勾留中に診察受けられず失明 愛知県への賠償命令が確定

勾留中に診察受けられず失明 愛知県への賠償命令が確定
窃盗事件で逮捕され愛知県内の警察署などで勾留されていた男性が、適切な診察を受けられず失明したとして愛知県に賠償を求めた裁判で、最高裁判所は県の上告を退ける決定を出し、警察の責任を認めて5000万円余りの賠償を命じた判決が確定しました。
愛知県の40代の男性は、平成23年に窃盗事件に関わったとして逮捕され、愛知県内の警察署に勾留された際、目の不調を訴えたものの精密な診察を受けられないまま拘置所に移されました。

男性は、その後左目を失明し、右目の視力も低下したため、愛知県と拘置所を監督する国に賠償を求める裁判を起こしました。

1審の名古屋地方裁判所は訴えを退けましたが、2審の名古屋高等裁判所は「担当した警察官が『現時点で病状が進行することはない』と上司にうその報告をした」などと指摘して、愛知県に5000万円余りの賠償を命じました。

これに対して県が上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の大谷剛彦裁判長は24日までに上告を退ける決定を出し、警察の責任を認めて県に賠償を命じた判決が確定しました。