本稿は読者投稿コーナーに応募してくれた方からの原稿です。
背骨をパキッと折って10年、白檀と申します。
私の体は10年前から、胸から足にかけて自力で動かせなくなりました(腕や手を除く)。
ずっとずっと死にたくて、飛び降りたけれど助かってしまったケースです。
飛び降りる前は精神科に入退院を繰り返し、「境界性人格障害」と言われていましたが、自殺未遂後はいわゆる「脊髄損傷」と言われる身体障害者一級になりました。
今でも痛みを抑える為の医療用麻薬の副作用などにより、落ち込みなどの症状は出ています。なので精神的にも解放された訳ではありません。しかし、それなりに生きているのは奇跡かなとも思います。
最初の自己紹介から重いでしょうか。
未知の世界でしょうか、どうか未知の世界であることを願って書いています。
読者の中には死にたい方々もいらっしゃるかも知れません。私は自殺を推奨することはしませんが、今まさに死にたい方々は、はかり知れないつらさをひとりきりで抱きしめていらっしゃるのだろうと想像します。
少し、私の拙い文章でも読んでみてください。
飛び降りた。歩けなくなった。それでも生きている事実
私は、死を選びました。
気がつけば、喉に穴を開けられて太い管で呼吸をしていたようです(記憶が薄い…)。
意識が戻ってもしばらくは、幻覚も見ていたようです(母親談)。
声を発しようとするものの、喉の穴から息が漏れる為に声が出ませんでした。
自分の状況を全く把握していなかったように思います。
でも、確実に生きていました。
徐々に
「歩けない」
「麻痺をおこした部位は感覚もない」
「気づけば右手もバッキリ折っていた」
「友人は全員、去っていた」
など色んな事実に気づかされました。
それでも生きていかなければ。生きる以外の選択肢はありません。
だって、歩けないんだもの。自殺も出来ないさコンニャロメ。
冷蔵庫を開けることも、ちょっとトイレで用を足すことも出来ません。
とりあえず、生きてみました。
リハビリに耐え、療養型と言われる病院で生活をはじめる
私が借りて一人暮らしをしていたアパートは、階段を上がった2階でした。
階段を上れないため、賃貸アパートを解約して病院を転々として暮らし始めます。
母親には「私の体は持病が重いから、あなたの面倒は見られない」と言われ、一緒に暮らす事はありませんでした。
病院でしばらく暮らしていると、
「ああ…彼氏ももう、探したり出来ないんだろうなぁ…」
なんて、ぼんやりと考える所までは回復しました。
以前から、男性が居てくれなければ生きる意味さえ分からなくなるような生き方だったので、入院生活でもこんなことを考えてしまうんですね。
最初はまだ、マシだった落ち込み。
と言うより、自分の置かれた状態に現実感が無かったのだろうと思います。
さほど落ち込みもしていなかった気がします。
これって…生きている意味があるの?
ついに、そんな結論に達する日が来ました。
例えばです。例えば彼氏が出来たとしても、私の下半身は感覚がほぼ無いのです。
それに尿道に管も挿さってます。
オムツもしています、排泄はそこにします。
…セックスはできるの?へ?
ネットが使えるというのは便利なもので、出会い系サイトにこっそり紛れ込んでいた私。
ついに病院にお見舞いに来ると言う男性と出会います。
お見舞いに来ていただいたものの…
「セックスをしてもつまらないだろうから」
「俺はセックスしたいから」
その言葉で、淡い恋心はズタボロです。
それより何より
「私の生きる意味って何?」
「愛なんか無くても、セックスだけが温もりだったのに…もう温もりを感じられないの?」
そっち側に絶望しました、あの頃は本当に絶望という言葉が自分にぴったりはまりました。
(実はこの体でもセックスはできます。その話は追々…)
今度こそ、死にたい。
いや、死ねない。
誰か殺めて。
その代わりにヤッていいから。
むしろ、ヤッて欲しい(色々な意味で)。
それが本音でした。
日本ではなかなか、障害者が性の相談をすることも少ないのか、相談をどこの誰にしていいのか分かりませんでした。
…まぁ…なかなか出会いも無いのですけれど。
そんな日々は過ぎて…でも生きる
後悔ばかりしていました、自分を捨ててしまったことに。
今でも、それなりに後悔はしています。
たまに「生き地獄って、これ?!」とも感じます。
「歩けさえすれば」
「元の体なら」
そんな想いはきっと、一生付き纏うのでしょう。
それでも笑ったり、美味しいと言ったり、なんやかんや言って生きる私です。
「痛くて死ぬー!」とか叫びながら、それが本望だったんじゃないのかと感じながら、今日も生きています。
生き物は必ずいつか、死にます。
それまで、落ちながら、浮上しながら、またここで皆さまとお目にかかりたいと願っています。
【投稿者】
白檀 さん
【プロフィール】
脊髄損傷から進行性の麻痺を発症。
いつかはスマホも使えなくなる可能性があるが、生きる人。
一応、主婦。
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