参院TPP特別委員会で民進党の蓮舫代表の質問に答える萩生田光一官房副長官(右)。左端は安倍晋三首相=国会内で2016年11月24日午後2時6分、川田雅浩撮影
萩生田光一官房副長官は24日、衆院議院運営委員会理事会で、野党の国会対応を「田舎のプロレス。ある意味、茶番だ」と批判した発言を撤回し、陳謝した。野党の反発で25日以降の審議日程の決定が遅れ、萩生田氏は「結果として国会審議に影響を与えたとすれば不徳の致すところだ」と記者団に語った。与党からも政権の緩みを懸念する声が出ている。
民進党など野党4党は24日、国対委員長会談を開き、萩生田氏の発言への対応を協議。社民党の照屋寛徳国対委員長は「プロレスのように跳び蹴りしたい」と強い姿勢で臨むよう主張した。
自身がプロレスファンという民進党の山井和則国対委員長は記者会見で「プロレスに対しても田舎に対しても失礼だ」と批判した。社民党の吉田忠智党首は会見で、トランプ次期米大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)離脱を表明した後も承認案の審議を続けること自体が茶番だと反論。「プロレスが茶番かどうかアントニオ猪木議員にぜひ聞いてほしい」と述べた。
衆院議運委理事会に先立つ参院TPP特別委員会では、民進党の蓮舫代表が「国会審議が茶番で、野党は邪魔する存在なのか」と追及。萩生田氏は「野党がそのレベルだとは思っていない」と釈明した。
今国会では山本有二農相が「強行採決」に言及するなど政府・自民党の失言が相次いでいる。公明党の漆原良夫中央幹事会会長は「大変不謹慎な発言だ」と不快感を示した。
一方、無所属の猪木氏はこの日、参院外交防衛委で質問した際、萩生田氏の発言には触れなかった。【樋口淳也、高橋克哉】