iシェアーズ MSCI エマージング ETF(EEM)は新興国の株式ETF
EEMはMSCI エマージング・マーケット・インデックスへの連動を目指したETFです。経費率は0.69%もあります。分配金利回りが2%弱ですから、ちょっと高めの経費だということがより実感されます。
構成銘柄は844銘柄です。バンガードのVWOが4000銘柄超なのに対し、かなり絞った投資をしていることがわかります。
新興国ETFということだとバンガードのVWOも有名です。EEMは韓国も含むのがVWOとの大きな違いです。VWOも2010年代に入って韓国を除外しているので、EEMも将来的には韓国を外してくる可能性は大です。
総資産額はVWOが5.5兆円ほどなのに対し、2.7兆円ほどです。規模はだいぶ後発のVWOに食われた感があります。信託報酬が4倍以上違いますから、仕方がないのかもしれません。
ただ、証券会社の保有ランキングでみるとまだまだ10位以内に入ってくることも多く、歴史に裏付けされた信頼があることが分かります。
EEMのチャートと分配金
※以下の画像はすべてブラックロックのページから
緑のチャートがEEMです。青のチャートはMSCI エマージング・マーケット・インデックスを示しています。
この10年でおよそ17%のリターンになっています。分配金込のリターンですからちょっと物足りなく感じるでしょう。
しかし、2003年からの設定来だと285%です。3倍近くということになります。
これはどうしてかというと、2003年に設定されてから2007年の5倍をビークに殆ど取引値が上がっていないことによります。
実際に取引値は2007年に55ドル近辺まで上がってから、現在は35ドルに低迷しています。取引値は分配金込ではありませんので、純粋な取引値だとかなり下落しています。
今を底値と見るか、それともまだまだ先行き不透明と見るかで投資判断が分かれます。
EEMの構成銘柄と構成国
殆ど中国企業が占めます。1位の台湾セミコンダクター、2位のテンセントはVWOと同じです。3位のサムスンはEEMならではですね。
アリババ(BABA)、バイドゥ(BIDU)はVWOには今のところランクインしていません。
中国建設銀行、中国工商銀行は中国銀行、中国農業銀行と並んで中国4大商業銀行に数えられます。新興国は金利が比較的高いですから、高収益体質なことが多いです。新興国ETFでは主要な構成銘柄になっています。
南アフリカのNASPERS、シャープを買収したホンハイはこの手のETFにはお馴染みと言っていいでしょう。両方とも優れた経営者と素早く的確な投資、買収戦略でのし上がってきました。
つづいて構成国です。
中国、韓国、台湾の順になっています。珍しいところではチリでしょうか。インドネシア、マレーシア、フィリピンは人口増加国で非常に有望視されています。
こちらはバンガードの新興国ETFのVWOの記事です。新興国投資をETFで行うならば、VWOとの比較になってきます。よろしければ合わせてご覧ください。