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宮崎県日南市は、全国でも珍しい「マーケティング専門官」を設置した。企業とのコラボレーション企画を数多く実施し、注目を集めている。自治体競争時代を生き抜くために必要な、マーケティング戦略とは何か。
宮崎県南部に位置する人口約5万5000人の日南市は、古くから伊東氏が治めた飫肥城下町と、飫肥杉の搬出を行う油津港を中心に栄えた。歴史や風情ある街並が残り、海岸沿いには鬼の洗濯板や鵜戸神宮などの観光資源が点在し、漁業も盛んだ。
2009年に日南市と北郷町と南郷町の3市町が合併し、新・日南市が誕生した。新しい地域資源との融合により、魅力を外に発信するマーケティング戦略を推進している。
2013年、当時33歳という九州最年少で崎田恭平氏が新市長に当選。公約のひとつに掲げられた「マーケティング畑の民間人登用」に抜擢されたのが田鹿倫基氏だった。
田鹿氏は就任当時29歳。宮崎大学を卒業後、リクルートやアドウェイズでネットビジネスに関わり、日南市マーケティング専門官に就任した。
「両親のルーツは宮崎県にあります。宮崎大学を卒業したとき、東京や海外での修行をした後、宮崎に35歳までには戻り、まちづくりをしたいと思っていました」と語る田鹿氏は、大学時代は上海交通大学に留学した経験も持つ。ボランティアで、宮崎中心市街地商店街の活性化にも取り組み、当時のつながりが現在の仕事にも大いに役立っているという。
新設されたマーケティング推進室は、田鹿氏を含めて4名。日南市外から外貨を獲得し、市内雇用を拡大させることを目的に、地場産品の市場開拓や新しい企業の誘致に取り組んでいる。
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