こんばんは。オガサワラです。
山本亜季さんの漫画「HUMANITAS ヒューマニタス 」が素晴らしい漫画だったので、ぜひ紹介させてください。
物語は独立した3章からなる短編形式
「盲目の剣士・オセロット」(全2話)
「冷戦下・旧ソ連のチェス王者・ユーリ」(全2話)
「極北の鯨ハンター・エナ」(全3話)
という3編で構成されています。
「盲目の剣士・オセロット」 15世紀中央アメリカ
物語の舞台はメソアメリカ、コロンブスが率いるスペインに、まだ侵略される前の独自の文化を形成していた頃の15世紀中央アメリカの話です。
「冷戦下・旧ソ連のチェス王者・ユーリ」 米ソ冷戦時代(恐らく1970年ごろ)
世界中を巻き込んで《資本主義VS社会主義》という構図になるであろう第三次世界大戦が危惧されていた米ソ冷戦時代の話。
冷戦時代《資本主義VS社会主義》の代理戦争のひとつとして競技チェスが扱われていた時代があるのですが、そのチェスによる両国の威信を賭けた戦いが生々しく描かれています。
「極北の鯨ハンター・エナ」恐らく16世紀
難破してしまった貿易船の生き残りである英国の若者がイヌイットの集落に保護され、2年の間、異文化の中で生活する話。
独立した3章から感じ取れるハッキリとした主張
上記の3編はそれぞれに独立しているのですが、一貫した大きなテーマ性を感じます。
どうして人間は世界中に散り散りに生き、各々の土地で固有の文化観を育み、時には理解できないような深い溝を感じなくてはいけないのはどうしてなのだろう…。
この問いに対する答えが作者の主張として痛快に表現されていて、最終章の「極北の鯨ハンター・エナ」(全3話)を読み終わったあとは、なんとも清々しい気持ちになれました。
まとめ
1巻読み切りでサクッと読むことができます。
読了感はまるでドキュメンタリー番組をみたあとのような感じ。
ディスカバリーチャンネル最高!! という人には、ぜひおすすめしたい漫画です。