逆流性食道炎の薬は種類が豊富!市販薬や漢方を含む15種を一挙公開!
逆流性食道炎で、薬を飲んでいる人はいませんか?逆流性食道炎に使われる薬は、医療用の薬を中心に漢方などを合わせるとたくさんのタイプがあります。今の薬が効かなくても、他のタイプに変えることで改善できるかもしれません。逆流性食道炎の薬について知っておくと、医師に相談する時にも便利です。ここで確認しておきましょう。
逆流性食道炎に効く薬は?
逆流性食道炎にかかったことはありますか?胸焼けやげっぷなどの症状に悩まされて、酸がこみ上げてくるのが気持ち悪いですよね。夜中に気持ち悪くて起きてしまったり、食事が思うように食べられなくなったり、辛い症状がさまざまに起こります。
逆流性食道炎になったら、基本的には薬物治療が必要になります。どのような薬があるのか、どんな違いがあるのか知っておくと、使い分けや自分の症状に合わせた薬を探すのに便利です。ここでは、逆流性食道炎の薬について着目して解説していきます。
逆流性食道炎とはどうなるもの?
酸が逆流して胸やけの症状がある
逆流性食道炎は、通常は閉じられている食道と、胃の間の下部食道括約筋が何らかの原因によって、開いたままになったりして、酸性度の強い胃酸と消化酵素が含まれる胃液が逆流して、食道粘膜に炎症を引き起こしている病気です。
この症状が、繰り返し起こると、食道の粘膜にただれや潰瘍が生じ、胸やけや呑酸などの不快な症状が起こります。代表的な症状としては、なんといっても胸やけです。酸が逆流してくる症状であるため、個人差もありますが、夜中などに胸の中心がもやもやした状態が、長く続くと言われています。
また、胸やけのほかにも、酸っぱい液体が口まで上がってくる、呑酸と呼ばれる症状も合わせて起こると言われています。胸痛、胸の不快感、咳、のどの違和感、不眠などさまざまな症状がみられます。さらに症状が重い人などは、食事の後や、夜間に嘔吐などを伴うこともあるといわれています。
その反面、中には食道に炎症が起こっていても、あまり症状を感じない人もいると言われており、症状の出方としては、個人差のある病気だと考えられています。
ストレスや過食が原因
逆流性食道炎の原因としては、様々なものが考えられます。まずは、ストレスです。ストレスが溜まると食道が過敏になり、食道知覚過敏という症状になり、より強く酸を感じるようになります。また、過食も大きな要因になると言われています。
特に脂肪分の多い食事をすると、十二指腸からコレシストキニンというホルモンが分泌され、下部食道括約筋がゆるんだり、胃酸が増えたりします。
これは、脂肪がほかの栄養素に比べて消化に負担がかかるからでだと言われており、脂肪分の多い食事を好んで食べる人に、逆流性食道炎が起こりやすいと考えられています。さらにお酒や喫煙などでも、下部食道括約筋の緩みと胃酸の増加を引き起こし、逆流性食道炎を誘発すると言われています。
また、若い人においては「便秘」によって腹圧が高まることもあります。お腹が張っている時、胃は腸からの圧迫を受け、食道への逆流が起こりやすい状況になり、逆流性食道炎を誘発する可能性があると言われています。
診断(問診・検査・治療法の決定)
逆流性食道炎の診断には、ステップがあります。まずは、病院に行き、医師の問診を受けることになります。症状を詳細に医師に伝えることが大事です。症状を事細かに伝えないと、例え逆流性食道炎だったとしても、医師が異なる診断を下す可能性がありますので、詳細に正直に伝えましょう。
問診により、どういう検査が必要か、もしくは検査もせず、薬を処方するだけかを医師が判断します。基本的には逆流性食道炎の治療は、胃酸を抑える治療が主体になります。胃から食道へ逆流する胃酸の刺激を抑えることで、胸やけをはじめとした症状はかなり改善します。
しかし、胃酸以外の胃の内容物が逆流することによる不快感など、胃酸を抑える治療だけでは改善しない症状もしばしばあります。また、残念ながら、胃酸を抑える治療は、中断すると同じ再発しやすいのも特徴で、治療が長引く可能性もあります。
まずは、薬物療法と生活習慣の改善に取り組み、症状が中々改善しない場合には、手術療法を行う流れとなります。その過程で逆流性食道炎の状態をチェックするために、内視鏡検査などで食道と胃の内部を検査することが、考えられるでしょう。
問診時に軽症でないと考えられたり、患者が希望した場合には、次回来院時に内視鏡検査を行う場合もあります。
逆流性食道炎の治療法は?
胃酸を抑える薬物療法
逆流性食道炎の薬物療法としては、逆流性食道炎の症状を抑えるために、刺激になる胃酸を減らす治療が有効だと言われています。胃酸を抑える内服薬にはヒスタミン受容体拮抗薬と、プロトンポンプ阻害薬の2種類があります。
いずれの場合にも、治療期間は長期に渡ることがあり、継続治療する必要性があると考えられています。両方とも胃酸を抑える力がありますが、プロトンポンプ阻害薬の方が胃酸を抑える力が強く、逆流性食道炎の患者さんの多くにプロトンポンプ阻害薬は処方されています。
数種類のプロトンポンプ阻害薬があり、ほとんどの患者さんは症状が改善します。8週間、通常量のプロトンポンプ阻害薬を投与しても、食道粘膜障害と胸焼けなどの煩わしい症状のいずれか、もしくは双方が改善しない場合は「PPI抵抗性胃食道逆流症」と考えられますので、医師に相談することが望ましいでしょう。
逆流を防止する手術
逆流性食道炎を手術で治療する場合には、確実に症状を改善することができる方法だと言われています。胃から食道への逆流を防止する手術であり、機能を取り戻す手段だと考えれば良いです。この手術は、食道を切ったり、胃を切ったりするもではないと言われています。
胃と食道の形をかえる、いわば「形成手術」といって良いでしょう。そのため、胃が小さくなったりすることはありません。食道裂孔ヘルニアをもっている患者さんでは、まず胸の中にあがった胃をお腹の中に戻します。
次に、緩んで大きくなった裂孔を縫い縮めます。そして、胃で食道を巻きつけます。この「巻きつけ」により新たな逆流防止弁が作成され、逆流性食道炎が改善されると考えられています。
逆流性食道炎の主な治療薬とは?
胃酸の分泌を制御する「H2ブロッカー」
H2ブロッカーは、ヒスタミンH2受容体拮抗薬と呼ばれ、逆流性食道炎の薬として広く用いられています。細胞壁にはH2受容体という組織があり、ここにヒスタミンを始めとする3つの化学物質が結びつくことで、胃液が産生・分泌されます。
H2ブロッカーは、胃酸の分泌を制御している化学物質の中でも、重要なヒスタミンがH2受容体に結合するのを防ぐことで、胃酸の分泌を抑える薬です。副作用として、発疹、かゆみ、下痢や口の渇き、腹部膨満感、悪心、めまいや頭痛などが起こることがあります。
H2ブロッカーには市販薬もありますが、医師が処方するものとは含有量が違い、効果が異なる場合がありますので注意しましょう。
その他の副作用
長時間効果が持続する「PPI」
逆流性食道炎の治療薬として、まず重要なのがPPIだと言われています。PPIは、プロトンポンプ阻害薬と呼ばれています。胃の分泌腺にある「壁細胞」には、「プロトンポンプ」という胃酸の主成分である「塩酸」をつくる部分があり、PPIは、このプロトンポンプの働きを妨げることで、胃酸の分泌を抑える薬だと言われています。
胃酸の分泌を抑える薬には、上記のH2ブロッカーという薬もありますが、PPIのほうが強力で、長時間効果が持続します。PPIは、副作用が少ない薬ですが、まれに、発疹や肝障害などが起こることがあります。タケプロン、パリエット、ネキシウム、オメプラール、タケキャブなどが一般的に病院で処方されると考えられます。
胃酸の刺激を防ぐ「粘膜保護薬」
逆流性食道炎の治療薬としては、粘膜保護薬もよく使われます。粘膜保護薬は、食道粘膜の損傷している部位に付着し、胃酸の刺激を防ぐとともに、炎症の改善を助ける働きがあると考えられています。
ただし、効果は短く、多くの場合は、胃酸の分泌を抑えるPPIやH2ブロッカーと一緒に使われることが多いと言われています。また副作用としては、人によって下痢になったり、逆に便秘になる場合もあります。
妊婦も飲める「制酸薬」
胃酸を中和する薬として制酸剤があり、これも逆流性食道炎を緩和する効果があると考えられています。胃酸を中和することで、胃酸の働きを弱める薬です。胸焼けや呑酸などの症状に対する速効性がありますが、効果のある時間が短いので、多くの場合は、胃酸の分泌を抑える薬と一緒に使われます。
また、粘膜保護薬同様に、人によっては下痢になったり、逆に便秘になったりといったや副作用が出ることもあります。制酸薬である酸化マグネシウムは、ジェネリック医薬品が豊富ですので、選択肢がたくさんあり、用量によっても使い分けることができます。
妊婦など薬の投与が困難な場合にも、逆流性食道炎になったときに、制酸薬であれば体に負担をかけずに飲むことができると言われています。ただし、お腹がゆるくなることがあるので、気を付けなければいけません。
逆流性食道炎に効く市販薬は?
胃痛や胸やけに効く「ガスター10」
ガスター10は、H2ブロッカーで胃痛や胸やけに効き、すーっとなる薬だと言われています。過剰に分泌した胃酸をコントロールして、胃痛、胸やけ、もたれ、むかつきに優れた効果を発揮します。また、胃酸の分泌をコントロールすることで、傷ついた胃にやさしい環境を作ってくれるといわれています。
直径7mmの小粒で飲みやすい糖衣錠と、口腔内で崩壊するタイプなど種類があります。しかし、市販薬だからといって、自己判断で薬を増量してはいけません。記載されている用法・用量を守っても症状が改善されないときは、医師に相談することが望ましいでしょう。
また基本的に市販薬では、逆流性食道炎の効能効果を持っている薬はありません。胸焼けなどの症状を改善することはあっても、十分な効果は期待できない場合があるので気を付けましょう。
げっぷや胃痛を抑える「ガストール」
ガストールは、胃液の分泌を通常の値までに抑えることが出来るものであり、症状の一つである、連続して起こるげっぷや胃痛なども抑えることができる、M1ブロッカーと呼ばれています。胃痛の原因は、出過ぎた胃酸が胃を攻撃することで起こります。
2種類の制酸成分である炭酸水素ナトリウム・メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが、服用直後から出過ぎた胃酸を効果的に中和して痛みを抑えます。また、過剰な胃酸分泌による胃痛は、食後に治まり空腹時にひどくなる傾向があります。
ブロッカータイプの胃腸薬は、胃酸の分泌を元から抑えるので、食後から空腹時にかけて、しっかりと痛みを抑えます。さらにガストールは、ピレンゼピン塩酸塩が、胃酸の分泌を抑える攻撃因子抑制作用だけでなく、胃粘液の分泌を増やす防御因子増強作用も併せ持っています。
そして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムも、制酸作用とともに胃粘膜保護作用を持っているため、胃が傷つく事を防ぐだけでなく、荒れた胃を守って修復する作用もあります。
胃酸の分泌を制御「ニチブロック10」
ニチブロック10は、ガスター10と同様のH2ブロッカー胃腸薬で、有効成分のファモチジンが胃酸の出過ぎを抑えてくれます。ファモチジンは医療用の薬としても使用されている成分です。胃酸は酸性度が強く、これによって胃壁の細胞が傷つきます。ファモチジンは、これを防ぐことにより、胃酸の出過ぎで胃痛や胸焼けがしている症状が緩和されます。
成分・分量
傷んだ胃の粘膜を修復「キャベジンコーワ」
キャベジンとは、もともとキャベツから発見されたビタミンUのことで、有効成分はメチルメチオニンスルホニウムクロリド(MMSC)という成分です。この成分は胃潰瘍を抑制し、胃の血流や粘液の分泌を増加させることによって、胃粘膜の保護作用を示します。
キャベジンコーワは、このMMSCという成分に加えて、生薬であるソヨウという成分が加えられています。ソヨウは、体を温め、胃腸機能の改善をしてくれます。
また、健胃作用といい、鈍った胃の働きを元気にしたり、脂肪の消化も助けます。そして、出過ぎた胃酸を中和し、過剰な胃酸を中和してくれると考えられています。さらに、制酸薬として炭酸マグネシウムが配合されており、これは酸を中和するとともに、胃粘膜を覆い、保護する作用もしてくれます。
また、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウムも配合されており、これらも胃酸を中和してくれます。他にもロートエキスが胃酸やペプシンが分泌されることを抑制する効果が期待できます。
ペプシンとは、たんぱく質を分解する酵素ですが、胃に傷がある時には自分の胃のたんぱく質も攻撃してしまうことになるため、ペプシンの分泌を抑えてくれることもとても有効だと言えるでしょう。
開発の経緯
弱った胃を元気にする「パンシロン」
パンシロンは、様々な胃の不快感に効くと言われています。健胃生薬ニンジン末・ケイヒ末配合となっており、健胃生薬成分が飲み過ぎ、食べ過ぎなどで弱った胃を元気にしてくれます。
微粒タイプは服用時の舌触りがよく、口の中でダマにならずにサツとすばやく溶け、錠剤タイプは、丸くて飲みやすい錠剤で、手軽に飲めるのが特長だと言われています。
胃をスーッとさせる速効性制酸剤と持続性制酸剤、荒れた胃粘膜を整える粘膜修復剤と健胃剤、さらに消化を促進する消化酵素など、胃腸薬の基本機能に必要な有効成分をバランスよく配合しています。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが、胃粘膜表面に付着して膜を作り、炎症を鎮めます。胃酸などのダメージから胃を守ります。
さらに、アズレンスルホン酸ナトリウムが、胃の炎症部分に直接作用し、荒れた胃粘膜を修復し、炎症を鎮めます。L-グルタミンは、傷ついた粘膜組織の再生を促進し、胃の粘膜を修復すると言われています。
逆流性食道炎に効く漢方薬は?
半夏厚朴湯:咳や吐き気を抑える
半夏厚朴湯の読み方は、「はんげこうぼくとう」と読みます。気分をリラックスさせ、咳や吐き気を抑える漢方薬だと言われています。半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)の働きとしては、神経をしずめて、心と体の状態をよくします。
また、咳や吐き気をおさえる作用もあります。心身ともに疲れやすく、冷え症で繊細な人に向く処方です。特に、ノドのつかえ感を訴えるときに、好んで用いられると言われています。具体的には、不安感や緊張感、イライラ、抑うつ、不眠、神経性の胃炎や動悸、めまい、さらに喘息や気管支炎などにも適応します。半夏厚朴湯は、主薬の半夏と厚朴を中心に、下記の5種類の生薬からなります。
半夏と厚朴は、ノドのつかえ感や吐き気をおさえ、咳をしずめ、また気分を落ち着ける役目をします。茯苓には、水分循環をよくする作用のほか、鎮静作用もあるようです。蘇葉は咳をおさえ、また、抑うつを発散して治すといわれます。
さらに、これに体を温め胃腸の働きをよくする生姜が加わります。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮すると考えられています。
大柴胡湯
大柴胡湯の読み方は「だいさいことう」と読みます。大柴胡湯は、 肝臓や胃腸の病気、高血圧にともなう諸症状などに用いる漢方薬だと言われています。働きとしては、体の熱や炎症をとり、機能の亢進をしずめます。また、痛みをやわらげたり、便通もつける作用もあると言われています。
体力のあるガッチリタイプで便秘がち、ミゾウチから肋骨下部が強く張っている人に向く処方だと言われています。具体的には、肝臓や胆のうの病気、胃腸の病気、便秘や痔、あるいは高血圧にともなう頭重感や肩こり・めまい・耳鳴りなどに適応します。
大柴胡湯は、主薬の柴胡をはじめ8種類の生薬からなります。柴胡と黄ごんの組み合わせにより、炎症をしずめる効果が高まります。半夏と枳実は、胸のつかえ感や吐き気を抑え、また気分を落ち着けるのに役立ちます。
そのほか、便通をつける大黄、痛みをとる芍薬などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、より良い効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的だと言われています。
半夏瀉心湯:食欲不振や胃もたれ
半夏瀉心湯の読み方は「はんげしゃしんとう」と読みます。半夏瀉心湯は、胃腸の働きをよくする漢方薬で、さらに吐き気や嘔吐、下痢などに用いられます。働きとしては、胃腸の働きをよくして、食欲不振や胃もたれ、吐き気や嘔吐、お腹のゴロゴロ、下痢などを治します。
また、口内炎や神経症にも効果があるといわれています。体力が中くらいの人で、みぞおちが張りつかえ感のあるときに効くといわれています。半夏瀉心湯の主薬の半夏は、吐き気をおさえるための重要な生薬です。他にも、みぞおちの張りやつかえをとり、また、熱や炎症をさまします。
「半夏瀉心湯」参照
黄連解毒湯:のぼせ、イライラ、高血圧
黄連解毒湯の読み方は「おうれんげどくとう」と読みます。黄連解毒湯は、のぼせ、イライラ、高血圧にともなう諸症状などに用いる漢方薬だと言われています。働きとしては、体の熱や炎症をとり、機能の亢進をしずめる働きがあります。体力がある人で、のぼせ気味、また血圧が高めの人に効果があると言われています。
具体的には、のぼせ、ほてり、イライラ感、不眠、動悸、胃炎、鼻血などの出血、あるいは高血圧にともなう頭重感や肩こり・めまい・耳鳴りなどに適応します。
黄連解毒湯は、いずれも熱や炎症をしずめる寒性の生薬です。山梔子には、止血作用もあると言われます。一緒に働くことでより良い効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的だと言われています。
茯苓飲:胃もたれや胸やけ
茯苓飲の読み方は「ぶくりょういん」と読みます。茯苓飲もツムラから販売されており、胃の働きをよくする漢方薬です。胃もたれや胸やけに用います。働きとしては、胃の働きをよくして、水分の停滞を改善します。その作用から、胃のチャポチャポ、胃もたれ、胸やけ、吐き気などに用います。
茯苓飲は、無駄な水分を取り除く茯苓と蒼朮、滋養強壮薬の人参、健胃作用のある陳皮や枳実・生姜などから配合されています。
安中散:胃痛、胸やけ、食欲不振
安中散の読み方は「あんちゅうさん」と読みます。安中散は、胃痛や胸やけ、食欲不振などに用いる漢方薬です。働きとしては、胃の痛み、胸やけ、胃もたれ、食欲不振などを改善します。冷え性でやせ型、体力のあまりない人に向いていると言われています。
安中散は、胃の痛みをおさえる延胡索、炎症や痛みを緩和する甘草、胃酸を中和する牡蛎、そのほか、健胃作用のある桂皮や茴香、縮砂、良姜などが配合されています。
薬が効かない時に見直すことは?
薬の効く時間を把握する
逆流性食道炎に用いられる薬には、薬の効果のある期間が様々です。特に制酸薬や粘膜保護薬などは効果のある時間が短いため、すぐに効果が切れ逆流性食道炎の症状が出てしまう可能性があります。特に、寝る前などに飲んで、寝ている間に症状が復活してしまう人も少なくないようです。
薬の効果が切れて症状が戻り、日常生活などに支障がある場合には、医師に相談の上、薬の種類を変えてもらうことが望ましいでしょう。
薬の種類が合っていない
H2ブロッカー、PPI、制酸薬、粘膜保護薬はどれも、薬の効果が違ったり作用時間が違います。もし、飲み始めて効果がまったく得られない場合や、上記理由などで効果がすぐに切れてしまう場合には、医師に相談の上、処方薬を変えてもらうことを検討したほうがいいかもしれません。
また、医師に相談する際には、詳細に自分の症状を伝えることを心がけることが望ましいでしょう。どんな時に症状が強いかなど、特徴を伝えることで適切なお薬を処方しやすくなります。
自己判断でやめない
逆流性食道炎の薬物療法は、自己判断でやめてはいけないと言われています。たとえ、自覚症状がなくなっても、炎症が残っている可能性があります。事実、H2ブロッカーやPPIを飲んで、症状が改善したからといって薬を飲むのをやめて、症状が再発している患者さんはたくさんいると言われています。
逆流性食道炎は薬を飲んだだけではダメで、生活改善などをしなければ、何度でも再発してしまうと言われています。症状が改善してきたら、病院に行き医師に相談した上で、薬の服用を継続するかどうかを検討することが望ましいでしょう。
日常生活で改善する方法は?
食事内容の見直しをする
流性食道炎には、食事が大きく影響していると言われていますので、まずは食事の改善を試みましょう。胸焼けを起こしやすい食べ物は量を控えた方が良いでしょう。具体的には、脂肪やタンパク質の多い食物、チョコレートやケーキなどの甘いものなどです。
これらは胃に滞留する時間が長く、胃に負担をかけるためです。他にも、コーヒーや紅茶、アルコール、酸味の強い柑橘類、香辛料は胃酸の分泌を高めるため、控えた方が良いと言われています。
生活習慣の改善
適度な運動でストレスを溜めない
逆流性食道炎には、適度な運動も大事だと言われています。そもそも逆流性食道炎には、肥満そのものが良くないので、肥満にならないように適度な運動を心がけることが大切です。また、逆流させない胃や食道を作るためにも、横隔膜トレーニングをするのもよいでしょう。
さらに、筋弛緩法という方法があるそうです。筋肉を緩めて、ストレスによって無意識に筋肉が緊張して、体がこわばってしまっているのを自然に筋肉がゆるみ、体の力を抜けさせリラックスさせることが良いでしょう。日頃からストレスを溜めないようにすることも大切です。
睡眠環境を整える
睡眠不足で、脳や体に疲れがたまると、仕事でミスが増えたり、精神的に不安定になったり、体調を崩したりするなど、ストレスを増やすことになります。ストレスは逆流性食道炎にとって、とても大きな原因になると言われています。
朝起きたときに頭や体がスッキリしない、よく寝たつもりなのに日中眠くなるという人は、睡眠不足や眠りの質が低下しているサインかもしれません。ぐっすりよく眠れるように心がけましょう。
姿勢を正しく保つ
逆流性食道炎を防ぐためには、日頃から姿勢に気をつけることも大切です。猫背になったり前かがみになったりすることは、胃酸の逆流を招くため、このような姿勢はとらないように心がけましょう。また、食後3時間ほどは消化のために胃酸の分泌が盛んで、逆流も起こりやすいと言われているため、食後すぐに横になることは避けてください。
同様の理由で、寝る直前の食事は避けるように、また、胃酸が出すぎることのないよう、食べる量も控えめにする方が良いでしょう。寝る時は、上半身が少し高くなるようにして寝ると、食道より胃が下になるため、胃内容物の逆流が起こりにくいと言われています。
生活習慣の改善
喫煙や飲酒など生活習慣の見直し
逆流性食道炎の改善には、生活習慣の見直しが大切だと言われています。特に先にも述べましたが、食生活の改善が大事です。さらに喫煙・飲酒は、胃酸の分泌を促進させたり、食道下部括約筋をゆるめたりと悪いことばかりなので、なるべく控えるようにしましょう。
また、ベルトの締め付けなども、胃と食道を圧迫することにつながり、胃酸の逆流を後押ししてしまうと言われています。コルセット、帯、ガードルなども同様に、胃を圧迫することにつながるので、控えるようにしましょう。
逆流性食道炎改善の近道は、薬選びにある?
逆流性食道炎に使われる薬には、たくさんの種類があることがわかりましたね。西洋薬でも強さや持続時間が違うので、合わない薬は変えてもらうと良いでしょう。
また、西洋薬は強い薬などにおいては、使用できる期間に制限があることもあります。副作用などの面を考えて、漢方薬を試してみるのもおすすめです。また、薬にばかり頼るのではなく、食生活や生活習慣を改めることも非常に大切なことですから、合わせて改善していきましょう。
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