蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【大相撲】稀勢の里 横綱3連破2016年11月25日 紙面から
◇九州場所<12日目>(24日・福岡国際センター) 大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=が横綱日馬富士(32)=伊勢ケ浜=を寄り切り、3日連続で横綱を相手に白星を挙げた。1場所で3横綱を倒したのは自身初。先場所までとは対照的な落ち着いた様子が好調の要因だ。横綱鶴竜(31)=井筒=が1敗を守って再び単独トップ。日馬富士と新入幕の石浦(26)=宮城野=は2敗に後退した。大関照ノ富士(24)=伊勢ケ浜=はかど番を脱した。 何度も行く手を阻まれてきた3横綱の壁を、稀勢の里が初めて1場所で粉砕した。トップの鶴竜とは星の差1つと変わらない。それでも、ファンからの声援は「おめでとう」「優勝!」。文句なしの差し切り体勢に入った。 立ち合い直後、年間最多勝争いで並ぶ日馬富士の右のど輪で、上体が起きかける。「とにかく前に出る気持ち」でこらえ、浮いた右足を力強く踏み込んで左のおっつけ。そのままきっちり差し、寄り切ってみせた。八角理事長(元横綱北勝海)も「やっぱり、力持ってるんだよ」と納得の表情だった。 追う立場が覚醒を呼んでいる。土俵下で一番を見守った藤島審判部副部長(元大関武双山)は「ここ何場所かは無理してリラックスしているように見えたけど、今場所は自然体に見える。今まで苦い思いをしてきた経験が生きて、精神的にも成長しているんじゃないか」と分析する。 そんな評価を裏付けるような光景が、朝稽古で見られた。大関が立ち合いを確認する合間、笑顔で若い衆に歩み寄ると、そのまま肩をモミモミ。10勝5敗で綱とりに失敗した秋場所と調子を比べて「9月のほうが良い」とはぐらかしたかと思えば、「長い相撲は取れないよ」とジョークを続けた。いたずらっぽい笑みは、綱とり場所で話題を呼んだ引きつった笑顔とは別物だった。 取組後、支度部屋では目を閉じたまま「思い切ってやるだけ」と言い切った。残り3日間、平常心で白星をつなげて果報を待つ。 (志村拓) PR情報
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