに気を遣いますが、障害もその1つではないでしょうか。妊娠中の行動によっては胎児に障害を引き起こしてしまいます。妊娠中に引き起こされる障害やその原因、そして予防法について紹介します。

妊娠中にわかる障害やその原因とは?

出生前診断の技術が向上したことで、出産する前に胎児の様々なことがわかるようになってきました。障害の有無もその1つです。この技術の向上によって人工妊娠中絶件数など新たな議論も呼んでいますが、障害の有無が気にならないという人はほとんどいないのではないでしょうか。

また、障害は妊娠中の行動によっても引き起こされます。どのようなことが引き金となって起こってしまうのでしょうか。今回は妊娠中に引き起こされる障害やその検査、そして原因となる行動や予防方法を紹介していきます。

妊娠中にできる障害の検査方法と時期

まずは妊娠中にできる障害の検査の方法や時期をみていきましょう。妊娠初期には胎児の発育が活発で身体が形作られたり、各臓器など組織ができていく時期です。それゆえに検査の方法も場合によっては悪影響を及ぼします。

妊娠中にできる検査方法は?

妊娠中に行っても問題のない検査としては、超音波検査や血液検査、羊水検査などが挙げられています。超音波検査では心臓の形態異常や身体の形態の異常などが確認できるようです。血液検査では母体血清マーカーテストといって、胎児にダウン症や神経管症候群などの徴候がないかが確認できるとされています。

羊水検査では主に染色体異常などがわかるようです。逆に避けられる検査としては、放射線被ばくの問題があるレントゲン検査やCT検査、磁場の問題などがあるMRI検査です。

妊娠中の障害がわかる時期は?

上記の検査の最適な期間としては、概ね妊娠10~15週くらいのようです。胎児に疾患のリスクがどれだけあるかを検査する非確定的検査では12週ごろの検査が奨められています。各器官の発育や観察のしやすさ、その後の選択の面からこの時期が良いようです。

妊娠中の検査でわかる障害の種類とは?

次は、妊娠中の検査でわかる障害についてです。上述のように技術が進歩して様々なことがわかるようになりました。その中でも脳性麻痺やダウン症、心臓病について挙げていきます。

脳性麻痺

脳性麻痺とは妊娠時や出生時もしくは生後間もない時期に脳に受けた障害がもとで起こる疾患とされています。症状としては筋肉の運動制御ができなかったり、麻痺や神経障害といったことが起こるようです。症状の度合いには軽い違和感程度のものから、筋肉が縮こまって動かせない痙縮の状態まで様々あるとされています。

ダウン症

ダウン症はご存知の方も多いでしょうか。通常は対になっている染色体ですが、ダウン症では21番目の染色体が3つあることで障害が起こるとされています。精神の発達の遅れや知的障害を伴い、特徴的な顔や頭の形になるようです。精神の発達の遅れに対して、加齢変化は早く進むとされています。平均寿命はおよそ50歳とされているようです。

心臓病

先天的な心臓の異常は心臓の壁や弁、そして血管に起こるとされています。およそ120人に1人の割合とされています。壁の問題では心房中隔欠損や心室中隔欠損といって、左右の部屋の間の壁がない状態で動脈血と静脈血が混ざってしまう状態が挙げられます。

弁の問題では大動脈弁や肺動脈弁が狭窄することで血流がうまくいかなくなります。血管の問題では大動脈と肺動脈が入れ替わってしまう大血管転位などがあるようです。

妊娠中に障害を引き起こす3つの原因とは?

ここからは妊娠中に障害を引き起こす原因についてみていきましょう。代表的なものを3つ挙げていきます。

アルコール摂取

障害を引き起こす原因の1つ目はアルコールです。アルコールは胎児の発育を阻害するとともに、精神発達の遅れや顔貌の変形を起こすとされています。安全域はないとされ、リキュールの入ったお菓子なども注意が必要ということです。

化学物質

障害を引き起こす原因の2つ目は、化学物質です。妊娠中の女性が洗剤や殺虫剤に触れることで男児では尿道下裂などが起こるとされています。ゴミの焼却場や化学工場など居住地域も影響するという研究もあるようです。

遺伝的なもの

障害を引き起こす原因の3つ目は、遺伝です。どのような人でも遺伝子の異常はもっているとされています。つまり遺伝の要因もあるということです。遺伝して顕在化することもあれば、異常のある遺伝子は自然淘汰されるので流産してしまったりと遺伝されないものもあります。

また、近親婚は異常のある遺伝子が共通していることも多くまれな遺伝疾患をもつ子が生まれることが多くなるようです。

障害を引き起こさない為の予防法は?

障害を引き起こす原因についてみてきたところで、最後は予防方法を紹介していきます。

禁酒、禁煙

上記のようにアルコールは少しでも障害を引き起こす原因となるので禁酒しましょう。また、喫煙は流産や早産などの原因となることは有名です。胎児の発育異常や生まれてからの発達障害の原因にもなるので喫煙や副流煙などの受動喫煙も避けましょう。

予防接種

障害の予防としては、予防接種にも注意しましょう。妊婦が風疹に罹患すると胎児に先天的な異常が起こるとされています。また妊娠中には風疹ワクチンを打つことは奨められていないので妊娠前に接種し、2ヶ月ほど避妊することが必要とされています。

またインフルエンザワクチンの是非が議論されていますが、妊娠中にインフルエンザにかかると生まれた子はその後に双極性障害という精神疾患を発病するリスクが高いとされています。双極性障害とは以前は躁うつ病と呼ばれていた疾患です。

葉酸摂取

障害の予防としては、妊婦は葉酸の積極的な摂取が奨められています。葉酸は胎児の発育に重要で、不足すると神経管欠損症という疾患が起こるとされています。妊活にも有効とされることから、妊娠を希望する女性は妊娠前から積極的に摂取しておくと良いようです。

水銀を含む魚の摂取は控える

障害の予防として最後に挙げるのは魚の摂取です。魚の中には水銀を含むものがあり、胎児の脳神経への影響が指摘されています。マグロやメカジキ、キンメダイなどに多いようです。水銀と言えば水俣病などで知られていますね。

原因は極力避けながら神経質にならないこと

今回は妊娠中に引き起こされる障害やその検査、そして原因や予防方法について紹介してきました。障害を引き起こす原因は極力避けるに越したことはありません。しかし、100%は不可能です。

すべて避けることはできませんし、すべて避けても必ず障害が防げるわけではありません。また、原因に触れたからといって必ず障害が起こるわけでもありませんのでストレスにしてしまうのも良くないのです。障害の原因について理解しておくことはもちろん重要なので知識としてもっておくことと、原因は極力避けつつあまり神経質になりすぎないようにも注意しましょう。

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