指にできた「できもの」これって病気?放置しても大丈夫?いぼは感染する?
気が付いたら指に何かできているけど、これって病気?放っておいてもいいの?人にうつるの?見たこともない「できもの」が指にできたら、誰だって不安になりますよね。「できもの」には基本的に放っておいてもいいものから、放っておくと、どんどん増えてしまうものまで様々な種類があります。本記事では、指の「できもの」としてよくみられる3つの病気を詳しく紹介します。
指のできものって治療が必要?
皆さんは、指に「できもの」ができた経験はありますか?指にできる「できもの」のうち、多いものには湿疹やいぼ、ガングリオンなどが挙げられます。中には、放っておいても問題ないものもありますが、すぐに治療をした方がいいものもあります。
でも、皮膚科の専門医でもない限り、それを見分けるのは難しいですよね。本記事で、それぞれの特徴を見ていきましょう。
指のできもの「主婦湿疹」になる原因と症状
手や指が荒れてしまい、皮膚科に行って治療してもなかなか治らない、と言う人は多いと思います。そのような人は、ぬり薬を塗ると良くなるのに、塗るのをやめるとまたすぐに悪化する、というパターンになりがちです。
それは単なる手荒れではなく、「手湿疹」かもしれません。主婦をはじめ、飲食店員や美容師、事務職員など手を使う人に多い傾向があり、別名「主婦湿疹」とも言われています。その原因と症状について見ていきましょう。
洗剤により皮脂が過剰に取れるのも原因の一つ
主婦湿疹のは、以下の要素が重なることで発症すると言われています。
・洗剤などによる刺激
手の皮膚の表面には「皮脂膜」という保護膜がありますが、水仕事などでお湯や洗剤を頻繁に使用すると、皮脂膜にある皮脂が過剰に取れてしまいます。このような繰り返される刺激が、湿疹の原因となります。
・皮膚バリア機能の低下
手の皮膚は、20~30層以上にもなる厚い角質層を持っているため、基本的に外力に対して強く出来ています。しかし、手は、汗腺が多いため汗はたくさんるのですが、毛穴が無いため皮脂はあまり出ません。
そのため、一度乾燥してしまうと中々皮脂が回復せず、刺激を受けやすい状態となってしまいます。そうなると、様々なかぶれや湿疹となるリスクが上がります。
・手荒れになりやすい体質
同じような作業をしていても、手が荒れやすい方と荒れにくい方がいます。一般的に、敏感肌である、若い頃にアトピー性皮膚炎があったなど、元々手のバリア機能が弱い体質の方にできやすい傾向にあると考えられています。
また、一般的には冬に症状が悪化し、一方で夏には回復するといった人が多いようです。
皮膚が硬くなりひび割れで痛みがでる
初期の手荒れでは、利き手から症状が現れることが多く、症状としては、小水疱(水ぶくれ)やびらん、皮膚がかさかさしたり硬くなったりする、ひび割れなどで痛みが出るなどが挙げられます。
そのまま刺激を繰り返し加えてしまうと、表皮の角質細胞が弱って、次第に皮膚が薄くなり指紋がなくなるなどの症状がでてきます。その場合は刺激をなるべく避けて、適切な薬を塗る必要があります。皮膚科専門医に診てもらい、薬を処方してもらいましょう。
慢性湿疹はかゆみがある
手に湿疹があり、かゆみが強い場合は、「慢性湿疹」の疑いがあります。手の限られた部分のかゆみが非常に強く、掻いたり擦ったりすることによって皮膚が赤くなり、それを繰り返すことによって皮膚が厚くなります。
これを「苔癬化(たいせんか)」と言います。症状のある部位以外の皮膚は、正常皮膚と変りません。慢性湿疹は、症状が長く続くのが特徴です。
指のできもの「ガングリオン」ってどんな症状?
「ガングリオン」は、ゼリー状の物質が詰まった「こぶ」のようなものです。手の関節の甲側に生じることが多いと言われています。若い女性に多い傾向がありますが、必ずしも手を良く使う人に多いというわけではありません。
こぶのように固く、関節の動きによって変わる
ガングリオンの固さは、やわらかいものから固いものまで様々です。中には、こぶのように固いものもあります。また、関節の動きによって大きさや固さが変わることもあります。
例えば、手首の甲側に生じた場合は、手首を手の平側に曲げると固く飛び出し、逆に手首を甲側に曲げると柔らかく目立たなくなることがあります。これは、ガングリオンが透明な風船状の膜の中に、ゼリー状の物質が溜まって出来ているからです。
皮膚が薄くなると、透明な水ぶくれの状態になる
ガングリオンが大きくなると、皮膚の表面から弾力のある風船のようなできものが確認できます。さらに大きくなって皮膚が薄くなると、光が透見できる水ぶくれのような状態になることもあります。
良性の腫瘍で治療せずに消失する
ガングリオンは良性の腫瘍です。基本的に良性の疾患は手術の必要はありませんし、良性腫瘍は治療せずに消失することもあります。しかし、大きくなって神経を圧迫することで痛みを感じる場合は、注射器で粘液を吸引します。
また、手術をして除去するケースもありますが、再発の可能性や手術跡が残ることなどのリスクを考えると、リスクと治療効果が見合わないことが多いです。
ガングリオンを自分で直そうとして針を刺すと、細菌感染の恐れがあるためとても危険です。感染すると最悪の場合、化膿性関節炎になって関節が破壊されることもあるようです。自分で判断せずに、整形外科専門医を受診しましょう。
指のいぼ「尋常性疣贅」ってどんないぼ?
そもそも疣贅(ゆうぜい)とは、いわゆる「いぼ」の事を指し、皮膚から盛り上がっている小さなできものを指す俗語です。
最も普通の「いぼ」は、ウイルスが感染してできるもので、専門用語では「ウイルス性疣贅」と呼ばれており、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)もこれに含まれます。その他にも、ミズイボと呼ばれる「伝染性軟属腫」や、中年いぼと呼ばれる「スキンタッグ」、年寄りいぼと呼ばれる「老人性疣贅」、「脂漏性角化症」があります。
ウイルス性のいぼで子供に多い
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルスと呼ばれる、ウイルスに感染することでできるウイルス性疣贅の一種で、子供に多く見られ、小さい傷口などから感染すると言われています。そのため、怪我をしやすい手足の関節や末端に頻発しますが、身体中どこにでも発生します。
このいぼは悪性ではないため、かならず治療が必要というわけではありません。しかし、見た目が気になる場合や、足の指にできたなどの場合、また、どんどん増える場合には、支障があるため治療をします。
常色でボコボコしている固いいぼ
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)になると、皮膚表面の細かい傷からウイルスが入り込み、増殖してボコボコと隆起した固いいぼになります。足裏にできるとウオノメ状になります。また、色はほとんどのものが常色です。
削ったり触れたりすると、増殖や感染する恐れもある
尋常性疣贅はウイルス性なので、治療せずに放置しておくと、ウイルスが周囲に感染してどんどん数が増えていきます。それだけでなく、いぼが他人の皮膚に頻繁に触れたりこすれたりすることで、その部位に感染してしまう恐れもあります。
良性だからといって放置せず、数が少ないうちに治療することをお勧めします。尋常性疣贅の治療法としては、冷凍凝固法が一般的です。液体窒素をいぼにあてて凍らせる方法で、液体窒素を含ませた綿花を、いぼに数回あてる治療を1週間おきに繰り返します。
その他、ヨクイニン内服や活性型ビタミンD3軟膏の外用という治療法もあります。
指のできものは放置しないで!
指のできものについて、代表的なものをご説明しました。ここでご紹介した病気はごくごく一部です。これらの症状に当てはまらなくても、気になることがあればすぐに専門医を受診しましょう。
特に、「いぼ」は早めに治療しなければ増殖してしまう可能性もあります。生活に支障がないからといって放置するのはやめましょう。くれぐれも自己判断はやめましょうね。
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