【水腎症の治療・原因まとめ】胎児や新生児にも多いって本当?手術法についても解説します!

水腎症のこと知っていますか?あまり聞いたことがないですよね。もしわき腹や下腹部、腰に鈍い痛みが続いているときや激しい痛みに襲われたときは水腎症かもしれません。ここでは簡単にわかりやすく水腎症のことを解説します。

水腎症とは?

水腎症とは腎臓が尿で満杯になってしまうこと!

腎臓は尿を作り体から不必要になった成分と水分を排出する臓器です。腎臓で作られた尿は腎臓から尿管を通って膀胱へ貯めらます。そして膀胱から尿道を通って体外へ排出されます。腎臓から尿の出口までの通り道を総称して尿路といいます。その尿の通り道である尿路の一部が何らかの原因で狭くなっていたり、塞がれてしまうと尿が排出できず腎臓に尿が溜まってしまいます。そうすると腎臓に尿が溜まって拡張した状態になります。この状態を水腎症と言います。

水腎症は先天性なものと後天性なものがあり子供で発症する水腎症の多くは先天性で、成人で発症するものは後天性のものが多いようです。最近では胎児の段階で水腎症が見つかったり、新生児でも発症していることもあるようです。

腎臓は二つありますが、二つとも水腎症になってしまうと腎臓の機能が正常に働かなくなり腎不全の状態になってしまうこともあるようです。

■用語のまとめ■
・腎臓…尿をつくるところ
・尿管…腎臓から膀胱までの尿のとおり道
・膀胱…尿を溜めるところ
・尿道…膀胱から尿の出口までの尿のとおり道
・尿路…腎臓から尿管、膀胱、尿道までの尿のとおり道の総称

目黒区の病院【五本木クリニック】公式サイト「水腎症」のページ。泌尿器科の症状、水腎症の説明。五本木クリニックは学芸大学駅より徒歩約6分。地域に密着した診療で「日本一の町医者」を目指しています。

大阪府域における周産期及び小児医療の専門的な基幹施設として、地域の医療機関と連携し、高度な医療を必要とする妊産婦や低出生体重児、新生児、乳幼児、小児に対し一貫した高度専門医療を行っています。

水腎症の症状とは?

1.水腎症の症状:腎疝痛

尿路が狭窄したり、ふさがったりして起こる痛みがあります。この症状を腎疝痛といいます。腎疝痛の痛みは間欠的に生じるようです。また病状がゆっくりと進んでいくような水腎症ではわき腹などに鈍痛が生じる場合もあります。このようなに経過している場合は症状がでないこともあるようです。

2.水腎症の症状:しこり

尿路の閉塞によって腎臓や尿管などに尿が溜まり大きくなってしこりとして感じられることがあります。

3.水腎症の症状:吐き気などの消化器症状

水腎症では、消化器症状がでることがあるようです。特に吐き気や嘔吐は、痛みが強くても起こる症状でもあり、水腎症の患者によく見られる消火器症です。これは、腎臓が大きく腫れ上がり内臓を圧迫するためにおこる症状といわれています。

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4.水腎症の症状:発熱

尿の排出がうまくできず尿が溜まった状態が続くと細菌に感染してしまい熱が出てしまうことがあるようです。

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5.水腎症の症状:腎不全

二つとも腎臓が水腎症になってしまった場合は腎臓の機能が低下してしまい腎不全になってしまうこともあるようです。

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水腎症の原因とは?

先天性疾患

一般的に子供のころに水腎症といわれている人は、ほとんど先天性といわれていると思います。先天性とは、生まれつき持って生まれた異常という意味です。
子供の状態を見ていて、異常な尿や、腰痛・腹痛などが多いときはできるだけはやく腎臓の専門医に診てもらいましょう。

尿路が狭い

尿が出る道が狭くなってしまうことで、排尿されないことによって、腎臓内に尿がたまっている状態です。それは、尿管と腎臓をつないでいる尿の道が、何らかの影響で折れ曲がったり、圧迫されたり、別の病気の手術の影響などで狭くなってしまうことがあります。

石の形成

結石はカルシウムやリン酸コレステロールなどが結晶となり大きくなったものです。結石は自然と尿から排出されていることもあります。それらの腎臓結石か尿管結石などによって、腎臓や尿管が閉塞し尿の排出を妨げることによって水腎症が発症することがあるそうです。

日本小児泌尿器科学会

腎臓への尿の逆流

尿が逆流することによって腎臓に尿がたくさん溜まり水腎症を発症してしまうようです。腎臓で作られた尿は膀胱に溜められたあと体外へ排出されますが、膀胱と尿管のつなぎ目に異常があるときなどに腎臓に向かって逆流を起こしてしまうことがあるようです。

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神経因性膀胱

膀胱は、尿がたまると脳が尿を出すように指示を出しています。しかしその指示がうまく伝達できず、尿意を感じなくなると、尿が膀胱にたまりあふれた尿は、腎臓へ逆流してしまうなど、水腎症の原因となります。これを神経的な因子で起こる膀胱なんで、神経因性膀胱といいます。

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どのような疾患か トイレが近い トイレに行ってもすっきりしない 尿が漏れる うまくおしっこが出来ない 通常、私たちは尿が溜まってくるとトイレに行きたくなります。それは膀胱に尿が溜まると、膀胱から頭へトイレへ行きなさいという信号が送られるからです。神経因性膀胱とは、尿を溜めたり(蓄尿)出したり(

妊娠

妊娠中は、大きくなった子宮によって圧迫されることによって内臓の働きが弱まっています。腎臓や、尿管も圧迫されることによって、尿が腎臓へ逆流し水腎症になるといわれています。これを妊娠水腎症といいます。出産すると水腎症の状態が元に戻ることが多いようです。

腫瘍形成

泌尿器付近の臓器が、癌や腫瘍などに侵されてしまった場合、その腫瘍の圧迫によるものや腫瘍ができたことによって機能を失った臓器が原因で水腎症を起こすことがあるといわれています。

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水腎症の治療・対策

1.水腎症の治療法・対策:経過観察

水腎症の程度が軽く腎臓の機能が保たれていて、症状も特にない場合は経過を観察するだけのこともあるようです。ゆっくりと進行するタイプの水腎症(慢性水腎症)も経過観察の対象となるようです。このような場合は定期的に超音波検査などを受けて進行の様子を観察していきます。

水腎症 question どのように治療するのですか? answer 症状がなくて腎機能が保たれて、、、

2.水腎症の治療法・対策:薬物療法

前立腺がんなどの腫瘍によって尿管が狭窄したり閉塞している場合は薬物療法を行い腫瘍を小さくすることを試みます。

結石が原因の場合はまず自然排石を試みるようです。そのときに排石を促進する薬や鎮痛剤を使用するそうです。

先ず自然排石が可能かどうかが腎臓結石治療のポイントとなります。大きさが1cm位までなら排石可能です。保存的治療が無理な場合、ESWL(体外衝撃波砕石術)または内視鏡治療になります。予防には水分摂取が大切です。

水腎症 治療

3.水腎症の治療法・対策:手術

尿管結石や腎臓結石などにより尿管が狭窄、閉塞している場合は結石を衝撃波を使用して砕く手術(体外衝撃波結石破砕術)や内視鏡手術などが行われる場合もあるそうです。また尿管の狭窄している部分を切除して腎臓とつなげる腎盂形成術という手術が必要になることもあるようです。

腫瘍などが原因となっている場合はその腫瘍を取り除く手術が行われる場合もあります。

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水腎症 2.水腎症の外科的治療(手術) 1.当科が推奨する手術:腎盂形成術

4.水腎症の治療法・対策:腎ろう、尿管ステント

腎ろうとは尿が溜まった腎臓の内部へ直接チューブを入れて尿を排出させる治療法です。また尿管ステントは腎臓から膀胱までの尿管にチューブを入れて尿のとおりをスムーズにします。

水腎症の検査 

尿路閉塞はほとんどの場合治療が可能であるようですが、治療が遅くなってしまうと回復が難しくなる損傷が腎臓に生じてしまうこともあるようです。そのためにもできるだけ早く治療ができるよう各種の検査を行って診断を得ることが重要となってくるようです。

超音波検査

超音波検査は痛みなどを伴うこともなく簡便にできる検査です。この検査によって水腎症の度合いもある程度わかるようです。

RI(ラジオアイソトープ)検査

水腎症の度合いが強い場合は腎機能が低下していないか確認するために利尿レノグラムや腎シンチグラムといわれるRI検査が行われます。この検査ではRI(ラジオアイソトープ)と呼ばれる放射性物質を注射します。この検査で使用するRIは特殊な性質を持っていて注射すると腎臓に集まります。腎臓に集まったRIはろ過されて尿路を通過して流れていきます。その様子を専用のカメラで撮影することで観察できます。

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CT

CTによる検査は迅速に行うことができとても精度が高くなっています。結石などを診断するときによく使われます。

排尿時膀胱尿道造影

尿の出口からチューブを使用して造影剤を膀胱に注入し排尿の様子を確認します。排尿をするときに逆流があるかどうかを見ます。水腎症は超音波検査や画像診断などで膀胱尿管逆流症との鑑別診断を行います。この検査は乳児などで水腎症の度合いが比較的強い場合に行われるようです。

内視鏡検査

尿道から専用の内視鏡を入れて直接尿路を観察します。

血液検査・尿検査

通常水腎症では血液検査の値は正常のようですが、腎臓が二つとも水腎症になっているときは腎臓機能が低下することがあります。その場合腎臓機能の指標となる項目に異常が見られることがあります。また尿検査も通常は正常ですが、感染症を発症している場合は尿にも異常が見られることがあるようです。

水腎症の予防法とは?

水腎症の原因となる尿路の狭窄や閉塞は子供の場合は先天性のものが多く構造上の問題であるため予防は難しくその他の腫瘍や逆流なども予防は難しいものとなっているようです。しかし腎臓結石や尿管結石などが原因で生じる水腎症は結石ができるのを防ぐことによって予防できます。結石は食生活を改善したり気を付けることである程度予防できるようです。ここでは結石を予防する方法を紹介したいと思います。

水腎症の予防法:結石を予防する

1)水分をたくさんとる……1日に1.5Lから2Lの水分を目安にします。
2)カルシウムの摂り過ぎに気を付ける……結石の主な成分がカルシウムとなっています。
3)動物性タンパク質を摂りすぎない……動物性タンパク質には尿中へカルシウムの排泄量を増やす作用があるようです。

先ず自然排石が可能かどうかが腎臓結石治療のポイントとなります。大きさが1cm位までなら排石可能です。保存的治療が無理な場合、ESWL(体外衝撃波砕石術)または内視鏡治療になります。予防には水分摂取が大切です。

水腎症は何科? 

水腎症の専門科は泌尿器科になります。尿を作り排出する臓器、器官を泌尿器と言います。具体的には尿を作る腎臓、尿を貯める膀胱、腎臓から膀胱へ尿を流す尿管、尿を体の外へ排出する尿道などです。また体の構造上から男性の生殖器も泌尿器科になります。

水腎症のまとめ

いかがでしたか?水腎症という病名はあまり聞いたことがないと思いますが、わき腹や下腹部などが急激に痛くなったり鈍い痛みが続く場合は水腎症になっている可能性もあるのですね。しかしその症状から一般の人が水腎症を疑うことはとても難しいことです。結石による狭窄や閉塞を生じた場合はかなりの激痛で救急車を呼ばなくてはならなくなることもあるそうです。重度になってしまうと腎臓の機能が落ちてしまい運が悪ければ腎不全になることもある病気のようです。水腎症の症状にあてはまるようなことがあれば早めに病院へ行き医師の診断を受けて早期に治療を開始しましょう。

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