地震被害のネパール 日本人彫刻家が水田でアート

地震被害のネパール 日本人彫刻家が水田でアート
去年の地震で大きな被害を受けたネパールの人たちを励まそうと、日本の彫刻家がネパールの水田を舞台にしたアートのイベントを開き、地元の人たちと交流しました。
このイベントは、農業と芸術の融合をテーマに表現活動を続けている彫刻家のセツ・スズキさんが、去年の地震で大きな被害を受けたネパールの人たちとアートを通じて励まそうと開催したものです。

ネパール中部にあるヘトウラ市の水田には、地元の住民や芸術家などおよそ300人が集まり、牛を使って耕された水田にスズキさんが制作した人間の喜怒哀楽の表情を表現したマスクをつけた像およそ700体が、苗に見立てて設置されました。住民たちは大きな歓声を上げながら、水田に巨大な現代アートの作品を完成させました。

この地区では地震で住宅の半分近くが倒壊し、いまも多くの人が仮設の住宅で暮らしているということで、イベントに参加した住民の1人は、「とても楽しかったです。私たちを励まそうというスズキさんの思いをうれしく思います」と話していました。

主催したスズキさんは「日本もネパールも地震で大きな被害を受けて苦しんでいる人がたくさんいますが、そういう人たちにアートを楽しむことで元気を出してもらえれば、芸術家冥利(みょうり)に尽きます」と話していました。