映画『セッション』の感想です。つい先日公開されたと思っていましたがNetflixで配信されています。
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作品情報
公開:2014年
時間:1時間47分
監督
主なキャスト
大学では作曲を学んでいたそうです。
音大生:アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)
教師:テレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)
あらすじ
世界的ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマンは、伝説の教師と言われるフレッチャーの指導を受けることに。しかし、常に完璧を求めるフレッチャーは容赦ない罵声を浴びせ、レッスンは次第に狂気に満ちていく。
感想
まじめな音大生ニーマンと意地悪なのか厳しく育てたいのかよくわからない教師フレッチャーの師弟愛だろう?と思えるドラマです。
フレッチャーはとにかく厳しく微妙なテンポのズレも見逃すことなく指摘します。それが本当にズレているのかは当事者でしかわからない世界です。音楽の頂点を目指している人にはわかるのかもしれません。私には単なる苛めに見えてしまいました。
何事も上を目指している人にしか見えない世界というものがあります。その様子をこういう風に映画にするととても面白く映ってしまいます。
作品を観ているうちに厳しい士官学校を描いた『愛と青春の旅立ち』という作品を思い出しました。士官学校の軍曹といえば厳しいというイメージがあるので、罵声を飛ばそうが体罰を与えようが理不尽な制裁を加えようがフレッチャーのような事をしても違和感はないのですが、今作品のように音楽学校を舞台にされるとちょっと違う趣向があるように思えてしまします。
ラストのJVCフェスの舞台で、フレッチャーがニーマンに対して間違った演奏曲を教えるという最低の意地悪をします。自分が学校を首になったのはニーマンのチクリがあったせいと思っていたからです。ニーマンは当然まともな演奏ができません。一度舞台を後にして次は予想外の行動を起こし無事に演奏を成功させます。まさにフレッチャーという人間を超えた瞬間です。(フレッチャーがその行動を見い越していたとは考えにくいのですがもしそうだとしたら最高の教師です。)普通ですとそこでフレッチャーは、怒ってさらに妨害をするはずなのですが、何んとニーマンの演奏に熱を入れ指揮を振り始めるのです。自分の求めていた演奏をニーマンが行ったからです。プロとして認めたんでしょう。そこは高みを目指しているものの世界で、その世界に到達したのであれば、過去のことなどどうでも良くなるという感じなんでしょうか。異常に感じる世界で両者とも変態か?プロレスの世界か?と思える場面です。
こういう世界は、かつての部活動に存在していたように思えます。先生が厳しくて大っ嫌いでも試合で先生の求める動きが出来、いい成績が出せた時はお互いに充実感を得、喜び合う時です。
音楽でも厳しい世界はあるのでしょうが、一般に知られていない事もあり不思議な気分で観賞していましたが、スポーツの世界に置き換えてみると少しは理解できる作品でした。フレッチャーも肉体派の体格をしていましたからね。
予告動画
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