尿管結石の原因とは?食生活の乱れから?必見!4つの治療法と予防法など!
尿管結石は、尿路結石の1形態です。なぜ発生するか定かでない部分も多くあるとされますが、病気が原因であったり、また結石が出来たことで病気の原因になったりと、単純に石ができて、おしっことともに排出すれば治るといったことでもないケースもあるようですので、詳しく調べてみました。
尿管結石とは?その原因は?
尿管結石の原因について、調べてみました。尿路になんらかの菌が感染して結石になるケースもあれば、結石が感染症を引き起こすケースもあるといわれていて、まだ結石ができる原因は、完全にはわかっていないようです。
とはいえ、どういったケースで結石が起きやすいのかなど、わかっていることもあるようですので、この記事では、結石ができる原因と治療法、予防法などについて、調べてみたいと思います。
突然の激しい痛み!尿管結石とは何?その症状は?
尿管結石とは、尿路にできる結石の1種です。まず尿路結石、尿管結石の概要を見て行きましょう。
尿管に出来た結石のこと
腎臓(じんぞう)から尿道に至る尿の通り路に結石ができる病気を尿路結石症といいます。尿路結石症は、結石ができる部位により、腎臓結石(腎杯(じんぱい)結石、腎盂(じんう)結石)、尿管結石、膀胱(ぼうこう)結石、尿道結石、などに分類されると言います。
尿管結石では、結石が尿管を閉塞し、尿の流れが妨げられ、腎部、尿管、膀胱に沿って激しい痛みが出て、吐き気を伴うとされます。放置していると治まったり、鈍痛に変化することがあります。結石が10mm以下の場合は、痛みとともに自然に排出される場合があると指摘されています。
血尿は痛みの発作時に多くあらわれて、痛みの強いとき、うつ伏せになり、痛みの強い部分を強く指圧すると一時的に痛みを抑えることができるともされます。尿路結石ができるのは男性の方が多く、男性女性の割合はおよそ2:1とされています。その理由としては、男性ホルモンが結石の成分となるシュウ酸を増やすためであると考えられているようです。
尿管結石の成分
尿路結石の構成成分は、全結石の90%前後はシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどのカルシウム結石であると言います。そのうち、上部尿路結石(腎結石と尿管結石)について、腎結石の最初の結石発作後4年以内は、最も注意が必要であるとされています。
一般に、長期(10年)間での再発率は約40%とされていますが,日本での過去の報告によると,平均観察期間7年での平均再発率は,シュウ酸カルシウムとリン酸カルシウム結石で約41%、リン酸マグネシウムアンモニウム結石で約39%,尿酸結石で56%,シスチン結石で50%であったと言われます。
尿管結石の自然排石率は約60%で、発作の起こる状況は地域と気候によって異なるといい、四季がある地域では夏期に結石発作が起こりやすいとされていますが、排石は冬期に多いという報告があると言います。さらに結石の発作に対しては、気温が20度以上の時や、急に低気圧となった場合にも気をつけた方がよいようです。
突然の腰背部の激痛
尿路結石の主な症状は強い痛みと血尿であるとされます。疼痛(とうつう)は結石が尿の流れを塞(ふさ)ぎ、腎臓の中の圧が上昇するため起こると言います。突然に疝痛発作(せんつうほっさ)といわれる激痛が起こります。わき腹から背中にかけて間欠的にまたは持続的に痛みがあらわれるとされます。
時に下腹部の痛みが放散しますが、吐き気や嘔吐(おうと)を伴うこともあると言います。血尿は痛みの発作に伴ってあらわれることが多いとされます。結石が膀胱の近くまで下降した場合は排尿痛、頻尿、残尿感などの膀胱刺激症状があらわれ、細菌感染を合併すると、高熱を出し、尿が濁るようです。
また、膀胱結石が尿の出口を塞ぎ、尿道に結石が詰まった時には尿が出せなくなってしまいます。しかし、全く無症状の場合もあり、気がつかないうちに徐々に腎臓の機能が悪化することがあると言われます。
特に両側の尿管結石では腎臓からの尿の流れが詰まって、尿が全く出なくなり急速に腎機能障害が進行することがあり、尿量のチェックがとても重要であると言われています。
病気が原因でできることもある!尿管結石の原因は?
尿管などにできる結石の原因はなんでしょうか。様々な病気や、食事内容などが誘因としてあげられています。
尿路の通過障害
尿路に何らかの原因で通過障害があると、尿流の停滞を招き結石を生じやすくなるとされます。腎結石や尿管結石については、尿の停滞をきたす尿路通過障害や長期臥床(ちょうきがしょう:寝たきり)も原因となるほか尿を濃縮する状態も結石形成に関係があるとされています。
腎髄質(じんずいしつ)でつくられた尿が集まる腎盂(じんう)から尿道に至る尿路のどこかで、尿の流れが悪くなったり、閉塞した場所があると、腎臓に尿がたまります。その結果、内部の圧力が上昇して腎盂や腎杯(じんぱい)が拡張し、腎臓の組織(腎実質)が萎縮した状態になることを水腎症(すいじんしょう)というとされます。
水腎症の原因には、腎結石や尿管結石などによって尿路が閉塞することや、神経因性膀胱、大腸がんや直腸がんの尿路への転移や、がんによる圧迫があるとされています。
尿管狭窄(にょうかんきょうさく)や前立腺肥大(ぜんりつせんひだい)などにより尿路通過障害が起こっている場合も、尿路結石症の原因となる場合があると言います。
患者さんのための腎・尿管結石の手引き
http://www.kanazawa-med.ac.jp/~urol/urol_treatment_calculus.htm
尿路感染症
尿路感染症では、慢性的に持続する尿路感染が結石形成の重要な一因であると言います。尿素分解酵素を有するグラム陰性桿菌(いんせいかんきん)が尿素からアンモニアを形成し、尿をアルカリ化するため、リン酸マグネシウムアンモニウムやリン酸カルシウムが析出(せきしゅつ:液体から固体が分離して出来ること)しやすく、結石が形成さるとされます。
尿路感染症には腎盂腎炎(じんうじんえん)、膀胱炎(ぼうこうえん)、尿道炎(にょうどうえん)などがあると言います。複雑性腎盂腎炎とよばれる病気では、尿管結石などで、尿の流れが滞った場所に細菌が感染して、腎盂ないし腎臓に炎症が及ぶものであるとも言われます。
尿量が少ない
乏尿(ぼうにょう:尿の量が少ないこと)や無尿の原因としては、「腎前性」「腎性」「腎後性」の3つに分けられるといいます。そのうち、腎後性乏尿・無尿は、尿路や膀胱に障害あるもので、原因としては、尿路に起こる結石、腫瘍(しゅよう)、炎症などがあり、尿路外の病変としては骨盤内の悪性腫瘍の進展やリンパ節転移などによる圧迫などがあるとされます。
逆に、尿流に停滞があると尿路結石ができやすいとも言います。尿量を確保するために、水を飲むことを推奨されますが、アルコールは脱水になりやすく尿をかえって濃くてしまうため良くないとされます。さらに、コーヒー・紅茶などは、結石の成分となるシュウ酸の含有量が多いため飲み過ぎに注意することとされています。
また牛乳は、カルシウムを多く含み、シュウ酸が体内に吸収されて尿中に排出さえるのを減少させる効果があるため、適量飲むことを推奨されています。
偏った食事
結石の原因には、食事(偏食、カロリー過多など)があるとも言われます。結石は従来、中年以降の男性に多いとされましたが、最近は若年化が進み、女性にも増えているといいます。その背景には食生活の洋風化、とくに肉類など動物性タンパク質の摂取量の増加が指摘されています。
肉類などを多く食べると、シュウ酸や尿酸などの物質が体内に増え、シュウ酸には、カルシウムと結合しやすい性質があり、腸のなかでカルシウムと結びつくと、便と一緒にからだの外に排泄されます。
しかしシュウ酸の量が多いと、あまった分は尿のなかに出て、尿のなかでシュウ酸がカルシウムと結合し、石のようなかたまりとなって排泄されにくくなり、腎臓に障害を及ぼしたり、尿管を詰まらせることになるとされます。
このように、肉類などの動物性蛋白(たんぱく)を多くとると、体内にシュウ酸が増え、それだけ結石のリスクを高めることになるとされています。その他、動物性の脂肪分を過剰摂取することも良くないとの説があります。
副甲状腺機能亢進症
副甲状腺(ふくきょうじょうせん)の病気は、ホルモンが多すぎる病気と少なすぎる病気のふたつに大きく分類でき、副甲状腺ホルモンが多くなりすぎる病気を、副甲状腺機能亢進症(ふくきょうじょうせんきのうこうしんしょう)と呼ぶと言います。
副甲状腺機能亢進症は、外科的な治療の対象となり、さらに原発性副甲状腺機能亢進症と二次性副甲状腺機能亢進症に分類されると指摘されています。これらの症候で副甲状腺が腫れると副甲状腺ホルモンを必要以上に分泌するようになるようです。
その結果、血液中のカルシウム濃度が高くなり、カルシウム濃度が少し高いだけでは何も症状はありませんが、カルシウム濃度が高くなるにつれて筋力低下、イライラ感、不眠、掻痒(そうよう:かゆみ)感、倦怠(けんたい)感、食欲不振、嘔吐(おうと)、便秘、体重減少、消化性潰瘍(かいよう)による腹痛、などの症状がみられる場合があるとされます。
また血液中のカルシウムが高くなると、尿中にカルシウムが排泄され尿中カルシウム濃度が高くなることで腎臓や尿管、膀胱(ぼうこう)に結石ができることがあると言います。
アセタゾラミドは、緑内障などに用いられる薬剤ですが、副作用として、尿pHと尿中カルシウム,リン排泄を増加させて,リン酸カルシウム結石を形成することがあると指摘されています。そのほか、副腎皮質(ステロイド)ホルモンでも結石ができることがあると言われています。
おしっこと一緒に出す以外にも最先端の治療法がある!尿管結石の治療法は?
一般的には、結石の治療といえば、おしっこと一緒に出す努力をするといったイメージですが、レーザーを使ったり、内視鏡手術など最先端の技術での治療もあるようです。
自然排石
結石の発作がおこっているときには鎮痛剤が投与され、発熱があって感染を合併している場合には抗生物質も投与されると言います。尿管結石の約60%は自然排石し、結石の部位により異なり、上部、中部、下部尿管にある場合、それぞれ22%、46%、71%の排石が認められ、特に8mm以下の結石は自然排石の可能性が高いと指摘されています。
尿管を広げる薬を注射や内服しながら、運動や多量の飲水により排石を促す治療が行われるといいます。
体外衝撃波腎結石破砕治療法(ESWL)
体外で発生させた衝撃波エネルギーを体内の結石に収束させて照射し、結石を砕く治療法であるとされます。結石の大きさによっては何回か繰り返す必要があるとされます。ESWLは安全性の高い治療法ですが、結石が割れても破砕片が尿管に詰まり、複数回に及ぶと尿管を傷つけることがあると言います。
また、まれに腎臓の周りに出血して痛みと血尿や、貧血が出ることもあり、効果がない場合の複数回のESWLは推奨されないと言います。特に2cmを越える大きな結石や癒着(ゆちゃく)の強い結石に関しては、手術が長期にわたる可能性があり、内視鏡手術(TUL・PNL等)を併用することがあるとされています。
経尿道的尿管破砕術(f-TUL)
尿道から細い内視鏡を膀胱、尿管、腎盂(じんう)まで挿入し、結石を破砕する治療法で、入院で麻酔をかけて行うとされます。ホルミウムレーザー(Ho-YAG)を用いた砕石や、鉗子(かんし)での摘出を行うと言います。
X線に映りにくい成分の結石や骨盤に囲まれた部分の結石は直接モニターで確認しながらのTULの方が確実に砕石、摘出が可能であると指摘されています。近年、内視鏡やレーザーの進歩によるTULの安全性・確実性が向上しているともされますが、ただしレーザーを使用した場合、応用範囲の広い方法ですが、大きな腎結石では破砕しきれないことがあるとも言われています。
経皮的腎結石摘出術(PNL)
背中から腎臓へ直接細い管を通し(瘻孔(ろうこう)という)、内視鏡を用いて結石を破砕する手術法で、おもに大きな腎結石に対して行われるとされます。十分破砕しきれない場合にはESWLを併用することがあるようです。
この手術では、腎臓を穿刺(せんし)した部分から出血し、輸血が必要になることがあり、術後にもカテーテルから出血しますが、通常は自然に止血するとされ、出血が止まらない場合に、血管造影をして、出血部の血管を詰める処置や、場合によっては開放手術、腎臓の摘出が必要になる危険性もあると指摘されています。
アルコールは脱水症状になるためNG!尿管結石の予防法は?
結石の予防法は、なんといっても、飲食の内容を注意することのようです。水分量の確保(アルコールはNG)も重要とされています。
水分を沢山とる
結石を予防するためには、1日の尿量を2リットル確保することが理想とされています。それを目標に水分を摂取するようにします。
嗜好品に気を付ける
シュウ酸を多く含む食品の過剰摂取を避けるようにします。紅茶・コーヒーなどです。飲酒も、脱水を起こさないように適量にします。ビールはプリン体含有量が多いために結石の原因になると言います。
食事に気をつける
食事では、動物性蛋白(たんぱく)、カルシウム、シュウ酸、塩分、脂肪、糖分の過剰摂取を避けますが、全く摂取しないとかえって結石を招くことになりますので注意するとされています。
1日3食を規則正しく、食物繊維や植物性タンパク質を多く含んだバランスのとれた食事内容、適度な運動をすることが、尿路結石の再発、生活習慣病の予防につながり、食事内容、生活スタイルを見直すことが要望につながると指摘されています。
ストレスを溜めず睡眠をとる
ストレスを溜めずに十分に睡眠をとり、精神的な余裕をもつことも予防につながると言われています。
食事内容に気を付けて、規則正しい生活が予防法の第一歩!
最後までお読みいただきありがとうございました。このように尿管結石などの結石がなぜできるのかについて、はっきりとした原因の特定はできていませんが、様々な病気など体調が崩れることが誘因となっていることもわかってきているようです。まずは、食事内容に気を付けて、規則正しい生活を送ることで、結石ができるのを出来る限り避けましょう。
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