米大統領選でトランプ氏が当選して以降、急上昇している債券利回りを安定させるため、韓国銀行は21日、大規模な国債買いオペを実施した。
韓銀は同日午後2時から10分間、競争入札を通じ、3年物国債5000億ウォン(約470億円)相当など総額1兆2700億ウォンの国債を債券市場から買い入れた。韓銀による買いオペは国債価格を引き上げる効果を生む。
韓銀が市中金利の上昇を和らげるために国債買いオペを実施したのは2008年の金融危機以来初めてだ。トランプ氏当選以降、国債利回りがあまりに急に上昇したためだ。韓銀が買いオペ実施を予告した今月18日に3年物国債利回りは1.736%で、トランプ氏当選直前の9日(1.402%)に比べ0.33ポイント上昇した。
国債利回り上昇は住宅担保ローン金利の上昇など市中金利を押し上げる効果をもたらす。
韓銀が市場に介入した21日、国債利回りは小幅ながら低下し、これまでの上昇基調がやや和らぎ、3年物国債利回りは1.725%で取引を終えた。韓銀関係者は「市場の変動性を緩和し、不安感を和らげるため、金利上昇を傍観しない姿勢を示したものだ。追加買い入れを行うかどうかは市場の状況を見極めて決定する」と述べた。
李柱烈(イ・ジュヨル)韓銀総裁は今月18日、市中銀行との金融協議会で、国内金融市場の不安が広まった場合、積極的に安定化措置を取ると表明していた。NHL投資証券のカン・スンウォン研究員は「韓銀の債券買い取り規模は市場の期待を上回るものではなく、タイミングも早いとは言えなかったが、市場安定のシグナルを与えたことは意味がある」と述べた。