Iraqのモースル解放作戦は、未だ各地で激戦が続いており、これからは要塞化され多数の住民を抱える市の中心部の戦闘に移っていくようですが、イラク軍はモースルをほぼ完全に包囲し、ISの補給路も切断した(シリアへの連絡路のテルアファルはシーア派民兵が攻略中9としていますが、他方イラクの抱える構造的な宗派、民族対立がますます目立ってきています。

最近でも26日でしょうか、イラク議会がシーア派民兵法をスンイ派等の激しい反対にもかかわらず、可決し(スンニ派議員のうち89名が退場したが、230票で可決した由)、これに対しスンイ派の最大政党は、宗派間協力の精神に反し、憲法違反として裁判所に訴えることを検討中としている由。
この法案は、シーア派民兵を国軍の一部として、同様の法的保護を与える者の由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/11/26/تحالف-القوى-العراقية-تصويتنا-على-قانون-الحشد-مشروط.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/11/26/القوى-السنية-قانون-الحشد-طعن-لمبدأ-الشراكة
この法案に関連してal  qods al arabi  net は「イラクは宗派対立とISの暴虐とクルド問題に直面している」との記事を掲げているところ、特に目立った論調でもないが、いくつかの具体的な事実等も含まれていて、イラクの抱える問題を理解するうえで、参考になるかと思われるので、記事の要点のみ

「シーア派民兵に関する法案は多くの議論を巻き起こし、イラクの抱える宗派問題の深刻さを改めて示した。
現地でも、テルアファルをシーア派民兵が攻撃しているが、現地住民は、彼ら民兵の行動に深刻な懸念を表明している。
他方シーア派民兵の方はテルアファルの奪還は、モースルのISを完全包囲し、その補給路を切断するだけではなく、今度彼らがシリアに向かっrて、シリアのISを攻撃するためにも重要な戦いであると宣言している。
サウディとイラク政府の対立も激しくなっていて、アラブ・アフリカ首脳会では米国のjasta法案(9:11事件に関しサウディ等を訴えることを認める法律)非難の決議案に対して、イラク留保して、一部の政府はISをかくまっていると非難した。
クルド自治区については、一部の政治家が、政治危機解決のために、同地域の国民救国政府の設立を呼び掛けていることに合わせて、バルザーニ議長(確かクルドを巡る危機を理由に占拠を延期して居座っていた)が、クルド地区でのの3権の選挙を呼びかけた。
クルドと中央政府は、原則として独立する権利を認めるように、とのクルド側の主張で、前から緊張していたが、モースルでペッシュメルガが占拠した地域の帰属をめぐって、争いになっている。
またクルド地域では珍しい事件として、モスクの前でイスラム教の指導者(スンイ派かシーア派か不明だが、シーア派?)が暗殺される事件も生じている。
このようにモースル奪還作戦という最大の事業が進んでいるときに、宗派間対立が改めて深刻な問題としてでてきた」
http://www.alquds.co.uk/?p=636506