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<清水J1復帰>下 ビジョン、チームづくり長期的に

(2016/11/24 11:30)
今季途中からチームで欠かせない存在となった枝村匠馬(手前)と河井陽介(左から2人目)=20日、徳島県鳴門市の大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム
今季途中からチームで欠かせない存在となった枝村匠馬(手前)と河井陽介(左から2人目)=20日、徳島県鳴門市の大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム

 2月の愛媛FCとのJ2開幕戦。自陣で守りを固める相手に無得点で引き分けた。その後も負傷者が相次ぎ、リーグ戦序盤は試行錯誤が続いた。
 組織的な守備で3クラブをJ1に昇格させた監督の小林伸二だが、清水はこれまで指導してきたクラブとは状況が違っていた。「能力が高い半面、個人が先行してしまう」と思える選手もいて、チームづくりに苦労した。だが、「選手の特長を引き出すのが自分の役目」と思い直した。
 5月の東京ヴェルディ戦からMF河井陽介(藤枝東高出)を中盤の底で起用。6月のFC町田ゼルビア戦からはここ数年出場機会に恵まれなかったMF枝村匠馬(清水ユース出)を右に固定した。河井の展開力と相手の嫌がる位置でプレーする枝村。個の能力が高い地元出身の2人がリズムをつくり、チームを好転させた。
 社長の左伴繁雄が開幕前に示した「J2は修行の場。鍛え直してJ1に行く」という目標は、チームの潜在能力を引き出すことによってクリアした。だが、枝村は「J2だからできたこともある。ここからの方が厳しい道のり」と話す。今のチーム力を考えれば、現実的な来季の目標設定はJ1残留になると選手も感じている。
 他のJ1クラブと比較して、明らかに劣るのが助っ人の存在だ。清水から今季、サンフレッチェ広島に期限付き移籍した元ナイジェリア代表FWピーター・ウタカはJ1得点王になった。一方で清水の外国人4選手は、リーグ戦終盤はベンチに入ることもできなかった。Jリーグは来季から外国人選手の登録枠を拡大するため、補強の成否が順位やチーム力に大きな影響を与えそうだ。
 10月には「J1復帰祈願協賛」として県内企業を中心に42社がスポンサーに名乗りを上げた。20日の徳島ヴォルティスとの最終節は、敵地と静岡市内で開催されたパブリックビューイングにそれぞれ4千人ものサポーターが駆け付けた。勝つことが地域を活性させ、それがまたチームを強くする力になる。この循環こそがサッカー王国をホームタウンとする市民球団の生命線。J2で戦った2016年を元年とし、再建へ長期的なビジョンを描けるか。=敬称略=

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