風邪が治らない!?疑われる6つの病気とその理由&5つの対処法について!

風邪をひくことはだれでもあると思いますが、あまりにも長いこと治らない場合には、単なる風邪だけが理由ではない可能性もあります。今回の記事では、一般的に言われる「風邪」というものに関して、さまざまな角度から深く切り込んでみたいと思います。

なかなか治らない風邪の原因とは?

季節の変わり目や急に夜中に冷えた翌日など、「あれ?風邪ひいたかな?」なんてことはよくあることだと思います。通常は2、3日から1週間もすれば治ってしまうのが常ですが、あまりにも長く続く場合にはどんんな理由が考えられるのでしょう。その前に、まずは「風邪」とはどんなものなのかについて、改めて知って頂きたいと思います。

そもそも風邪とは?風邪って病名じゃないの?

一般的には、くしゃみや鼻水、発熱などの症状がが出ると風邪と言われますが、医学的には「かぜ症候群」と呼ばれています。通常は症状から臨床的に診断されますが、重篤な疾患の可能性もあるのでそれらとの鑑別が大事です。

急性炎症の総称

かぜ症候群(いわゆる風邪)とは、急性の上気道における炎症性の疾患を総称したもののことを言います。そもそも気道とは、空気の通り道のことを言います。その通り道とはまず、鼻にある前庭という部分から始まって、次に鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、細気管支を経て肺胞までに達しています。

その内、上気道とは鼻前庭から喉頭までをいい、気管より末梢に至る部分のことを下気道と呼んでいます。最近では上気道だけではなく。下気道にまで広がって急性炎症をきたす疾患を総称して、かぜ症候群と分類されるケースも出てきています。

一般的な風邪の諸症状とは

一般的には風邪の自覚症状としては、発熱や頭痛、全身の倦怠感(だるい感じ)、鼻に現れる諸症状(くしゃみ、鼻水や鼻づまり)、咽頭症状(喉の痛み)などがあります。下気道にまで範囲を広げる見地からすると、咳や痰などもその症状に挙げられます。

原因の約9割はウイルス性

かぜ症候群(いわゆる風邪)の原因の8割から9割がウィルスが原因とされています。代表的なウィルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスなどがあります。

ウイルス性以外の風邪とは?

かぜ症候群(いわゆる風邪)の原因として、ウィルス以外のものには、細菌やクラミジア(クラミドフィラ)、マイコプラズマなどがあります。また、ウィルスや細菌などに感染する以外にも、寒さや化学物質の吸入、またはアレルギーなどによっても、かぜ症候群が惹起されるようなこともあります。

ほとんどがこれ!ウイルス性の風邪の特徴

風邪の原因のほとんどがウィルスによるものなので、ウィルス性の風邪の特徴というよりは、大部分の風邪の特徴といった方が正確かもしれません。最近などによる風邪症状については、後で詳しく述べたいと思います。

一過性の激しい症状

かぜ症候群(いわゆる風邪)の症状に関しては、基本的にはみなさんも御存じのとおりのものばかりだと思います。すなわち、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状、および喉の痛みや咳、痰などの咽喉に現れる症状などの呼吸器症状が、その主なものとして挙げられます。

また、その他にも発熱や食欲低下、全身の倦怠感や頭痛、さらには筋肉痛や関節痛などが現れることもあります。下気道にまで範囲が広がってくると、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢などの消化器系の症状を伴う場合もあります。これらは、ウィルスの種類によっても違いますし、罹った人の年齢などによっても変わってきます。

たとえば、大人だと軽症で済むライノウィルスによって、新生児ICUにおいて感染症が集団発生したこともありますし、RSウィルスも、抵抗力の低い小児や乳児、また免疫不全の疾患を抱えている患者さんの場合には、細気管支炎や肺炎、気管支炎などをもたらすこともあり、最悪の場合、死に至るケースもあります。

また、みなさんもよくご存じの冬になると爆発的に流行するインフルエンザも、一般的にはかぜ症候群に含まれます。これなどはまさに、一活性の激しい症状ということが出来るでしょう。

肺炎にはなりにくい?

一般的に、免疫力が正常に働いていれば、大人の場合は軽症で済むことがおいので、肺炎にまで至るようなことはあまりありません。ただ、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、免疫不全患者さんなどの場合には、先述したように、細気管支炎や肺炎に至るケースもあります。

余談ですが、筆者は小さいころ体が弱かったそうで、3歳のころに母親が風邪で病院に連れて行ったそうです。その時の処置が適当ではなかったのか、その後、肺炎を起こしかけてしまったことがあるそうです。今でも母親はその時のお医者さんのことをボロクソに言っていますが、肺炎になる可能性があるということは、子供のころから耳にタコが出来るくらい聞かされたわけです。

一週間内には鎮静化する

通常、風邪をひいても1週間もすれば鎮静化してくるのが普通で、重症化するようなケースはあまり多くありません。ただ、2週間程度、鼻の症状や、咳が継続するケースもあるそうです。また、ウィルス感染による風邪を発症している時に、同時に細菌感染を合併したりすると、症状が重症化して、発熱や関節痛などの全身症状が出てくることもあります。

ここが厄介!細菌性の風邪の特徴とは?

さて、ウィルス性以外の風邪についてですが、主に細菌性のものが挙げられます。ウィルス性の風邪に比べてどのような特徴があるのでしょうか?

治りにくい

細菌性の疾患の特徴は、治るのに時間がかかるということです。通常の風邪の場合、一週間程度で治ってしまいますが、細菌感染症の場合は、抗生物質を長く飲み続ければならないケースも多いです。基本的にウィルス性の風邪と細菌性のそれとでは治し方からして違う訳です。

自然に治るとは限らない

ウィルス感染による風邪に対する有効な治療法って、実はないんですよ。効果のある薬もないので、基本的には自然治癒を待つこととなります。インフルエンザの時に薬を飲むじゃないか、と思われるかもしれませんが、あれもウィルスを死滅させる訳ではなく、増殖を抑えるだけですし、その効果にすら疑問を持つ医師がいるのも事実です。

細菌性の感染症に対しては、後でも詳しく述べますが、抗生物質が用いられるのが常です。放置してしまうとこじらせて入院にまで至るおそれもありますからね。ただ、抗生物質には用いるにあたっての注意点があるのですが、これに関してもあわせて後述したいと思います。

ウイルス性の風邪との関係

また筆者の話で恐縮なのですが、子供がまだ1歳の時に中耳炎になり、耳鼻科に連れて行ったことがありました。風邪をひいたので病院にいたのですが、薬を飲んでも治らないので、翌日に耳鼻科に行ったら中耳炎と診断されました。早めに気が付いたので重症化せずに済んだのは良かったのですが、そこで抗生物質がだされた訳です。

風邪の原因は先ほどから述べているように、ウィルスがそのほとんどな訳です。なのになぜ抗生物質が必要なのかを医師に聞いたところ、「細菌による二次感染を予防するため」だということでした。抵抗力の弱い乳児なのでそのような可能性もあるのですね。また、ウィルスと細菌に混合感染することもあるので注意が必要です。

なぜ細菌性の風邪は長引くのか?

細菌性の疾患に関しても、適切な治療がおこなわれれば、症状自体は短期間で消失することもあります。ただ、長引いてしまうような場合にはどのようなことが考えられるのでしょうか。

抗生物質を使用しなければ治らない

ウィルスの場合には、有効な治療法はないので、原因となるウィルスが体外に排出されるのを待つこととなります。細菌による疾患の場合は、原因となる細菌を抗生物質によって死滅させる必要があると医師によって指摘されています。そのため、症状が収まってからもしばらくは、抗生物質の服用を続ける必要がある訳です。

抗生物質の無駄な投与

最近、医師や研究者によっても、抗生物質の用いすぎについて警鐘が鳴らされるようになってきています。日本における風邪治療に対して、抗生物質があまりにも多く用いられている背景には、医師の不安からくる習慣的投与と患者の誤った抗生物質に対する信仰、また製薬会社の無節操な販売促進などがあると考えられています。

たしかに、抵抗力の弱い病人に対する二次感染の防止に必要なケースがあるのは事実ですが、抗生物質の最大の問題として、耐性菌が挙げられます。つまり、人間が抗生物質をジャブジャブ使いすぎることによって、細菌が耐性を獲得してしまい、結果として疾患が治りにくくなるという皮肉が生まれている訳です。

最近社会問題になった、女子に対する子宮頸がんワクチンなどは記憶に新しいことと思います。また、過去には薬害エイズ問題もありました。本来、疾患から患者や患者予備軍を守るための医療によって、新たな被害者が生まれていることを、我々はけっして忘れてはいけません。

悪化しやすい

たびたびスミマセンが、またまた筆者の体験談です。先年、子供がインフルエンザに罹ったんです。それが治ったかと思ったら、今度は溶連菌に感染しました。それで、抗生物質を10日間飲むように言われたのですが、7日目に薬疹が現れたので、薬を飲むのをやめ、慌ててかかりつけの病院へ。

結局、抗生物質を止めた判断が良かったようですが、完全に薬疹が治るまでにまた別の薬を飲む羽目になってしまいました。まだ小さい子供に薬ばかり飲ませて本当に申し訳なかったですが、抵抗力が弱い子どもや高齢者の場合は、肺炎などの合併症を起こしたり、二次感染の恐れがあるので注意が必要です。

症状が長く続く場合に疑う病気をご紹介!

「ただの風邪だと思っていたら、なんだかずいぶん長いこと治らないな」なんて時には、思いもよらぬ疾患の可能性もあります。以下の病気についてチェックしてみてくださいね。

溶連菌感染症

溶連菌は、正しくはA群β‐溶血性連鎖球菌といい、昔は、猩紅熱と呼ばれていたことをご存知の方もいらっしゃるかも知れません。代表的な細菌性の疾患で、子供に多く見られることが知られています。現在では適切な治療により問題なく治癒することが殆どです。喉の痛みや発熱、全身の発疹などが見られます。

肺炎・肺結核

肺結核は結核菌による感染症です。かつては国民病ともいわれましたが、現在では減少してきています。とはいえ、毎年2万人以上が発症しているということです。咳や痰が続く場合には、一度病院を受診しましょう。また、風邪をこじらせることで高熱をともなう肺炎に至ることもあります。

喘息・気管支炎

風邪の一般的な原因であるライノウィルスによって、ぜんそく患者さんの症状がひどくなったり、RSウィルスによって気管支炎に至ることがあります。

アレルギー性鼻炎

風邪と見分けがつきにくい疾患の一つに、アレルギー性鼻炎があります。風邪の場合には鼻詰まりが数日で終わるのに対して、アレルギー性鼻炎の場合には症状が長く、またサラサラとした鼻水が出るのが特徴です。

肝膿瘍

肝膿瘍はその名が表す通り、肝臓に膿瘍が形成される(膿が溜まった)感染性の疾患です。原因としては、肝臓外から細菌や原虫などが肝内に進入して、増殖することで起こることが分かっています。発熱や倦怠感、腹痛(右上腹部痛)などが現れます。通常は風邪と間違うことはないと思いますが、黄疸が現れるような場合には速やかに医療機関を受診しましょう。

肺がん

肺癌の初期には症状が現れることはほとんどありません。タバコを良く吸う人は、普段の風邪との違和感を感じたら、速やかに医療機関を受診すると良いでしょう。

長く続く風邪の対処・予防法を5つご紹介!

風邪が長く続くような場合、どのような対処をすればよいのでしょう。また、風邪にならないためには、普段からどのようなことに気をつければよいのでしょうか?

充分な睡眠をとる

免疫力を高めたり疲労回復するのに睡眠に勝る方法はありません。あまりにもひどい時には会社など休んでしまいましょう。仕事には代わりはききますが、あなたの変わりはいないのですから。

バランスの良い食事

風邪を治すには睡眠のほかには栄養です。体で作ることのできないビタミンCや、乳酸菌などを摂取するのもよいでしょう。栄養バランスのとれた食事で、風邪に負けない体を作ることが大事です。

飲酒・喫煙を控える

風邪をひいている時に飲酒や喫煙をするなんて持ってのほか。お医者さんによっては、「喫煙と飲酒をするならうちに来るな!」という怖くてありがたいお医者さんもいるんですよ。

ストレスをためない

ストレスがたまるほど元気になってやる気満々になる、なんて奇特な人はあまりいないと思います。ストレスは万病のもとなんて言われますし、やはり適度にガス抜きを行った方が良いでしょう。

長引く場合は迷わず病院へ

風邪のなにが怖いかというと、「こじらせる」ことです。最悪、肺炎を起こして場合によっては死に至ることは、本文中でも述べてきたことです。長引くような時には自己判断をせず、医療機関を受診しましょう。

たかが風邪、されど風邪です!

風邪が重篤化して合併症を招いてしまうこともあれば、インフルエンザであってもすぐに治ることもあります。それは、普段からの積み重ねが肝心な時にものを言うということです。生活習慣の見直しや適度な運動などで、風邪をそもそも引かないようにしたいものですね。

記事内容に関する通報フォーム

関連するまとめ

こんなまとめも人気です♪

急性胃腸炎って人にうつるの?細菌性・ウイルス性7つの種類を知ろう!6つの症状や4つの原因・適切な対処法と食事法まとめ!

急性胃腸炎って人にうつるの?細菌性・ウイルス性7つの種類を知ろう!6つの症状や4つの原因・適切な対処法と食事法まとめ!

ウイルス性腸炎完全ガイド!脱水に注意?潜伏期間はウイルスによって3つに分類!6つの原因・症状、治療法を詳しく解説!

ウイルス性腸炎完全ガイド!脱水に注意?潜伏期間はウイルスによって3つに分類!6つの原因・症状、治療法を詳しく解説!

もしかして肺炎?咳が止まらないときに考えられる10の病気

もしかして肺炎?咳が止まらないときに考えられる10の病気

一人暮らしでも大丈夫。風邪の時に食べるといい食べ物11選

一人暮らしでも大丈夫。風邪の時に食べるといい食べ物11選

風邪を早く治す方法とは?症状別の対処法と風邪に良い9つの食材をご紹介!

風邪を早く治す方法とは?症状別の対処法と風邪に良い9つの食材をご紹介!

このまとめのキュレーター

カテゴリ一覧

内容について連絡する

運営会社 | WELQについて | お問い合わせ | プライバシーポリシー | ご利用上の注意 | 会員規約

WELQ [ウェルク] | ココロとカラダの教科書