トイレがつらい…出血性膀胱炎は放置NG!繰り返す前に治療しよう

排尿時に痛かったり、血尿が出てびっくりしてしまうなどの症状が起こる”出血性膀胱炎”。膀胱炎は女性に多い病気と言われています。気になる原因や治療、検査方法などについて紹介します。

出血性膀胱炎について

膀胱炎は思春期以降の女性の約半分の人が経験するとも言われている病気です。膀胱炎には、出血性膀胱炎・慢性膀胱炎・間質性膀胱炎など他にも様々なタイプに分類されています。トイレで尿を見て驚いて心配になってしまった人や、お子様が排尿時になんだか変というママさんの為に、ここでは血尿を伴う”出血性膀胱炎”について紹介していきたいと思います。

「出血性膀胱炎」ってどんな病気?

膀胱炎と聞くとなんとなくどんな病気か想像がつく人も多いと思います。しかし、症状や診断についてあまり知らないという人も中にはいると思いますので、出血性膀胱炎とはどのような病気なのかというところから紹介していきます。

出血性膀胱炎とは

肉眼で確認できる位の血液の混ざった尿(血尿)を伴って、トイレの回数が多くなる頻尿・排尿時に痛みを感じる排尿痛・トイレに行ったのに尿が残っている感じがするなどの膀胱刺激症状と呼ばれる症状がある膀胱炎の総称を”出血性膀胱炎”と呼びます。

わかりやすく要約すると、通常の膀胱炎に血尿の症状がプラスして表れると出血性膀胱炎と呼ばれる事が多いということですね。

血尿が出る仕組み

血尿は字の通りで、尿に血液が混ざっている状態のことを指します。血液が多く混じっていて、尿が褐色~赤色になり肉眼でも確認ができる状態は”肉眼的血尿”と呼ばれ、顕微鏡で見ないとわからない状態は顕微鏡的血尿と呼ばれています。

血尿は、腎臓・尿管・膀胱・尿路(尿の通り道)などの部分で、どこから出血をしても表れると言われています。血尿が表れた場合には、体内の尿に関係している部分のどこかで出血があったということですね。

大人より子供が発症しやすい?

血尿を伴わない膀胱炎は思春期以降の女性に多いと言われていますが、出血性膀胱炎に関しては子供が発症しやすいと考えられています。出血性膀胱炎はウイルス感染やそれに伴うアレルギーが主な原因で、そのウイルス感染の中でも、アデノウイルスというものが一番多いと言われています。このウイルスに子供がかかりやすい為、子供が発症しやすい病気と言われています。

しかし上記以外にも様々な原因があり、膀胱炎を発症している人の数が多いことから子供がかかる病気と安心はできないでしょう。

出血以外の症状について

トイレに何回も行きたくなってしまう頻尿・排尿時に痛みを感じる排尿痛・排尿が終わってもスッキリせず、まだ尿が残っているような感覚の残尿感・発熱(高熱ではなく微熱程度)などの症状が表れます。原因が抗がん剤の場合には、血液がかたまりになり閉尿の併発、膀胱の萎縮などの症状が表れる可能性もあるようです。

排尿痛は排尿中~終わりにかけて強く痛みを感じると言われていますので、ママさんはお子様がトイレで排尿中にモジモジしていたり、痛みを感じているような素振りを見せていたら膀胱炎を疑った方がいいかもしれません。

気になる検査方法は?

日本泌尿器科学会・日本腎臓学会・日本小児腎臓病学会・ 日本臨床検査医学会などが定めるガイドラインでは、膀胱炎の種類によって様々な検査を行う必要があると記載されています。しかし、専門的な検査は数多くあり、すべてを医療機関で行うのは難しいと思います。

病院などの医療機関で一般的に行われる膀胱炎の検査は、”尿検査”と”ウイルス検査”と言われています。原因の特定ができてくれば、それに合わせて新たな検査が加わる可能性もあります。通常の膀胱炎(急性膀胱炎)の検査では、特に恥ずかしい検査はないようですので、気になる症状があった場合には早めに病院で検査を受ける事をおすすめします。

出血性膀胱炎の原因とは?

血尿や痛みを感じたら誰でも怖いですよね。できることなら経験したくないなと思うのが普通だと思います。そんな出血性膀胱炎の原因にはどんなことがあるのでしょうか?

”ウイルス”によるもの

出血性膀胱炎は一般的にウイルス性によるものと認識されているくらい、ウイルス感染による発症が多いと考えられています。その中でもアデノウイルスというウイルスが一番多いと言われています。アデノウイルスは気管支炎・肺炎・胃腸炎など他にも様々な病気を引き起こす可能性があります。

アデノウイルスは子供がかかりやすいと言われています。

”医薬品”によるもの

他の病気で服用している薬が原因になっている場合もあります。特にエンドキサンなどの抗がん剤による副作用で出血性膀胱炎を発症する可能性があります。何か薬を服用している場合には、医師にしっかりと相談するようにしましょう。

”放射線治療”によるもの

女性に多い子宮がんなどで放射線治療を行うことでも、出血性膀胱炎を引き起こす可能性があります。膀胱炎には原因などによって分類が分かれていますが、こうした膀胱炎は”放射線性膀胱炎”に分類されるようです。がんの治療段階で放射線の副作用や後遺症などは医師から説明があるかと思いますが、気になる場合には確認しておくことで原因の特定に繋がるかもしれません。

その他の原因

食べ物や薬によるアレルギー反応で出血性膀胱炎を発症してしまう場合もあります。また性行為によって尿道から細菌が入ってしまうことで発症してしまう可能性があります。性行為の後はできれば早めに排尿すると良いと言われています。

その他にもストレス・疲れ・尿を我慢し過ぎる・体調不良なども膀胱炎を引き起こす原因となる場合がありますので、日頃の生活でも注意しておくといいと思います。

出血性膀胱炎の治療

ここでは出血性膀胱炎で主に行われる治療方法をいくつか紹介します。他の病気が原因となっていれば、そういった病気の治療も行う可能性があります。

自然治癒するケースも

出血性膀胱炎は基本的には自然治癒することが多いと考えられています。肉眼的血尿は数日でなくなり、尿検査でも10日程経過すると血尿はなくなると言われています。その他の症状も1週間程経過すると徐々になくなっていくようです。しかし、原因によっては治療が必要になるケースもありますので、医師の指示に従うようにしましょう。

ちなみにウイルス感染の場合に多いとされているアデノウイルスには特効薬がない為、安静と十分な水分摂取をして様子を見る治療法になるというのも自然治癒が多いと言われる要因ではないでしょうか?

アレルギーの原因は避けましょう

出血性膀胱炎を発症する原因のひとつとして、食物や薬などのアレルギーがあると言われています。もしアレルギーの原因となっている食物や薬などが特定できた場合には、それらを避けるようにしましょう。市販薬であれば添付書類などに副作用について記載がある場合もあると思います。

根本的な原因を解決しなければ、膀胱炎の治癒や再発などをしてしまうかもしれません。

抗生物質や抗菌剤

出血性膀胱炎に限らず、膀胱炎の治療としては抗生物質や抗菌剤を使用した治療が行われると言われています。これらの薬を投与することで多くの人は症状が良くなる可能性があります。数日間薬を服用していると、徐々に自覚症状がなくなっていくようです。自覚症状がなくなり、尿検査を行って菌がいなくなっていれば薬の服用は中止できると考えられています。

薬に対して耐性を持つ細菌も多い為、医師が検査で原因となっている細菌をしっかり特定して薬の種類を選択する必要があるようです。原因となっている細菌が特定できないと、膀胱炎が慢性化(再発)してしまう可能性があります。

原因がわからない場合

間質性膀胱炎という原因がわからない膀胱炎の場合には、原因がわからない為、食事療法や薬の服用などの様々な治療が行われると言われています。その中で”膀胱内注入療法”と呼ばれる治療法があります。膀胱内に薬を注入する治療法ですが、あまり実施している医療機関は少ないと言われています。

膀胱炎にならない為の2つの予防策

出血性膀胱炎を含む膀胱炎にならない為には、どのような対策をしておくといいのでしょうか?様々な予防がありますが、ここでは2つの予防法を紹介します。

水分をしっかり摂取する

水分をあまり取らない人は水分を多めにとるように心掛けましょう。朝1杯の水を飲むようにしたり、ごはんの時に1杯しか飲まなかった水を2杯にしたりなど、日頃の生活の中で心掛けていけば意外と摂取量を増やせる機会は多いのではないでしょうか?

水分を多めに摂取することで、トイレに行く回数を増やす事が大切と言われています。尿を溜め込まないようにするということですね。仕事などで仕方がない場合もあるかと思いますが、なるべくトイレを我慢し過ぎない事も忘れないようにしましょう。

抗がん剤の投与中は”予防薬”

白血病や悪性リンパ腫などのがん治療に使われる薬が出血性膀胱炎の原因となる可能性があります。抗がん剤の中でもシクロホスファミドという薬が原因となる場合が多いと言われています。これは使用する量が多ければ多い程発症のリスクが高まると考えられています。

抗がん剤を使用している場合には”メスナ”という薬を併用することで、抗がん剤による出血性膀胱炎の予防効果に期待ができます。気になる人は抗がん剤治療を行う前に医師に相談してみるといいかもしれません。

つらい時は我慢しないことが重要

排尿時に痛みを感じたり、血尿が出たりして「膀胱炎かも」と思っても、病院を受診するのが恥ずかしいという人も多いようです。主な検査は尿検査になりますので恥ずかしい事はありませんし、多くの女性が経験すると言われている病気です。

自然治癒する場合が多いといっても、病院を受診すれば、薬を服用することで症状が緩和される可能性や完治までがスムーズになる可能性もあります。膀胱炎に隠れている病気を見逃してしまったり、原因がわからず何度も繰り返してしまったりする前に一度病院で検査を受けてみることをおすすめします。

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