おはようございます、破天荒OLです。
今日は寒いので、寒さのあまりとんでもないことが起きたエピソードを披露したいと思います。
私は大学時代、北海道の田舎に住んでいました。
大学の近所に住んでいましたが、居酒屋は一つもなく、徒歩15分のところに何とかあったのが今回の舞台、居酒屋「弥太郎」(以下、弥太郎と呼ぶ)です。
私と友人ハル、トモの3人でよく通っていた、いわゆる「行きつけの店」でした。
※写真は左から私、ハル、トモ。当時流行だったAKB48のフライングゲット風の写真を撮ろうとセンターを争った結果、ハルに勝ち取られた時の写真。悔しい。
弥太郎は、北海道にあるにも関わらず木造住宅でした。建物の立て付けは非常に悪く、冬は暖房をガンガンつけても最大15℃までしか上がらないため、片時も上着を脱ぐことができませんでした。
そして店内は掃除が行き届いておらず、服が茶色くなるので壁には触れてはいけない、座布団は汚すぎるので直接たたみに座る(弥太郎は小上がり席スタイルの店でした)、箸は年季が入ったものではないかよく見てから取る、など暗黙のローカルルールが多数存在しました。
※店内での一枚。さんま刺を食べようとする奥の壁には穴が。
また料理や飲み物についても、じゃがいもバターを頼むと店の奥から元気よく「チーン!」という音が聞こえたり、ウーロンハイを頼めば薄く茶色をつけた程度の焼酎ロックが出されるような滅茶苦茶な店でした。
※特に調味料関係はよく見てかけないと異物が混入するので注意!
以上のように、弥太郎は大学から一番近い居酒屋という好立地にも関わらず、こういった外観と内観であるがために学生がほとんどよりつきませんでした。
そのため、いつも人には聞かれたくない下世話な話をしていた私たちとしては好都合で、何かあった時はいつも弥太郎に集まっていました。
私が彼氏と別れて号泣している時、生乾きのにおいがするおしぼりで涙と鼻水を拭ったことは一生忘れません。あれは悲しみに暮れていた私のことを悪臭によって笑わせてくれようとした、弥太郎からの気遣いだったのでしょう。
ハルが失恋した時も、同じく生乾きのにおいがしていました。
そんな弥太郎と過ごした日々を胸に抱き、上京して数ヶ月が経った頃。大学の後輩から一通のメールが来ました。
「弥太郎が、潰れました」
ついにこの日が来てしまったか。
確かに人は入っていなかったし、あんなんで儲かるわけがない。経営破綻だろうか?それとも、あまりの店の汚さに保健所からの指摘が入ったのだろうか?
どんな理由であれ、青春を謳歌した居酒屋が無くなってしまうなんて悲しすぎる。閉店する前に、何としてももう一度だけ訪れたい。
そんな気持ちで「いつ閉店するのか決まってるの?」と後輩に聞きました。
そうすると、すぐに後輩から返信が。
「何言ってるんですか?雪の重みで潰れたんですよ」
雪の重さによって、重力という物理的な作用が働き、建物自体が潰れたとのことでした。
確かにこの日の北海道は大寒波に襲われており、大雪と寒さで大変なことになっているとニュースで放送されていました。
建物の倒壊後に重機が入る弥太郎の様子。(後輩提供の写真)
家屋の半分が完全に潰れていたそうです。
それから数ヶ月後、弥太郎がその後どうなったか確認しに行くと、きれいな月極駐車場になっていました。
その方が居酒屋やるより絶対儲かると思うよ!!
以上が、寒さのあまり起こった笑えるようで笑えないエピソードでした。
※ 幸い弥太郎の倒壊によるけが人は一人も出なかったそうです。