排尿障害ってどんな病気?意外と身近な6つの症状と効果的な薬をご紹介!
尿が出すぎてしまったり、あまりにも出なかったり、タイミングをコントロールできなかったり。肺尿に関するありとあらゆるトラブルを、「排尿障害」と呼びます。この記事ではその排尿障害の症状や原因、効果的な薬について詳しく紹介していきます。
排尿障害ってどんな病気?
排尿障害という症状をご存知ですか?尿が出にくいこと、あるいは尿意を頻繁に催してしまう状態等の「膀胱の調子が悪いこと全般」を指す病気の一種で、一説によると40代の8人に1人が悩まされているメジャーな症状の一つでもあります。
そんな排尿障害ですが、いったい何が原因で起こってしまうのか。そしてどのように対処できるのか、悩んでいる最中の方は気になりますよね。この記事では排尿障害の原因と起こるメカニズム、そして薬で出来る排尿障害への対処法について紹介します!
排尿障害ってどうなるの?6つの症状を紹介!
多尿
排尿障害の代表的な症状の一つに、「多尿」というものがあります。多尿とはその言葉の通り、ふつう1日1000ml~2000mlの排泄量であるはずの尿が3000ml、つまり3~1.5倍の量にまで増えてしまうことの状態を指しています。
この症状を発症するとトイレの回数が圧倒的に増えるため、「頻尿」と区別がつかない患者さんも多くいるそうです。しかし多尿はたいていの場合、同時に喉の乾きを訴えることがあるため、「頻繁な尿」と「喉の渇き」を前後で感じたら多尿である可能性が高いといわれています。
頻尿
排尿障害のもっとも代表的な症例の一つにも上げられるのが、「頻尿」という症状です。ふつう体は、尿を排出する必要があるタイミングごとに暴行を収縮して排尿するシステムになっています。
ところが、頻尿の状態になってしまうと膀胱が排尿の必要を問わずに収縮してしまい、必要も無いのに頻繁にトイレに行きたくなってしまうようになるのが「頻尿」という症状なのです。この症状は一定の基準を設けられているわけではありませんが、「通常よりも回数が頻繁になった」ト感じたら頻尿のサインであるといわれています。
尿失禁
「尿失禁」とは、自分がしたい・したくない関係なしに尿が漏れ出てしまう症状のことを指しています。この症状は日本でもお悩みの方が多いのですが、「恥ずかしさ」や「衛生観念」からカミングアウトしないケースがほとんどであるといわれています。
尿失禁は、多くの場合下の4つのケースのどれかに当てはまるといわれています。
■尿失禁の4つのケース
・腹圧性尿失禁…とっさに立ちあがった時やくしゃみをした時など、不意にお腹に力を入れた時に起こってしまうおしっこの漏れを指しています。女性が発症することの多いケースであるようです。
・切迫性尿失禁…場所に関係なく突然尿がしたくなり、トイレ以外の場所で排泄してしまうケースのことを指しています。外出中などに悩まされることの多い症状です。
・溢流性(いつりゅうせい)尿失禁…尿を排出したいタイミングで出来ない代わりに、後から少しずつ排出してしまう失禁のことを指しています。男性に多い症状で、前立腺肥大症が原因となることもあるそうです。
・機能性尿失禁…排尿の機能自体は健康だけれど、運動不足、あるいは認知症などの「脳機能の低下」等が原因で起こってしまう失禁のことを指しています。
尿閉
排尿障害のうち、「尿閉」は尿を排出するのが非常に難しい状態を指しています。具体的な症状としては、尿意を催してトイレに言ったにもかかわらずなかなか排尿されない。あるいは、腹圧を始め「尿を出すよう圧迫する行為」をしてようやく尿を排出する状態のことを指しています。尿閉には、突然起きてしまう「急性尿閉」と、徐々に進行して慢性的な症状へとかわる「慢性尿閉」の2種があります。
前者は「膀胱に問題はないけれど、お酒を大量に飲んでしまった」時、後者は「何らかの事情で尿路がふさがれ、膀胱に尿が溜まってしまっている」時に起こるそうです。また、慢性尿閉は上記の溢流性失禁(少しずつ漏れ出る症状)の原因にもつながってしまう場合もあると言われています。
残尿感
「残尿感」とはその言葉の通り、尿を排泄した後にも関わらず「まだ尿が残っている感じがする」症状のことを指しています。この症状が起きている時、本当に膀胱に尿が残っている場合もあれば、実際には尿が残っていないというケースもあるそうです。
原因は不明である場合が多いそうですが、男性は「前立腺肥大」、女性は「膀胱炎」など、排尿に関わる箇所がはれている可能性が高いとも言われています。
乏尿、無尿
排尿障害の症状のうち、「乏尿」「無尿」と呼ばれるものがあります。これは1日の人の排尿量が1000ml~2000ml程度だとすると、乏尿の場合は「400ml以下」、無尿の場合は「50ml以下」と、非常に少ない数値を指している時を指しています。
この症状は腎臓の機能不全や出血、心臓の病気などによって尿を排出する機能が弱まってしまい、体の中にある「不要物」をため込んでしまっている状態であるそうです。尿の出が悪いほか、吐き気やダルさ、不整脈などを訴えるケースもあるといわれています。
排尿障害はなぜ起こる?6つの原因を紹介!
排尿障害がどうして起こってしまうのか、これは人によってさまざまな原因があるといわれています。神経が原因である場合、身体の筋力、お薬の影響などなど、この項目で詳しく紹介していきます。
体内の水分保持力の低下
排尿障害、特に多尿の原因には「体内で水分をキープするための機能が低下している」事が考えられています。何らかの事情で体が水分不足を頻繁に訴えて切る状態である時、冷たい水を多く摂取してしまいがちであるためなのだそうです。
このほかにも、糖尿病や腎不全などの疾患によって腎臓における抗利尿ホルモンの分泌に障害がある時、必要以上の尿の発生を抑える働きが弱ってしまうために起きるとも考えられています。
脳梗塞などの過去の症状、神経系のトラブル
排尿障害が起きてしまう第一の原因に、「神経系との連絡がうまくいかない」ことがよく上げられます。この理由はいくつかあり、脳卒中や脳梗塞、パーキンソン病を始めとした脳に関わる病気や、脊髄損傷をはじめとする脊髄の障害によって脳と膀胱(尿道)の筋肉を繋いでいる神経が正常に働いていないためと考えられています。
ふつう尿が出そうな時、神経は「膀胱に尿をためる」→「まだ出さない」→「もう出して良い」→「膀胱を緩める(締める)」→「尿道を締めるよ(緩めるよ)」の順で尿を出すための指令を出します。しかし、神経が正常に働かない場合はこの通達がうまくいかず、失禁してしまうのだそうです。
排尿に関する臓器のトラブル
神経に並んでよく上げられる排尿障害の原因に、「臓器」が上げられます。これは排尿を司る臓器(膀胱、尿道、男性だと前立腺など)に疾患や障害があるために起こる症状です。代表例として、以下のものが上げられます。
·膀胱…膀胱に腫瘍ができている(膀胱がん)。あるいは膀胱結石。
·尿道…過去の性病などが原因で尿道内に傷ができている。あるいは尿道腫瘍、結石など。
·前立腺…前立腺が肥大している。
骨盤底筋が弱っている
女性に多い排尿障害の原因には、「骨盤底筋のトラブル」が上げられます。これは加齢であったり出産の経験によって、膀胱や子宮、尿道を支えるための骨盤底筋が傷つく、あるいは弱ってしまうことにあたります。
骨盤底筋が傷ついたり弱ったりしてしまうと神経が排尿までの流れをスムーズに通達できないため、買活動膀胱や失禁といった症状を招きやすいといわれています。
ストレスにともなう自律神経失調症
このほかに上げられる排尿障害には、「自律神経失調症」の症状の一つとしても考えられています。ふつう神経が健やかである場合、脳から排尿を司るための通達がスムーズであるために失禁などといった事態を招くことはあまりありません。
ところが自律神経失調症などの状態であるとは自身の行動(排尿含む)をうまくコントロールできなくなってしまうことが多いそうです。このことから、排尿に至る指令も神経から筋肉へと上手く通達されないのではないかと考えられています。
薬剤による副作用
排尿障害の原因には、利尿をうながす副作用を持つ薬のためであるとも考えられています。この場合はかかりつけの医師に相談して、薬の摂取について検討するのが良いと考えられています。
排尿障害に効く薬って?とっておきの4種類をご紹介!
排尿障害は、自分の力だけでは治すのが困難な場合の多い症状です。けれども、薬の力を体内に働かせることによって、症状を和らげて過ごしやすくすることは可能であるといわれています。この項目では、錠剤の薬を3種類、漢方の薬を3種類、それぞれの働きと効能について詳しく紹介していきます。
ユリーフ錠
排尿障害を治すための薬に、「ユリ―フ錠」と呼ばれるものがあります。この薬は尿道や前立腺といった「排尿障害における直接的な原因になりやすいパーツ」に働きかける作用があります。
尿道の中における圧力を下げることによって、「残尿感」や「尿の勢い」といった日常生活で困りがちなポイントを緩和する働きがあるといわれています。ただし、「前立腺の肥大にともなう排尿障害を緩和する」作用を持つ薬であり、「前立腺の肥大を和らげる」薬では無いという点については注意が必要であるそうです。
タムスロシン塩酸塩OD錠
排尿障害を治療するときにもちいられる薬で、「タムスロシン塩酸塩OD錠」と呼ばれるものがあります。この薬も尿道や前立腺などの箇所に働きかけて、「アドレナリンα1受容体」を遮断することによって排尿障害を和らげる働きを持つ薬です。
フリバスOD錠
排尿障害を治療する時に用いられるお薬の一つ。尿道や前立腺といった排尿に関わるところの緊張を抑えることによって、尿が溜まっている状態を緩和する働きがあるといわれています。主に前立腺肥大や、頻尿などの治療薬として使用されることが多いそうです。
漢方
排尿障害を治したいけれど、ふつうの薬ではちょっと抵抗がある。そんな時は、ナチュラルな素材で作られるという「漢方薬」を使った治療法がおすすめです。排尿障害に効果を発揮するといわれている漢方薬は、以下の3種類になります。
■排尿障害に効果的な漢方薬
・猪苓湯(ちょれいとう)…膀胱炎や残尿感など、排尿に関わるところの腫れ等をやわらげる効果があるといわれている漢方薬です。おもに体を温める作用が期待されていて、この他にも身体の血流を良くして膀胱等の排尿の機能を正常にする働きがあるといわれています。
・八味地黄丸・八味丸(はちみぢおうがん・はちみがん)…下半身が冷えている時、温める効果があるといわれている漢方薬です。高齢の方の頻尿を始めとした、トイレに頻繁に行きたくなる症状を和らげる働きが期待できるといわれています。
・清心蓮子飲(せいしんれんしいん)…体を温めることによって、過敏な神経を和らげる効果があるとされる漢方薬です。神経の調子が整っていないことが原因で起こっている頻尿や、尿意切迫などへの効果が期待できるといわれています。
もしかして排尿障害?!疑惑があったら病院へ!
誰にとっても身近な問題・排泄と密接に関わっている「排尿障害」、いかがでしたでしょうか。尿が多すぎたり少なすぎたり、出すぎたり出なさすぎたり、加減が測れないことで悩まされるこの症状。「恥ずかしさ」から言いだせない方が多いそうですが、かなりお悩み中の方が多い健康トラブルの一つでもあるそうです。
けれどもその一方で、「泌尿器科」を始めとした専門のお医者さんに相談することで、症状の緩和や日常生活を快適にするのは可能であるといわれています。排尿障害のうち思い当たる症状があったら、お近くの専門の医師の方に相談してみるのをおすすめします。
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