スマートフォンを片手に歩き、集めるのはポケモンならぬ神さまたち。多くの神社がある宮崎県高千穂町を舞台にしたアプリ「Takachiho GO」ができた。作ったのは町に住むシステム開発会社社長、伊藤陽生(ようせい)さん(36)。開発の裏にはふるさとへの思いがあった。

 伊藤さんの実家から徒歩1分。「くしふる神社」という杉の巨木に囲まれた神社がある。

 小さいころから境内で虫取りをして遊び、今でも神社を散歩するのが大好き。「神社の大木に囲まれると、自分の悩みが小さく思えて不思議と心が落ち着く。特に有名でない神社は人も少なく、思いを巡らせるのにぴったり」と語る。

 屋外を歩きながらモンスターを集めるスマホゲーム「ポケモンGO」の配信が国内で始まった7月。友人との雑談で、世界農業遺産に昨年認定された「高千穂郷(たかちほごう)」にポケモンGOを引っかけた「Takachiho GO」のアイデアが出た。1カ月かけて米アップルの「iPhone」向けに開発し、無料でダウンロードできるようにした。

 天孫降臨の舞台として知られる高千穂。「Takachiho GO」のテーマは「八百万(やおよろず)の神々と出会う旅」。神社から50メートル以内に近づき、地図上のピンを押すとカメラが起動し、神さまが登場。そこで写真を撮るとその神さまを「ゲット」できる。例えばくしふる神社ではアマテラスオオミカミの孫「ニニギノミコト」らが現れる。

 神さまのキャラクターデザイン…

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