外国人犯罪の勢力図に変化? ベトナム人の刑法犯が中国人抜く
■「マフィア化」警戒
捜査当局はこうした各地のコミュニティーに加え、人的交流が活発化したことが犯罪増の要因と見る。
国際観光振興機構によると、昨年来日したベトナム人は18万5395人で、平成17年と比べ約8倍に増加した。また日本学生支援機構の統計では、26年度に2万6439人だったベトナム人留学生は、わずか1年で3万8882人に増えた。「こうした動きの中で現地の犯罪組織と在日ベトナム人が連携するケースが増えた」(捜査幹部)。
ベトナム人が起こした主な犯罪では27年9月、大阪市生野区でベトナム人同士の殺人事件が発生し4人が殺人容疑で逮捕。今年9月には東京都あきる野市の路上でアルバイト女性が襲われる通り魔事件があり、ベトナム人の男(22)が傷害容疑で逮捕された。
警視庁幹部は「中国人犯罪が激増した初期と似ている。窃盗などの軽微な犯罪が増え始め、出身者同士の凶悪事件が起きている。ベトナム人グループのマフィア化も懸念され、今後警戒が必要だ」と語っている。(安里洋輔)