■急増する東南アジア客
21日午前、ソウル市中区のグレヴァン・ミュージアム。韓流スターやワールドスター80人余りの実物大のろう人形が展示されているこのミュージアムを、フィリピンやシンガポールからの団体客が相次いで訪れた。ドラマ「星から来たあなた」に主演したキム・スヒョン、人気グループBIGBANGメンバー・G-DRAGONの人形の前には、写真を撮ろうとするファンで人だかりができた。ミュージアムの広報担当者は「東南アジアからの観光客の方が中国人よりも韓流コンテンツに熱狂しているようだ。雪を見に韓国を訪れる人が増える冬は、来場者の半分以上が東南アジアの人たちになる」と伝えた。
経済が急成長しているインドネシアやベトナム、タイなどを中心に、東南アジア諸国からの訪韓客が大きく増えている。東南アジア客が全体の訪韓外国人客に占める割合は12%ほどと、絶対的規模の面では中国人客(48%)と比べものにならないが、増加ペースが速く「韓国観光の新市場」と期待を集めている。
1-10月に訪韓したインドネシアからの観光客は24万人で、前年同期比53%増加した。また、ベトナム、マレーシア、フィリピンからの観光客は同期間にそれぞれ30-50%ほど増加した。あるインドネシア人観光客(23)はこの日、韓国伝統の韓服の試着を体験し、ソウル・景福宮の守門将交代式を観覧した。「韓国を旅行した友人たちが韓服姿の写真をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にアップしているのを見て、着てみたかった」という。
韓国観光公社は近ごろインドネシア、マレーシア、ベトナムの3カ国を対象に、航空会社や韓国企業と共同マーケティングを実施している。テーマパーク「ロッテワールド・アドベンチャー」では今年、東南アジア人の来場者が「昨年に比べ20-30%ほど増えた」(ロッテワールド関係者)という。東南アジアで特に人気の高いアイドルグループEXOをモデルに起用し、海外でのPRに力を入れたことが奏功した。
韓国観光公社アジア・中東チームのチョン・ギジョン・チーム長は、東南アジアからの訪韓観光客は今年初めて200万人を突破する見通しだとし、「東南アジア客の割合を20年には20%まで引き上げたい」と語った。
付加価値の高い観光商品、クルーズ旅行とインセンティブ旅行で訪韓する外国人が増えたことも注目に値する。今年は年末までにクルーズ船が約840回入港し、190万人が訪韓する見通しだ。また、来月にはバンコク保険(1300人)など大型団体客がインセンティブ旅行で韓国を訪れる。