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越前和紙でコウノトリ 福井の文具店店主が模型制作

越前和紙を使いコウノトリの模型を組み立てる内藤さん=福井市中央一で

写真

 とり年の新年に向け、藤の屋文具店(福井市中央一)の店主でペーパークラフトモデラーの内藤秀信さん(62)が、実物に近い大きさのコウノトリの模型制作に励んでいる。しわ加工をした越前和紙を使い、羽毛の柔らかさまで表現しようと工夫を凝らしている。

 模型は、高さ一・一メートルほどの立っている姿の三体と、翼を幅一・八メートルに広げ、飛んでいる姿の三体。このほか、遠近感を表現するため、翼を広げた幅が九十センチと四十五センチのものも作る。

 内藤さんは六年前、敦賀市のイラストレーター時里嶺(ときさとりょう)さんが設計したコウノトリの模型を洋紙で作った。同じ設計で、今回は越前和紙で作っている。「越前和紙の産地である旧今立町と、コウノトリの保護に力を入れていた旧武生市の良いところを結び付けようと思った」という。

 その上、和紙は洋紙に比べて繊維が長いので、しなやかで曲面に加工しやすい。和紙の風合いを生かし、越前市の製紙所にしわ加工をしてもらって凹凸を付けたことで「生物の柔らかさまで表現できる」とこだわりを話す。

 コウノトリが飛来するとされている越前市の田んぼで撮影した写真を拡大し、段ボールに貼って、縦二・二メートル、横七・二メートルの背景も制作している。

 八体のうち四体は、二十五〜二十七日にサンドーム福井で開かれる全国の伝統工芸品の見本市「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」で展示される予定。十二月十五日〜二月二十六日には、県立歴史博物館(福井市)の新春企画で全八体が展示される。

 「二次元の紙から立体になるおもしろさを感じてほしい」と内藤さん。「子どもたちに福井にはコウノトリや越前和紙などの良いものがあるということを伝え、自分の街に自信を持ってもらえれば」と期待を込める。

 「ゆくゆくは越前市にできる北陸新幹線の南越駅に展示してもらい、県外の人に福井をアピールできれば」。コウノトリに乗せた夢は広がる。

 (片岡典子)

 

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