カストロ氏死去 キューバ政府は9日間喪に服し追悼行事

カストロ氏死去 キューバ政府は9日間喪に服し追悼行事
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キューバで半世紀にわたって反米の社会主義政権を率いたフィデル・カストロ前国家評議会議長が死去したことを受けて、キューバ国内では追悼の動きが広がっており、キューバ政府は今後9日間を喪に服す期間と定め、さまざまな追悼行事を行うことにしています。
キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は現地時間の25日夜、90歳で死去しました。
1959年にキューバ革命で親米政権を倒したカストロ氏は、社会主義政権を堅持して平等な教育や医療の実現に力を尽くし、アメリカの厳しい経済制裁にも屈しなかったとして尊敬を集める一方、人権を抑圧する独裁者だとして批判もされてきました。

カストロ氏の死去を受けて、キューバ政府は葬儀が行われる来月4日までの9日間を喪に服す期間と定め、この間、首都ハバナの革命広場で大規模な集会を行ったり、遺骨を国内各地に巡回させたりするなどの追悼行事を行うことにしています。

首都ハバナでは26日、政府関係の建物で半旗が掲げられるなど、追悼の動きが広がっており、教会で祈る人々の姿も見られました。
教会を訪れた女性の1人は悲嘆に暮れた様子で、「カストロ氏はキューバの国民を全力で支えてくれました。私たちはカストロ氏のことを絶対に忘れません」と話していました。

一方、キューバからの亡命者が多く住むアメリカ南部フロリダ州のマイアミでは、多くの人たちが通りに出て歓声を上げていました。亡命キューバ人の女性の1人は「人の死を喜ぶべきではありませんが、カストロ氏は私の家族を分断した人物なのでうれしいです」と話していました。

キューバは去年、54年ぶりにアメリカとの国交を回復し大きな過渡期にあるだけに、国を半世紀にわたって率いたカストロ氏の死去がどのような影響を与えるか、注目されます。