1. 東京都内で初雪を観測した11月24日、Twitterで雪の結晶の写真を募るこのツイートが拡散した。
雪結晶には色々種類があります.つくばでは交差角板や六花などが見られています.みなさんのお住まいの地域ではいかがでしょうか?スマホ接写で撮れますので,ぜひ雪結晶を観察してみて下さい.#関東雪結晶 のタグ付きで撮影時間・場所などいれて… https://t.co/OslJML1ukB
— 荒木健太郎 (@arakencloud)
2. 雪の結晶には、こんなにも種類があることに、多くの人が驚いたはず。スマホで撮影できることから、関東地方にいる多くのユーザーから「#関東雪結晶」のハッシュタグとともに、写真が次々と投稿された。
雪で仕事も暇なので時々外に出て写してみました。9時過ぎになると雪が細かくなって結晶も見られるようになりましたが、直ぐに溶けてしまうので深度合成している間に形が変わってしまいます(^^; 埼玉県深谷市 9時半ころ TG-3… https://t.co/zLT7VP6Hkh
— ちむら (@chimura_)
埼玉県深谷市から。
3. 茨城県からも。
4. 雪の結晶を募ったのは、雲の研究者で、気象庁気象研究所の研究官でもある荒木健太郎さん。BuzzFeed Newsは話を聞いた。
荒木さんは想像以上の反響に「数えきれない量の雪結晶の情報が来ています。数が多すぎて現時点で集計できていません」と喜びを噛みしめる。
5. 雪の結晶を集めたのは、研究のためだった。
荒木さんは、2014年2月に降った記録的な大雪をきっかけに、関東甲信地方における雪の研究を始めた。
そんな中、雪の結晶が、雪を降らせる雲の構造や低気圧の特性を理解する上で、とても重要だと分かってきた。しかし、関東甲信地方は、積雪を観測できる地点が少なく、雪の結晶のデータがほとんどないため、研究が進んでいなかった。
そこで、雪が降ったこの日、Twitterで結晶の写真がほしい、と呼びかけることにした。
6. 「雪は天から送られた手紙と言われますが、もはや雪結晶ビッグデータです」
今回、集まった結晶から、まずは雪を降らせた雲の実態把握に努めるという。
将来的には、雲が雪を降らせる現象について実態を解明し、天気予報の精度向上にも繋げていく。
荒木さんはこう意気込む。
「そうすれば、国民のみなさんのもとに届く大雪警報・注意報などの防災情報も、より高精度なものになると思います」
7. 画像の募集は、雪が降り終わるまで。
結晶の写真は、雪が降り終わるまでで、荒木さんはTwitterで終了をアナウンスするという。
集まった結晶の写真による解析結果は,12月10日に東京都の気象庁講堂であるシンポジウム「関東の大雪に備える」で公開する予定だ。
荒木さんは、こう感謝する。
「非常に多くの雪結晶の情報をいただきありがとうございました。今後も関東甲信で降雪が見込まれる際には、またお世話になると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」
8. 荒木さんは、路面の凍結への注意を呼びかけている。
雪が積もった翌日の朝は、路面凍結が起こる可能性が非常に高い。そのため、転倒や車でのスリップに気をつける必要がある。
事故を未然に防ぐため、気象情報や気象レーダーなどのリアルタイムの防災情報に目を通すことが大切だ。
「雪を楽しみながら、雪による災害への備えをしていただけると非常に嬉しく思います」