膀胱の辺りがヒクヒク痙攣?下腹部が痛い時の"対処"と膀胱炎のお話

最近トイレが近い方、仕事などの理由でトイレに行けなかったり、下腹部に妙な違和感やヒクヒク感じたりしませんか?ぜひそういう方に読んでいただきたい記事です。もしかしたら何らかの病の可能性もあり得ますから。

膀胱の痙攣とは?

膀胱は腎臓で作られた尿を溜める器官です。伸び縮み可能な言わば筋肉の袋です。膀胱は尿の量に応じて膨らみます。そして一杯になると排尿を促す信号を脳に伝え、排尿するわけです。

膀胱の筋肉は平滑筋という筋肉でできていて、自分の意志では動かせません。筋肉は一般的に疲労などを感じたらピクピクと痙攣する場合もあります。では膀胱が痙攣する原因はどんなものがあるでしょうか?

膀胱が痙攣する原因は?

ここでは膀胱が痙攣する原因となりうる、3つの病気について説明します。

膀胱炎

膀胱炎は文字通り膀胱内で炎症を起こす病気です。尿管から侵入した大腸菌などの細菌が、膀胱内で増殖することが原因とされています。尿を排出する尿道の周りには常に細菌が存在します。体調が良い時は細菌が尿道に侵入しても、排尿時に尿と一緒に排出するので膀胱炎にはなりにくいです。

しかし疲労やストレス等で免疫力が落ちていると、細菌の増殖力が免疫力より勝り膀胱内で増殖し、膀胱炎を引き起こすことが多いです。加えて女性は男性より膀胱炎にかかる確率が高いです。人体の構造上、男性の尿道は約20cmあるのに対し、女性は4~5cmと短いです。

また、尿道の入口と肛門や膣の距離も近いです。以上のことから尿道の入り口から細菌が侵入しやすいとされています。特徴的症状は3つあります。「頻尿」「尿混濁」「排尿痛」です。これら症状については後述します。

痙攣性膀胱

痙攣性膀胱は過活動膀胱とも言われています。原因としては特定が困難な場合が多いようです。臨床上では女性の場合骨盤底筋の弱化および加齢、男性の場合前立腺肥大症による下部尿路閉塞および加齢が原因として言われています。

また切迫性尿失禁という症状を伴うことが多いようです。切迫性尿失禁は突然急にものすごく強い尿意が起こり、トイレまで間に合わず尿を失禁してしまう症状です。治療は膀胱収縮を抑える薬を投与する薬物療法が多いようです。このような強い尿意を感じたり、失禁でお悩みの方はすぐに泌尿器科を受診してください。

神経因性膀胱

ある部分を切って「痛い!」と脳に神経を使い伝えるように、膀胱に尿が一杯溜ると排尿を促す信号を脳に伝え排尿します。神経因性膀胱は、この信号を脳にうまく伝達できなくなる状態です。そうなると膀胱は伸び縮みを適切に行ってくれません。原因は脳に信号を送るルートである神経に異常や障害が出ることです。

例えば交通事故などによる脊髄損傷や脳梗塞、膀胱に近い臓器である子宮がんや直腸がんの手術によって膀胱や尿管の神経を傷つけるといった後遺症などが挙げられます。症状としては頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁などが挙げられます。

膀胱炎の特徴的症状とは?

疲労やストレスは誰にでもあり得ることですが、膀胱炎の原因でもあります。つまり身体の少しの変調でも膀胱炎にかかりやすいということです。ここでは膀胱炎の特徴的症状3つを見ていきます。

頻尿

人によって排尿の回数や尿量は違います。水分やアルコールを多く摂ると尿量も増えます。しかしたくさん水分等を摂ったわけでもないのに、一日に何度も尿意を催してトイレに行きたくなることを頻尿と言います。頻尿の一般的目安は一日に8回以上、寝てる時で3回以上、一日10回以上トイレに行きたくなることです。

頻尿は膀胱炎に限らず、他の状態でも見られる症状です。主に2つあり、1つは多尿と言われるものです。利尿作用のきつい飲食物や薬物を摂った場合も頻尿っぽい多尿は現れます。もう1つは心因性の頻尿、つまりストレスからくるものです。

大事なプレゼンテーションや試験などの前に緊張して、おしっこに行きたくなった経験は誰しもがあるでしょう。しかしストレスや緊張の連続は精神が不安定な状態に陥り、頻尿で日常生活にも大いに支障をきたす時もあります。原因がわからない時は速やかに泌尿器科を受診しましょう。

尿混濁

健康な尿の色は薄い黄色~透明なものが多いです。しかし普段より白く濁るなど通常と違う尿が出る場合があります。この尿を尿混濁(混濁尿)と呼びます。尿混濁にはいくつかのタイプがあります。まず血尿です。膀胱炎により細菌が増殖すると、膀胱内の粘膜が荒れただれたような状態に陥り、そこから出血すると尿に血液が混じれ血尿として排出されます。

次に白く濁った尿です。これは膀胱内の細菌と戦うために集結した白血球や、炎症ではがされた膀胱内部の粘膜などが尿に混ざったものです。黄色い膿が混ざった尿は性病を疑います。性行為による淋菌やクラミジア菌の感染の可能性が高いです。

膀胱炎からの尿混濁なのかどうかは、いずれも尿検査で判明します。採尿時には膣からのおりものが混ざらないように、中間の尿を採るのが良いでしょう。

排尿痛

排尿痛はおしっこをするときの痛みを指します。膀胱炎による排尿痛は排尿の終盤で痛む時が多いようです。排尿の終盤で、炎症を起こした膀胱は尿を出し切ろうとして急激に縮まります。その刺激が痛みになり、下腹部が痛むことが多いようです。悪化すると鈍痛や焼けつく痛みが出るようです。

また尿道が痛む場合は先ほど挙げた性感染症、または尿道の外的損傷が疑われます。性感染症は尿の出初めに痛むことが多いです。外的損傷は会陰部の強打や、手術時の尿道にカテーテルを入れた際に尿道が傷つくなどの原因が多いです。排尿中は痛い時が続きます。排尿痛を感じたら速やかに受診しましょう。

下腹部が痛み出したらどうしたらいいの?

痙攣とは自分の意志とは関係なく、筋肉の激しい収縮による発作を言います。膀胱の痙攣を含む下腹部の痛みにはどのように対処したらいいでしょうか?見ていきましょう。

とりあえず温めてゆるめよう!

痛みをなるべく和らげるにはどういう状態になれば良いでしょうか?それは新しい血液が痛む箇所に行くことです。もし全身に常時新しい血液がいきわたっているならば痛みは出ないでしょう。痛みは新しい血液が欲しい!という器官からのSOSサインです。

女性の下腹部・骨盤内には、子宮や大腸、直腸や膀胱など新しい血液を必要とする器官が押し合うように位置しています。狭い骨盤内で内臓どうしが所狭しとうごめきあうことで、血流の不良や停滞が起こりやすい状態にあります。特に生理前や生理中の子宮内には体外に排出されようとしている血液がたまっています。その排出には新しい血液がさらに必要となります。

痛みを和らげるには下腹部を温めることが先決だと思います。方法は貼るカイロを下腹部と、下腹部の背中側(仙骨あたり)を衣服の上から貼って温めるのが良いと思います。熱い!と感じたら衣服で調整して暖かい状態に持っていきましょう。もしカイロがなかったら、衣服を着る、手で擦って摩擦で温める、手のひらで押さえるなどと原始的な方法ですが、やってみましょう。

もう1つ大事なのが下腹部のゆるめることです。お腹が痛い時、人間は自然と前かがみになります。これはお腹の前側の筋肉が緊張して体を縮めてしまう自然な防御反応です。

ですので、横になれるスペースがあれば横になり、膝を曲げましょう。上から見たら膝が「く」の字になります。膝を曲げ横になり事で腹筋はゆるんで楽な姿勢が保持できるかと思います。頭の片隅にでもおいてもらえれば幸いです。

病院に行こう!

上で述べた例はあくまで応急的処置です。痛みを和らげるというかごまかしているだけです。原因解明にはなっていません。病気の元を除去するため、もし下腹部に違和感を感じたら、なるべく早く病院に行き受診しましょう。放置しておくと生活の質も下がりかねないし、健康上の心配も大いにありますから。

早めの受診をしましょう!

膀胱が痙攣する時の原因と症状がわかってもらえたでしょうか?まずは我慢せずにすぐに病院に行きましょう。そしてドクターの治療を受けましょう。受診が早ければ早いほど治りが早いはずです。

もし下腹部が急に痛んだら温めてゆるめることが先決です。昔から頭寒足熱と言います。足元は冷やさないように皆さん気を付けていきましょう。

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