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吉野川の渓谷美、土讃線トロッコ20年の歴史に幕 来春には新型観光列車
徳島県・吉野川沿いの渓谷美を楽しめることで人気を博したJR土讃線のトロッコ列車が27日、琴平駅(香川県琴平町)に到着し、最後の運転を終えた。来春にJR四国が土讃線で新型観光列車「四国まんなか千年ものがたり」を導入することに伴い引退が決まり、約20年の歴史に幕を下ろした。
JR四国によると、トロッコ列車は1997年に運行開始。春秋の土日祝日や夏休みなどに1日1往復で大歩危-阿波池田(いずれも徳島県三好市)間を走り、昨年3月には大歩危-琴平間に延伸した。
27日は上下線とも各60席の指定席券が完売。2両編成の最終列車は定刻通り午後4時28分に琴平駅のホームへと到着し、集まった鉄道ファンらがカメラに収めていた。直後に記念式典が開かれ、乗客や関係者が見守る中、車掌がJR四国の半井真司社長にヘッドマークを返納した。
娘2人と最終列車に乗った大阪府豊中市のパート従業員亀田文子さん(53)は「初めて乗ったが、あんなに険しい山の中を長い距離で楽しめたのでとても良かった。こういうローカルの風情ある列車が消えていくのは少し残念だ」と話した。