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 25日に死去したキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は、資本主義の超大国、米国に異を唱える第三世界の指導者として半世紀以上、カリスマ的な存在感を保ち続けた。老いて公職を退いてなお、反米姿勢を貫き続けた。

 盟友チェ・ゲバラらとともに独裁政権を打倒した1959年のキューバ革命で世界を驚かせたフィデル氏。当時32歳だった。

 当初から「反米の英雄」だったわけではない。革命直後には、米国との関係正常化を模索していた。

 だが米国は61年、米系資産の接収などを受けて国交を断絶。さらにCIA(米中央情報局)を通じて亡命キューバ人に軍事訓練を施し、キューバに侵攻させたが失敗した「ピッグス湾事件」を起こした。

 「たとえ彼らが原子爆弾を持って襲いかかってこようとも、我々は抵抗する」

 事件直後、フィデル氏はこう演…

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