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【政治】障害者差別解消法施行半年 相談窓口設置3割届かず全国の市区町村のうち、四月に施行された障害者差別解消法が求めた障害者の相談窓口を設置した自治体は、三割に満たないことが明らかになった。法施行後も差別的な対応が問題になっている中で、多くの障害者にとって相談できる窓口がない状況が続いている。 窓口の名称は「障害者差別解消支援地域協議会」。障害者団体、家族会、医師、学識経験者らで構成し、自治体が事務を担う。設置は義務ではないが、障害者の相談に応じるほか、法律の啓発を進める。 法律を所管する内閣府が施行半年後の十月一日現在でまとめた結果、全国千七百四十一市区町村のうち、協議会を設置したのは五百七だった。来年四月までの新たな設置予定も調べたところ、二百十五にとどまった。施行一年を迎えた段階でも、四割までしか設置が進まないことになる。 障害者が不利益を受ける問題は法施行後も続き、五月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の男性が国会に参考人として招かれながら、障害を理由に一転して出席を拒まれた。八月には埼玉県入間市共催の大相撲地方巡業で、車いす観戦を断られたことが明らかになった。国会や入間市は批判を受け、後になって方針を転換している。 十三の障害者団体でつくる「日本障害フォーラム」は「障害者の要望を実現するためにも身近な相談窓口が必要だ。協議会には法律の趣旨を広める役割もある。設置する自治体が増えてほしい」と要望。内閣府の担当者は「設置が十分ではないので、自治体に法律の趣旨を説明していく」と話している。 (城島建治) ◆世田谷区では相談49件対応 積極的な取り組み東京都世田谷区は、障害者差別解消法施行の九年前から、障害者差別解消支援地域協議会に相当する「区自立支援協議会」を設置し、関係機関と連携して差別解消に取り組んできた。 法施行後は四十九人の区民から相談を受けた。「車いすでレストランに行ったら、段差で入れなかったのに対応してくれなかった」「選挙の投票所の出口に段差スロープがなかった」など。レストランには法の趣旨を説明し、車いすに対応してもらった。投票所ではスロープ設置を徹底した。 協議会のメンバーは障害者団体、家族会、弁護士、障害者福祉の事業者ら約四十人。地域協議会より幅広い役割を果たしているとして、名称を変えていない。 PR情報
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