指のやけどは早めの応急処置を!今すぐできる対処法を教えます♡
料理中などに「アチッ!」と指にやけどをした経験はありますか?家庭内では日常茶飯事の指やけど。一刻も早い手当てが必要ですが、あわてずに「今すぐやれる」ことにはどんなことがあるでしょう?さっそくみていきましょう。
指のやけどほおっておかないで!
女性にとって「指」は美しさの象徴。スッと伸びた指は女性らしい美しさに満ちています。しかしひとたびキッチンに立てばそんな悠長なことは言っていられません。油はねしても忙しさのあまりそのままガマンしてしまうこともあるのでは?
炒め物、揚げ物はどうしても高温での調理になるため、わずかに油がはねただけでもやけどになってしまいます。あわてて水道水に指をさらしてもヒリヒリ痛むだけ。「はたしてこれでいいの?」という不安が湧いてしまいます。実はやけどは症状によってはほおっておけないほど重症の場合もあるのです。
どの程度のやけどなら大丈夫?
指のやけどにはごく軽いものから重症のものまで多種多様です。「心配のないやけど」と「緊急性のある深刻なやけど」のボーダーラインはどのあたりか、みてみましょう。
軽いやけど/1度熱傷
皮膚のごく浅い部分のやけどが「1度熱傷」とみられます。皮膚の表面が赤くなったり、ヒリヒリとした痛みがあるのが特徴ですが、水ぶくれにはいたりません。焼き立てのトーストをつかんだとき放り投げるほどの熱さだったり、揚げ物の最中に「油」が急に指に飛んできたときなどに起こりやすいやけどです。
また長時間太陽にあたったことで日焼けした肌が、やけどをしたときのように赤く炎症をおこすこともあります。これを日光皮膚炎といいますが、その症状は1度熱傷に近く、ひどいときは水ぶくれになることもあります。
かなり心配な2種類のやけど
比較的浅い「2度真皮浅層熱傷」
表皮の下にある真皮まで達したやけどを2度熱傷といいます。2度熱傷の中でも比較的症状が軽いのが2度真皮浅層熱傷といいます。浅い部分の皮膚にできた水ぶくれが破けるなどして、皮がむけた状態となります。ヒリヒリとした強い痛みがあります。
深い部分まで達する「2度真皮深層熱傷」
真皮の深い部分にまで達するやけどを2度真皮深層熱傷といいます。やけどをした患部は皮膚が白く見える部分があり鋭い痛みがあります。傷の深さから治癒までに時間がかかり、傷跡が残る可能性も高いのが特徴です。
重症なやけど/手術が必要
通常は外科的手術が必要となるレベルのやけどが3度熱傷といわれています。表皮から真皮、脂肪層にいたる3層もの部分に達するやけどにより、患部は黒や茶色、または白色に変色し水ぶくれはみられません。知覚にも炎症が及ぶため神経にも障害が起き、痛みを感じず、しびれがおきることもあるのが特徴です。
やけどの面積によっては命にかかわることもあり、冷却と同時に救急救命措置も必要です。救急車を手配し一刻も早く医師のもとへ急ぎましょう。
知っておこう!やけどの応急処置
キッチンで料理中に起きやすいのが指のやけど。もしやけどしてしまったらできるだけ早い手当が必要です。病院へ駆け込まなくてもよい軽度のやけどについての応急処置をご紹介します。
軽いやけどはすぐに冷やして薬を塗る
日常的な軽いやけどであれば、すぐに冷やすことで炎症がおさえられるため傷跡も残らずきれいに治ります。コップや洗面器に氷を入れ、やけどした指を冷やします。10分から20分程度患部を冷やしながら様子をみます。
冷やしたあとは市販薬で手当てしましょう。軽いやけどであれば、おだやかに作用するオロナイン軟膏がおすすめです。しかしそのやけどがどの程度の基準か判断がつかない場合は取りあえず冷やし、早急に医師の診察を受けましょう。
イチオシ!家庭でもできる湿潤療法
生きている細胞は乾燥すると死んでしまうということを知っていますか?どうやらやけどや怪我によりできた傷は、乾燥させると治りが遅くなる傾向にあるようです。自宅でもできる画期的な湿潤療法。具体的にはどのような療法なのでしょうか?
湿潤療法とは傷を乾燥させないこと
からだには自然に治る力「自然治癒力」がありますが、それをさらに高める方法として注目を集めているのが湿潤療法です。具体的には「やけどした部分を乾燥させず潤いを保つこと」を徹底します。
この湿潤療法、古くから伝わる「傷口を乾燥させる」方法とは対極で、にわかには信じがたいところですが医学の世界ではもはや常識となっているようです。
ケガややけどによる皮膚の傷はやがてジュクジュクと膿んできますが、この膿こそが自然治癒には欠かせない皮膚の再生液なのです。さらに傷口に潤いをもたせることでやけどの治りが劇的に早くなることから、すでに医療の現場でも取り入れられています。家庭でできる湿潤療法は軽いやけど限定です。
湿潤療法のやり方
用意するものは「食品用ラップ」と「ワセリン」です。まずはやけど部分を十分に冷やしたあとワセリンをたっぷり塗ります。その上からラップを巻き、ガーゼや包帯などで保護します。
今までの乾燥させる治療法に慣れている人には、ラップを巻いたことで指が蒸れてくる様子にちょっと不安になるかもしれません。
しかし湿潤療法の最大のポイントは乾燥させないこと。ラップとワセリンを使うだけと超簡単なうえ、やけどの痛みも軽減してとても楽に感じるでしょう。
もしラップが蒸れて不快なときは小さな穴を開けたり、たびたび取り換えるなどしてみてください。その際もワセリンをたっぷりと塗りなおしてくださいね。
特徴は「かさぶたを作らない」
わたしたちの歴史が始まってからおそらく長いこと、傷のケアは「傷口を乾燥させ、かさぶたがはがれれば完全治癒」という考え方がスタンダードでした。ところが近年、湿潤療法の効果が注目を浴び、一気に「モイストヒーリング」としてその名前が脚光を浴びるようになりました。
その代表的なケア用品がキズパワーパッド。キズパワーパッドは、1980年代スウェーデン兵士たちの靴擦れや足の痛みを軽減するために開発された絆創膏が進化したものです。ポイントは「かさぶたを作らない」ということ。現在ではやけどを始め、肌の傷ケアには欠かせないものとなっています。
やけどにまつわるQ&A
やけどにまつわる疑問をピックアップしました。ぜひ参考にしてみて下さい。
水ぶくれはつぶす?
プクッとふくれた水ぶくれ。やけどによる水疱は、ついつぶしてみたくなりますがNGです。この水ぶくれの中身、実はやけどの自然治癒を高める浸出液なのです。
無理につぶすとせっかくの自然治癒力が流れ出てしまううえ、やけどした部分の傷口からばい菌が侵入する可能性も!つぶさずにそっとしておきましょう。
冷却シートで冷やしてもいい?
発熱時や筋肉痛などのとき、気持ちよく冷やしてくれるのが冷えピタです。しかしやけどのときは絶対使ってはいけません。
皮膚にピタッと吸着しはがれないように工夫されているため、やけどの上に貼った場合はがすときが大変!傷口をさらに深くしてしまう可能性があります。
やけどで指紋がなくなったら?
指にやけどを負ってしまったとき、とても困るのが「指紋認証」ですよね。ひどくやけどしてしまったときのすぐあとは指紋認証は反応してくれません。やけどで消えてしまった指紋はどうすれば戻るのでしょうか?
やけどにより指紋が消えたように見えても、実は皮膚が再生するにつれ再び指紋は現れてくれます。もし皮膚を移植するような手術をしてもその下から指紋は現れるのです。不思議ですね。
指やけどをあとかたもなく消すために
やけどをしたとき、その痛みもさることながら「もしあとが残ってしまったらどうしよう?」というあせりと不安で動揺してしまうもの。しかしやけどはとにもかくにも瞬時に冷やし、次に湿潤方法を取り入れれば軽いやけどなら心配ないようです。
「潤す」ことで自然治癒をさらに高め、一日も早くしなやかな指を取り戻しましょう。
このまとめのキュレーター
カテゴリ一覧