韓国の朴槿恵大統領の退陣を求める大規模集会=ソウルで2016年11月26日、AP
【ソウル大貫智子】親友の国政介入事件で窮地に追い込まれている韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を求める5回目の大規模集会が26日、全国各地で開かれた。ソウル中心部・光化門(クァンファムン)での集会には主催者発表で約130万人、警察によると約27万人が参加し、1987年の民主化以降、最大規模となった。
この日は、検察が20日に朴氏の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告ら3人を職権乱用罪などで起訴し、朴氏について「相当部分で共謀関係がある」と認定して以降初の集会。ソウルでは初雪を観測し、最高気温は3度と寒い日になったが、夕方には雪もやみ、雨がっぱ姿の若者らが「朴槿恵退陣!」と叫んだ。ソウル高裁が青瓦台(大統領府)の手前200メートルまで行進を許可し、これまでの集会で最も青瓦台に近づいた。
聯合ニュースによると、朴氏は26日、テレビで集会の状況を見守った。朴氏は今月4日に国民向け談話で謝罪して以来、自らの言葉で説明しておらず、近く一連の問題について3回目となる談話を発表するとの見方も出ている。
国会では、与党セヌリ党の非主流派約40人が弾劾訴追に賛成する方針で、来月2日にも朴氏の弾劾訴追案が可決される可能性がある。可決された場合、朴氏の職務は停止され、黄教安(ファン・ギョアン)首相が職務を代行、弾劾が妥当か憲法裁判所の判断を待つことになる。
ただ集会参加者は朴氏の即時退陣を求めており、憲法裁の決定まで最長180日間を要する弾劾は「次善の策」。最大野党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表は26日、「憲法裁判所で長く論争するのではなく、大統領自ら退陣することが国民を疲れさせない道だ」と述べた。
一方、朴氏の退陣に反対する集会も26日、ソウル駅周辺や朴氏の地元、大邱(テグ)市(韓国南部)などで開かれた。