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インタビュー

豊臣方で幸村の行く手を阻んでいる大蔵卿局。
演じる峯村リエさんが、その心中を代弁します!

 

茶々と秀頼を傷つける者は許さず

乳母として、幼少期から茶々の身に起きたさまざまな出来事を見てきた大蔵卿局。「もう怖い思いをしなくてもいいのですよ、私がいますからね」と、守ってあげたいとずっと思い続けてきたのでしょう。さらに茶々が愛し、守る秀頼は、大蔵卿局にとって、宝物が生んだ宝物です。さらに愛情深い存在だったに違いありません。その思いはとても強く、少しでも二人に嫌な思いをさせる者がいれば「私が許しません」と、使命感を持って動く人物だったのだと思います。

大坂城は二人を守る大切な場所です。大蔵卿局はこれまでに落城の経験をしていますから、よそ者である牢人(ろうにん)たちが入ってくることで、守りが散漫になることを危惧していたのではないでしょうか。「自分たちの大坂城が取られてしまう」というような恐怖も感じていたのかもしれません。また、私が勝手に思っていることなのですが、幸村に対してなぜあんなに敵対するのかというと、ある種のジェラシーからではないかと。「私の茶々様が、私よりも幸村を信頼している!」という嫉妬が心に潜んでいるのではないでしょうか。

「茶々様と秀頼公をお守りするのが私の役目」。大蔵卿局は、本当にただそれだけが大事で、内側にあるその思いがなければ、ただのきつい人です。二人を守る思いが強いからこそ、嫌なことが言えて、軽くはならないのだと思います。

実子の治長と治房に対しては

大蔵卿局には四人の息子がいるようですが、そのうち三人は成人後、母と共に豊臣家に仕えています。
長男・治長は、一番頼りにしている、しっかり者です。「一緒に茶々様と秀頼公を守ってね」と、自分の分身のように思っていたのかもしれません。けれども、治長は牢人たちと関わっていくうちに感化されていき、たびたび彼らの肩を持つようになります。

勝手なことをして豊臣家にご迷惑をかけてしまうこともありますが、「もう、この子は! でも、やっちゃったからしょうがない。かわいいわね」という気持ちで見てしまいます。
役柄を演じていると、昔の乳母の方たちは自分の子どもの子育てもきちんとできていたのかな、と思ってしまいます。大蔵卿局は、「茶々様、茶々様」とずっと茶々のそばにいるじゃないですか。時々、治長や治房はしっかりとした母の愛を受けて育っていないのではないかな、と考えてしまい、「悪い母でごめんね」って思いますね。

すごく嫌ですね(笑)。最初に脚本を読んだときは、「あれ?」と思いました。一般的に言って治長って、「こちらの反牢人チーム」ですよね(笑)? それが牢人側について……と、少し腑(ふ)に落ちない部分も感じました。治長から厳しい言葉も言われてしまいますし。
次男・治房は、治長ばかりが持ち上げられる様子を見て、「兄ちゃんばっかり!」と思っていたのではないでしょうか。でも、「ダメな子ほどかわいい」ものです。

勝手なことをして豊臣家にご迷惑をかけてしまうこともありますが、「もう、この子は! でも、やっちゃったからしょうがない。かわいいわね」という気持ちで見てしまいます。
役柄を演じていると、昔の乳母の方たちは自分の子どもの子育てもきちんとできていたのかな、と思ってしまいます。大蔵卿局は、「茶々様、茶々様」とずっと茶々のそばにいるじゃないですか。時々、治長や治房はしっかりとした母の愛を受けて育っていないのではないかな、と考えてしまい、「悪い母でごめんね」って思いますね。

芝居の間を潰さないように

聡明な女性だったと言われる大蔵卿局ですが、『真田丸』では「こういうきつい言い方はしないほうがよかった」と、あとになって後悔するような、浅はかというか少し間違えてしまったところがあります。でもそれも、この役の魅力ではないかと私は思っていますけれど。

第40回「幸村」あたりから、「なりませぬ」「ありえませぬ」ばかりで、きつくなっていく大蔵卿局。演じていても常に眉間に神経がいっている状態で、本当にシワが寄っちゃいました(笑)。監督からは「SNSとかの反応は、見ないほうがいいですよ」と言われていたんですけど、第40回の放送後にちょっと見てしまって。そうしたら、案の定すごくて、軽くへこみました(笑)。「役者としては大成功じゃないか」とも言われているのですが、やはり嫌われるよりも、好かれるほうがいいです。
大阪城にある追悼碑へ行き、「こういう感じでやりました」と、報告と謝罪をしたいと思っています。周囲の人にも「治長と治房を両脇に立たせて、三人で頭をさげる謝罪会見を開いたほうがいいのでは?」なんて言われているくらいですから(笑)。

三谷作品は、間をうまく使うと本当に面白い芝居になります。第47回「反撃」での女性たちの和睦交渉の場面で、きりが「足がつりました!」と驚くような演技で言います。これに対し「何をしているのです」という大蔵卿局のセリフは、最初はツッコミとして演じていましたが、途中で「これは違う」と思い、微妙な間をとる表現に変えました。うまくできたか不安ですが、ここがハマるとすごく面白くなると考えたのです。三谷作品の面白いセリフは100%いかしたいですから、間を潰さないように、と緊張しますね。

第40回「幸村」あたりから、「なりませぬ」「ありえませぬ」ばかりで、きつくなっていく大蔵卿局。演じていても常に眉間に神経がいっている状態で、本当にシワが寄っちゃいました(笑)。監督からは「SNSとかの反応は、見ないほうがいいですよ」と言われていたんですけど、第40回の放送後にちょっと見てしまって。そうしたら、案の定すごくて、軽くへこみました(笑)。「役者としては大成功じゃないか」とも言われているのですが、やはり嫌われるよりも、好かれるほうがいいです。
大阪城にある追悼碑へ行き、「こういう感じでやりました」と、報告と謝罪をしたいと思っています。周囲の人にも「治長と治房を両脇に立たせて、三人で頭をさげる謝罪会見を開いたほうがいいのでは?」なんて言われているくらいですから(笑)。

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