腸捻転の症状や原因、予防法まで。腸捻転になったら緊急手術が必要!?

背中やお腹痛くないですか?ガスや便が出にくく、お腹が膨れていませんか?吐き気はありませんか?その痛みは強くなってきていませんか?それは、ただの便秘ではなく、腸捻転(ちょうねんてん)という可能性もあります。今回は腸捻転について、症状や原因、治療法や予防法について、詳しく、そしてわかりやすくまとめてみました。

半年ぶりのツアーのため来日した、あの大スター、ポールマッカートニー、体調不良ですべての公演を中止したことは記憶に新しいと思います。最初公演の中止理由は、ウィルス性炎症と発表されていましたが、その後、なんと日本で「腸捻転」の手術を受けていたことが判明しました。

そんな大スターさえも苦しめた「腸捻転」についてお話ししたいと思います。

腸捻転は絞扼性イレウス、もしくは複雑性イレウスともいわれ、ほっておくと死に至る危険性もある怖い病気です。

腸捻転は、死に至る病気?

腸捻転とは腸がねじれてしまっている状態のこと!

なんらかの状態で腸の内容物が通過できなくなってしまった状態のことを腸閉塞(イレウス)といいます。
その腸閉塞にはいくつかの種類があり、そのなかの一つに腸捻転があります。

腸閉塞には、機械的イレウスと機能的イレウスにわかれます。

機械的イレウス=腸の中が物理的に閉塞されている状態

機能的イレウス=腸管がつまっていないにもかかわらず、内容物が停滞して動かない状態のことをいいます。腸管内に分布している神経の障害で、麻痺やけいれんなどです。おなかの手術の後や、腹膜炎などで見られます。

機械的イレウスはさらに二つに分かれます。単純性イレウスと複雑性イレウスです。

単純性イレウスは閉塞性イレウスともいい、過去にうけた手術が原因で腸管がくっついてしまう腸管癒着や、癌・結核・梅毒などの病気による腸の組織の変化や、結石・糞石が腸をふさぐ異物によるものなどが原因で腸が閉塞してしまう状態のことをいいます。腸の血行障害はありません。

複雑性イレウスは、絞扼性(こうやくせい)イレウスともいい、腸管が絞扼してしまったり、重なってしまったり、腸がねじれてしまう(腸捻転)ことが原因で、腸が閉塞してしまう状態になってしまうことをいいます。腸が血行障害を起こしてしまいます。

約90%は機械的イレウスによるもので、腸の詰まり方がひどくなってしまうと、腸の血行障害が悪くなり、腸管の細胞が死んでしまう壊死という危険な状態にもなってしまう怖い状態です。

腸捻転は死に至る病気?!

先ほどお話しした通り、腸捻転は腸がねじれてしまっているため、腸の血管もねじれて締まってしまい、血行が障害される可能性があるといわれています。そのため、このままの状態でいると、最終的には血行不良で腸自体が腐ってしまい、死に至る危険性もある病気であるといわれています。

このような状態になってしまってから、発見されると、緊急手術が必要となってくるそうです。

腸捻転の3つの症状

腸捻転は、発症が急激で、腹痛もずっと続くような激しい痛みを伴うそうです。発症した初期から、嘔吐がみられ、発熱や頻脈など、全身症状を伴い、はやくにショック状態にもおちいる怖い病気だといわれています。

お腹を押すと、痛がる様子も強く、お腹をかるく圧迫して急にはなすと激痛を伴うといわれています。(腹膜刺激症状)

腸がねじ曲がって、閉塞をおこしてしまうと、腸に血液が十分に届かなくなってしまうため、腸が壊死して、穴があいてしまったり、血液に細菌が感染して全身に損傷をあたえる敗血症になってしまったり、また、臓器が動かなくなってしまう多臓器不全になったりする原因になるそうです。

腸捻転の場合、腹痛は急激に始まり、どんどん強くなっていきます。お腹のふくらみは目立ちませんが、腸管全体が麻痺を起こすそうです。ねじれて締め付けられている部分が、こぶのようになり、触ると分かる可能性もでてくるそうです。

1.腹痛

腸が捻転などで、閉塞してしまった時の、典型的な腹痛の症状として、お腹全体がきりきりとさすような痛みが起こるとされています。

なぜなら、腸が詰まってしまうことによって、腸自体が食べたものを押し出そうとして、緊張を強めるために、するどい激しい痛みが起こるためです。この痛みはとても激痛ですので、腸捻転を起こした方は悶絶するようなことがあるほどだともいわれています。

2.悪心・嘔吐

腸が詰まってしまうことによって、流れることができなくなった腸液は、どんどん増えて、出ていくところがなくなると、胃に溜まり始めます。そして、最終的には口から戻さざるを得なくなってしまいます。おう吐する前には気分もわるくなり、吐き気も起こってくるといわれています。

腸の上部の閉塞ほど、気持ち悪さや吐き気が強い傾向があるとされています。

吐物の臭いが、便のような臭いがするようなことがあれば、腸が閉塞している場所が、口から遠い部分の腸であることが分かるそうです。下流に向かうにつれ、吐物が胃液、胆汁、食べ物の残りかす、便汁へとかわってくるそうです。

3.排便・排ガスの停止

腸がふさがってしまうため、消化途中の食べ物も、消化液も再吸収されずに、腸に溜まってしまいます。そのため、便が出なかったり、ガス(おなら)がでなかったり、お腹がはったりする症状も出てくるといわれています。

腸捻転の原因とは?

原因として腸間膜の
(1)腸間膜の瘢痕(外傷や手術、やけどの後にみられるきずあとのこと)
(2)腸間膜の癒着(腸間膜が炎症などによってくっついてしまうこと)
(3)腸間膜の索状物形成(癒着でできるヒモ)で締め付けられたりねじれてしまうこと
(4)腸管自体の癒着、
などだと言われています。

腸捻転の治療は緊急手術になることも!

複雑性イレウスとされている腸捻転は、緊急手術を必要とするといわれています。

問診や全身状態の影響を見ながら、いくつかの検査をおこなって、総合的に判断し、治療方針を決めるそうです。治療時期を逃してしまうと、生命の危険の可能性も出てくるため、迅速に、的確に診断をしていくことが求められているそうです。

症状がある程度軽いものでしたら、絶食を行い点滴で栄養補給をおこなうそうです。そして、鼻から細いチューブを通し、胃や腸の中身を吸引する治療方法を選択するようです。漢方薬の「大建中湯」という薬が効果を発揮することもあるそうです。

症状が腹膜炎などの危険性があり重症だと判断されましたら、早急に手術をおこなう場合もあるそうです。

もともとの原因が過去にうけた手術によることが多いので、今回手術で腸捻転を治療した場合、再発を繰り返す可能性があるそうです。症状が軽快した場合も、体調を観察し、再発の恐れが内科、病院で診察を受けるようにしましょう。

腸捻転の検査とは

血液検査

体内でどのくらい炎症がおこっているのか、脱水がどのくらい起こっているのか、電解質バランスに異常はないか、などを血液検査により判断するそうです。

単純X線検査

腸が今どのような状態であるかを見るために使われるそうです。
正常だと存在しない、異常ガス像、消化液とガスで形成される鏡面像(消化液とガスの境目がくっきり表れる)、また詰まって広がってしまった腸を確認するそうです。

解析度は低い検査になりますので、原因となる疾患が直接画像でみることはできないそうですが、ガスの溜まり具合などから、間接的に原因を推測するとのことです。

超音波検査

超音波を使って、腸内に消化液がたまっているか、どのくらい腸が拡張しているか、腹水があるかなどを観察するそうです。

腫瘍などの病変や、脱腸とよばれるヘルニアの状態などがみえる場合もあるといわれています。

超音波の性質上、ガスが多く溜まっていると、見えづらいという難点もあるそうです。

CT検査

CT検査では、腹部の断面を撮影することができます。画像もきれいにみえるため、腹部の状態や原因、閉塞した場所を見ることができるそうです。
また、造影剤をつかうと、血流もみることができるため、腸捻転などの診断に有効とされています。

ただし、腸管内部にある腫瘍や、体積のない癒着やねじれの診断には観察がしにくいそうです。

小腸造影

鼻や口からチューブをいれ、小腸に造影剤を入れて、撮影するX線検査です。治療中、治療後の経過観察のときに実施されるそうです。腸の通過状態や、運動状態など機能をみる上で重要な検査とのことです。

注腸検査

大腸が閉塞しているとき、原因を特定するために、肛門から造影剤を注入しておこなう検査です。

病変部の腸管全体を観察するためにつかわれる検査とされています。

内視鏡検査

これは、観察というより、大腸の閉塞が疑われるとき、診断や腸内の圧力を減らす目的でこの検査がおこなわれるそうです。病変を直接カメラで目視し観察するそうです。また、疑わしい場所があったとき、腸の内壁の組織を採取し、精密検査にまわすこともできます。

血管造影

造影剤を血管内に注入して血液の流れを見る検査となります。腸間膜動脈血栓症が疑われるときにします。診断確定や、血栓を溶かして治療することを目的としています。

MRI

電磁波を使って腹部の断面を撮影できる検査です。

腸閉塞だと、腸管全体の運動状態を動画で見ることができるようになった機械を備えている病院もあるそうです。

MRI

腸捻転の予防法とは?

一般的な予防法はないですが…

腸閉塞には多様な原因があるため一般的な予防法はないといわれています。

ただ、腹部の手術後、癒着が原因で腸閉塞(腸捻転も含む)になることが多いので、消化のよい食事をとるよう心がける、下剤などを服用し便通を調整する、整腸効果があるとされる漢方薬「大建中湯」等を処方してもらうなど、症状に合わせて担当の医師と相談して予防していく事がたいせつです。

しかし、十分気をつけていても、再発するときには再発するそうです。過度に神経質にならずにゆったりした気持ちで生活することも大切なようです。

腸捻転を疑うなら消火器外科へ

手術が必要なこともあるので、消化器外科が良いと思われます。

腸捻転のまとめ

腸捻転は、急速に重症化してしまう危険性もあるため、早めに治療をすることが何よりも大事だということです。

排便や排ガスがなく、おう吐をしたり、お腹がはっているような感じがしたり、お腹の痛みが増すようなことがあれば、早めに受診することが重要です。

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