早起きして1泊で金沢へ。
大学時代、父が単身赴任をしていたので何度も何度も通って大好きな街。
着いてまず向かったのが、ひがし茶屋街にある「鮨みつ川」。
今回、唯一の贅沢ごはん。

実に、美しいお寿司でした。
8貫、プラス、とろたくをお願いして。
☆☆
しかし、素晴らしい技術のお仕事をただただ黙々とする主人。お客様の顔も見ない。
その雰囲気に張りつめた店内。
めげない私たちは、「美しいですね」とか「すごい技術ですね」といちいち感想をお伝えしたり、美味しいと喜び、日本酒をかわしていたのですが、何せ笑わないご主人。
私たちの声だけが響きわたり、あとの方たちはしーーん。。と静まっている。
まるで高級料亭に迷い込んでしまった、お気楽愉快なアメリカ人観光客のようであった我ら。
この雰囲気は、間違いなくこのご主人がうんでいるものだなあ。
これじゃここにいる誰も、もう一度こようなんて絶対に思わないだろう。安らげないもの。
食べる事って、ほんとうにめちゃくちゃに楽しい事なのに。
私がお店やるなら、絶対に誰よりも楽しくしていたい。
もてなす為に全力を尽くしたいし、技術は、見せない為に身につけたい。

「なんか食べた気がしないね」
と言いながら、我らはそのまま近江町市場の中の回転鮨へ。
ごくごく普通でしたが、楽しかったなあ。
そして酔っぱらって、お昼寝して。
いざ。彼が調べておいてくれた夜の居酒屋さんへ。

裏路地にある居酒屋「勇太」さん。
今が旬のホタルイカやのどぐろ、最高でした。日本酒と共に、幸せな夜。
のどぐろに「時価」と書かれているのを見て、慌てて
「ごくごく小さいのでお願いします!」と言ってしまう小市民ゆきお。
隣のおじいさんともコミュニケーション。
ただものではないなあって感じだったけれど、後から彼が、
「小指なかったね。」なんて言ってたのでびっくり。
大きいとか言われるけれど、何も見ていないこの目よ。
翌朝も、市場で朝食をとろうと探しまわるものの。
あまり美味しそうではないのと、頭が割れそうに寒いのでスタバへ。
そして、日本酒の造り酒屋へ見学に☆
こういうの、見るとまた日本酒を飲む時の楽しさアップ!
楽しむ心は自分で育てていくのです。

そして金沢市内に戻って、昨日の居酒屋さんで教えていただいた最近大人気だというイタリアンへ。
遅い時間なら入れるというので、滑り込み!「タカマッツォ」。
前菜の盛り合わせ、素晴らしかったなあ。
金沢の素晴らしい食材が生かされていて、本当に美味しくて。
パスタはとっても普通でした。
ここは、きっと夜、色々頼むのがいいのでしょう。
いい意味でイタリア的で、適当な感じ、よかったな。
働いている男性たちも、ちゃらちゃら。
日本酒もいいけど、ワインもね。
食べてばかりでしたが、ちゃんと観光も。
金沢21世紀美術館へいって。

兼六園にいって散歩。
私は素晴らしい景観、それ自体よりも、それを支えている人の存在に目と心が、釘付けだよ。
以前、祐子とソフトクリームを食べながら兼六園を歩いている姿が、金沢新聞の一面に大きく載りました。
夕方、父が大喜びで新聞をたくさん買って帰って来た姿の方が、私にとっては一番の思い出。
私はソフトクリームが似合うみたいで、その後もたびたびソフトクリームを食べている時に写真をとられ、雑誌にのっていたり、大学の卒業アルバム(しかも上の)の表紙に使われていたり。
ソフトクリームって、安いほど好き。薄いほどに、好き。
☆☆☆
結局ほとんどひたすら歩いてまわりました。
この街のサイズがすごく好きな理由のひとつ。
夜、駅で最後の駆け込み寿司をして、大満足して空港へ。
行く前はいっぱい調べるけれど、いる間はゆるくゆるく、その場での出会いで臨機応変に進んでいくのが好き。旅も人生も一緒。
彼が
「由紀にあって、旅ってこんなに気楽にできるって知ったよ。1泊でもこんなに楽しめるんだね。」
なんてしみじみしていて。
こうして、いちいち新しい発見や喜びを、きちんと相手に伝えたり感謝できる心っていいなあって私はしみじみだ。