【ソウル米村耕一】親友の国政介入疑惑で退陣要求が高まっている韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する国会の弾劾訴追案について、与党セヌリ党非主流派は25日、国会内で会議を開き、与党内から40人が賛成すると明らかにした。現時点で野党勢力と合わせて訴追案可決に必要な議員数に達した。朴氏の支持率は4%と過去最悪を更新。今後、与野党と与党内でさらに駆け引きが活発化するとみられるが、与党議員らも厳しい世論は無視できないとみられ、弾劾が現実味を帯びてきた。
訴追案の採決は早ければ来月2日に行われる予定。可決されれば朴氏の職権は停止され、黄教安(ファン・ギョアン)首相が代行することになる。
弾劾可決には、在籍議員の3分の2(200人)以上の賛成が必要。野党や無所属議員は計172人で、与党議員から少なくとも28人の造反が必要だ。聯合ニュースによると、与党非主流派を中心としたグループが25日に開いた会議では参加した議員らを中心に、弾劾案が発議された場合に賛成する議員数が40人になることが確認されたという。
一方、最大野党「共に民主党」や第2野党「国民の党」は従来、野党が決めた首相を据えた上で朴氏の退陣を求める方針だったが、朴氏の弾劾に集中することに転換。「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表(日本の国会対策委員長に相当)は24日、「弾劾に集中するならば(首相人事にまで)欲を出すわけにはいかない。これ以上、首相の推薦は検討しない」と述べた。
韓国ギャラップが25日発表した世論調査によると、朴氏の支持率は4%で、先週から1ポイント下がって韓国史上最低を更新。年齢層別では、19~29歳と30代でいずれも0%だった。調査は22~24日。検察が20日に崔被告を起訴した際に朴氏について「相当部分で共謀関係にある」と指摘したことが影響した可能性がある。