多くのアラブ諸国にとって、イランの勢力拡大(特に武力を通じての)は最大の悪夢の一つですが、al arbiya net はイラン軍参謀長の発言を2つ報じています。
特に、そのうちシリアのみならずイエメンイもイランの軍港を築く、というのは、どこまで真面目な発言か知りませんが、特にサウディにとっては刺激的でしょうね。

・イラン軍参謀長は24日、革命防衛隊の民兵(バシージ)数十万名が、シリアで戦うための最高指導者ハメネイの命令を待っていると語った。
参謀長は、革命防衛隊に近い通信で、このイランの拡大政策について、これら若者は、イランの安全と革命防衛のために戦ってきたとして正当化した由。
彼は更に、既に少数のバシージがシリアの聖地を守るために派遣されたと語った由。
この発言の2日前には、バシージの司令官が、イランはシリアでもバシージと同じような組織を作ったと発言したばかりで、それによるとアサド大統領は当初、そのメンバーはアラウィ派だけとする条件を付けたが、後刻その条件を撤回した由(数が集まらなかった?)
その民兵の司令官のイラン将軍は昨年11月、反政府軍との戦いで、死亡した由
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2016/11/24/إيران-مئات-آلاف-الباسيج-ينتظرون-إذن-المرشد-للقتال-بسوريا.html
・同参謀長は26日、イラン紙faris によれば、海軍幹部との会合で、イランは遠隔地での活動のためにシリアとイエメンの海岸に海軍基地を作ろうとしていると語った。
この発言は、多くのアラブ諸国で、宗派主義に基づいて、その勢力を拡大しようとしているイランの政策に従ったもので、アラブ諸国を懸念させている。
イエメンイ関する発言は、相次ぐ敗戦で士気が阻喪しているhothy連合の士気向上を狙ったもので、彼らに対する武器支援はサウディ等の空軍の介入以来阻止されている
(この最後のところは、アラビア語メディアの報道から見る限り、hothy連合の「相次ぐ」敗戦などなく、むしろ戦線は手詰まりで、またイランからの武器供与は、密輸という形でかなり大規模に行われている模様だが、報道のまま。
それにしても、イエメンにイランの海軍基地の建設とは、サウディにとっては誠に刺激的な発言だと思います)
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2016/11/26/إيران-نتجة-لإنشاء-قواعد-بحرية-في-سواحل-سوريا-واليمن.html
以上2ともサウディ系のメディアの報道ではありますが、発言の事実まで嘘の報道ではないでしょう。
もっとも、参謀長が国内向きに大げさな発言をしたことを、イランの侵略的な意図の表明として報道している可能性はあるかもしれません。