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2016-11-27

女児向けアイドルアニメと男性向けアイドルアニメから見える美少女のデザイン

漫画やアニメでは複雑な事情から美少女も普通の少女も判子絵的に似た様な描き方をされる事態が頻繁に起きています。正直に言えば顔に関してはどのキャラも殆んど同じに見えてしまうのですが、不思議と私達は美少女か否かを判別する事が出来ますよね。不確実とはいえそれを可能にするのは、数百を超える数の美少女を見続けてきた経験。沢山の美少女に共通する要素を感覚的に理解しているから美少女を見分けられる。

ではその判別は具体的にどの様な基準で行われているのか。それを知る為にまずは美少女が多数登場するアイドルアニメやアイドルゲームから、美少女らしいキャラのデザインを考えていきたいと思います。ちなみにこの記事では各作品を比較した際の思考を羅列するだけで結論と言えるものでは出ません。色々と中途半端な記事に意味があるのかは分からないですけど、これを切欠にピアノファイアのizuminoさんとかOTACTUREのukkahさんとか他の誰かが何か凄い事を思い付くかもしれないので書き残しておきます。下に張り付けた画像はメインキャラの髪色を表したものです。


女児向けアイドルの美しさとは派手さにある
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アイカツスターズ

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プリパラ


女児向けの「アイカツ」と「プリパラ」は鮮やかな髪の色が目を引きます。主な視聴者の脳の発達段階の関係で大人向けの作品と比較すると原色に近いものが多い。オシャレに関心を持ち始める女子小学生にとって、黒や白は地味に思われるのか使われ難く、特に黒は日本人が生まれ持つ髪の色で平凡の象徴である為か、アイドルという特別な存在にはあまり使われません。

名も無き無数のアイドル達の怨念から生まれたガァルルは黒髪、プリキュアに登場する女性幹部も黒が基調、女子小学生の黒に対する印象は輝かしいアイドルとは合わないのでしょう。黒と白が地味に見えずに絶世の美少女が持つ色と認識されるにはまだまだ月日が必要。

あるアンケートでは女子小学生の好きな色はピンクと水色という結果が出ていますが、キャラの髪の色に関していえば紫も人気が高い様子。紫はミステリアスでエレガントな雰囲気を与える効果が高く、「アイカツ」ではトップアイドルの神崎美月に使われていました。紫はプリキュアではミルキィローズにムーンライトにキュアソードと特別な立場の戦士に与えられ、特撮では闇を感じさせる色で王蛇やプトティラと凶悪な力を持つ者に与えられます。冠位十二階でも最も偉い者に与えられる色ですし、日本では昔から特別な意味を持つ色なのかもしれません。

髪型の特徴としてはアホ毛が無い事とウェーブが多い事が挙げられます。ギャルゲーではあるのが当然なアホ毛ですが、これは傍目からは寝癖に見えてしまうものですから、オシャレに気を使う女子には好まれず出てきません。男性向けと女児向けのアイドルものの差はストーリーではなく、デザインに表れていると言っても過言ではないでしょう。「アイカツ」や「プリパラ」は主な視聴者である女子小学生のオシャレに対する意識の高さが反映されているらしくウェーブにしたり、リボンを着けたり、髪を結んだりと外見には工夫が凝らされています。

女子小学生のオシャレに対する意識の高さはキャラのデザインのみならずキャラの行動にも反映され、トップクラスのアイドルはファッションセンスにも気を遣い美を追求する姿勢も忘れません。男性向けでは自分を綺麗に魅せようと服装や仕草を考える姿勢は中々評価されない項目。美少女は生まれたままの姿でも美しいから美少女、綺麗に見せようとするのは二流という考え方は男性に多いのではないでしょうか。個人的にはアイドル活動に真剣に打ち込んでいる「ラブライブ」の矢澤にこと「デレマス」の前川みくはもっと報われてもいいと思っています。観客に見られる事を意識している努力家の彼女達が何だか三枚目みたいな扱いをされて、アイドル活動に興味の薄い絢瀬絵里渋谷凛に追い抜かれるのは可哀想。



男性向けアイドルはおっぱいで描き分ける
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アイドルマスターシンデレラガールズ

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ラブライブ

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Tokyo 7th シスターズ


男性向けの美少女は同世代でもおっぱいの大きさに強烈な格差がある。これには男性視聴者の女性に対する欲望が透けて見えて不快感を示す方もいそうですが、デザインする側にとっては外見の差別化が出来るので助かる気はします。胸の大きさは大切な要素で、巨乳は男性に対して絶大な威力を持つ武器。美少女の数が増えれば必然的に短髪とか眼鏡とか人気が低い属性を持つキャラも生まれてしまいますが、そのキャラに巨乳属性を付与して弱点を補うと人気のバランスが丁度良い具合に取れる。「ラブライブ」の東條希と「デレマス」の及川雫はその好例。

おっぱいで思い出しましたが、アニメ放送前の「ラブライブ」は男性に受ける為なのか、胸の谷間を強調するイラストが無駄に多いんですよね。そんなμ'sがメジャーデビューして女子中高生のファンも増えてから、男性の性欲を満たす為だけの露出が減らされたのはアイドルの姿として妙にリアル。今でも露出の高い衣装や水着は描かれていますが、制服を脱いでいる時に身体を触られるとか男性の妄想を詰め込んだイラストは少なめ。
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黒髪は女児向けでは不人気ではありますが、男性向けでは人気が高いです。黒髪は地味な代わりに清楚で純情な印象を与え、それ故にオシャレな女性を敬遠する男性視聴者から受けが良い。黒は落ち着きのある美少女と組み合わせれば鬼に金棒、そこにロングストレートを加えれば最強の美少女を生み出す破壊力を持ちますが、元気が取り柄で仲間を巻き込む力を持つ系の主人公には適していない色。基本的にアイドルものでは主人公の性格は明るいので、髪の色は性格に合う茶が選ばれやすい。

アイドルものの中でも特にキャラの多い「アイドルマスターシンデレラガールズ」は、常識的に考えればキャラが多い分だけピンクとか奇抜な髪の色が増えそうなものなんですけど、意外な事に黒と茶と白と黄が大半を占めています。現実には無さそうな髪は輿水幸子の薄紫色、城ヶ崎美嘉のピンク色など極一部。年齢の差があるおかげで中高生のアイドルしか登場しない作品よりは描き分けが楽とはいえ、100人以上ものアイドルをデザインするのは相当骨が折れそうです。



女性向けアイドルはイケメンだけでは成り立たない
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うたの☆プリンスさまっ

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B-PROJECT

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アイドルマスターSideM


最後に美少女とは無関係ではありますが、女性向けアイドルもので描かれるイケメンについても触れておきます。女児向けと男性向けにおいて緑は使われる機会が少ないのですが、女性向けのイケメンには緑系統の色は結構な頻度で使われます。見る者の気分を落ち着かせる色である緑は、知的なキャラや大人なキャラに使われやすいみたいです。そういえばザーボンも緑間真太郎もアンドロメダ瞬もリゼルグもイオン様も緑でしたね。

女性向けでは男性らしさとは無縁のピンクや女児向けでは不人気な白をイケメンに使う点が特徴、イケメンはツインテールが使えないなど髪型の種類が少ない分だけ、ピンクや水色や赤と髪の色がカラフルになる傾向は強め。使用される色の差は「デレマス」と「アイマスSideM」を見れば一目瞭然。髪の長さは額が隠れる程度はあるキャラが大半、セミロングのキャラの需要が高いらしく、スポーツマン並の短髪は「アイマスSideM」以外ではほぼ見かけません。

それ以外の外見的な特徴では眼鏡をかけたキャラが1割程度いる事が挙げられます。女児向けと男性向けのアイドルは眼鏡をかける割合が少ない上に、かけていたとしてもアイドル活動中は外してギャップを見せる方向に進む為、アイドルとしてのチャームポイントが眼鏡になるのは非常に珍しい。想像ですが「アイマス」の秋月律子に熱狂的なファンが多いと噂されるのは、その稀少性によるところが大きいのではないかと。

女性向けでは何故か登場する機会に恵まれている男の娘やオネエ。「アイチュウ」のポップンスター、「アイマスSideM」の水嶋咲、「うたプリ」の月宮林檎、「B-PROJECT」の夜叉丸朔太郎、「アイドリッシュセブン」の姉鷺カオル。立場はアイドルやマネージャーと作品毎に違いますが、どこかしらに女性の心を持つ彼等の姿は見られます。その背景には視聴者の女性達から無駄に女性を増やされるのは嫌だけど、女性の気持ちを察してくれるキャラは欲しいみたいなのがあるんでしょうか。男性向けの男の娘はどちらかといえば女性の心を持つキャラよりも無理矢理に女装させられた秋月涼みたいなキャラの方が多い印象を受けます。この辺も考察する価値は高そうですね。話があちこちに飛んだ何が言いたいのか分からない記事になりましたが、アイドルものに対する意見は大体書けました。


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