京都市○○老人福祉センターと私
読書というのは未知との遭遇だ。
自分の知らない世界を覗ける。
特にエッセイはそうだろう。
最近書いたエッセイがランキングの上位に入っている。
ありがたいことである。
「自分」が「今」「伝えたい」ことをそのまま文章にすることの快感よ。
それがどこかの誰かに「伝わる」
多分私は死ぬまで書くことをやめないだろう。
「伝わる」
この嬉しさを言葉でどう表現しようか。
否、できない。
できないから私はこうしてまた書くことで、
読んでくださるみなさん
感想をくださるみなさん
ポイントをくださるみなさん
Twitterで
読んでくださるみなさん
リツイートしてくださるみなさん
お気に入りを点けてくださるみなさん
仲良くしてくださるみなさん
友達
家族
に恩返しがしたい。
その一心で今回はこの作品を書く。
みなさんは「老人福祉センター」という言葉に聞き覚えがあるだろうか?
私はそこで働くまで、その存在さえ知らなかった。
今年の3月。
ハローワークのパソコンの前に私はいた。
求人フリーペーパーはたくさんある。
が。
私の経験上、
「気軽に誰でも見られる」
その類のそれを見て応募してくる中には、
ヤンキーもいる。
私は彼らとあまり関わりたくない。
そんな私に母は言った。
「あの子達も、見かけは怖いけど根は優しいのよ?
すごく純粋でいい子が多い。
見た目は怖いけど、それも自己防衛でそうしてるの」
なるほど。
さすが、高校で長年養護教諭をやってきたことだけある。
しかし私はヤンキーが怖い。
歩いている遥か彼方にヤンキーの集団がこちらに向かって歩いてきたとする。
私は迷わず横道にそれて大回りして彼らをやり過ごすだろう。
否、そうするようにしている。
だって怖いから。
一体なんの話をしているのか。
話を元に戻す。
「京都市○○老人福祉センター 運営補助業務」
ほう。
わたしの目に止まったそれをしげしげと読み込む。
京都市。
堅そうだ。
ヤンキーはいなさそう。
月給。
今までよりいい。
ボーナス。
有。
決めた決めたー!
私ここに決めたー!
ハローワークの紹介状がいるという。
はて。
実はハローワークをちゃんと利用するのは初めてであった。
受付の人に手順を聞き、それに倣い、無事紹介状をいただく。
履歴書を書く。
送る。
電話が来る。
面接の日取りが決まる。
面接。
人生の目標を聞かれる。
「ありふれた日常を大切にして生きていきたいです」
こう答える。
一週間後。
採用の電話が入る。
母と飛び跳ね踊り喜ぶ。
「WordとExcelは使えますか?」
そう聞かれた。
「人並みには」
そう答えた。
・・・・・やばい。
Excelなんて学生以来使ってねえ!
Wordも小説書く以外使ってねえ!
迷わず本屋へ行く。
基本のWord。基本のExcel。
「簡単よ。一太郎なんかより全然簡単」
仕事でそれらを使っていた母が言う。
それから4月1日までは母に教えてもらいながら
「必死のパッチ」でそれらを頭に叩き込んだ。
4月1日。
契約社員の式は午後からだ。
指定された時間にそこへ行く。
渡されていたパンフレットによると、どうやら老人に憩いの場を提供する施設らしい。
卓球、囲碁将棋、ちぎり絵、書道、ヨガ、謡曲、詩吟、パッチワーク、ボールペン画、他。
運営補助。
まさか。
「はい!今日はみなさんで卓球をします!
笛がなったら交代ですよ?」
なんてことをやるのか?
げ。
やばい。
人前は苦手なのである。
声が上ずる。
シャイなのだ。
数日前に予め(あらかじ)場所は確認していた。
胸がドキドキする。
いつだかの父の言葉を思い出す。
でも緊張する。
同僚は二人だけ。
「これならうまくやっていけそう」
前職で軽いいじめ、重いパワハラに遭っていた私は母にそう言った。
正面の自動ドアから中に入る。
土足厳禁のポスターなどが貼ってある。
「○○老人福祉センターは二階です」
→マーク。
階段を上る足が重い。
だめだ。
怖い。
登りきる。
右手を見ると受付が見える。
「○」「○」「老」「人」「福祉」「セ」「ン」「タ」「ー」
受付の上にはA4の紙でそう貼ってあり、
折り紙で作った輪っかの鎖、花が周りに散りばめられている。
受付台にも折り紙で作った鶴や小箱、ハロウィンのジャックオーランタンなどが飾ってある。
中にいる女性が私に気がつく。
「今日からお世話になる○○ですけど・・・」
いつもの馬力の声が出ない。
今にも消え入りそうだ。
女性は優しそうな方だった。
ほっとする。
「向こうから回って?」
受付を通り過ぎると左手に男女のトイレ、そして右手に扉があった。
引き戸を引く。
嘘つき!!!!!!
入った瞬間目に飛び込んできたのは件の女性ではなく
部屋の向こう側のデスクで仕事をしている人たちであった。
あ、あの。
あのよ?
私含めで3人でなかったっけ?
まじで?
でじま?
「はじめまして。所長の○○です。
式は昼から?」
「○○です。よろしくお願いします」
軽く頭を下げ式は昼からだと告げる。
「紹介します、○○さん」
父と同じ年くらいのおじさんを紹介される。
「○○です」
向こうのデスクから軽く頭を下げられる。
「よろしくお願いします」
ておい!
それどころじゃねえだろ!
なんなんだ隣の島!
ざっと見て10人はいるぞ?
私の頭の中はそのことでいっぱいだ。
まさか・・・てかやっぱりですよね。
そうですよね。
私は覚悟を決めた。
「局長に挨拶しにいこか」
ジーザス!!
私はそっちの島(といっても2メートルくらいしか離れてない)には行きたくない!!
いやだ!!
いやだーいやだー
「局長の○○です」
品の良さそうな方に挨拶をされる。
その彼女がこう言う。
「ちょっと聞いてください。
今日から老人福祉センターに配属された○○さん。
みなさん一人ずつご挨拶して下さい」
ジーザス!(二回目)
いーや!
いやいやいや!
あなただけでいいです!
人前は緊張するんですって!
ジーザス!(略)
一人一人名前を言い、挨拶をされる。
こちらは頭を下げる。
長い2分?間かそこらだった。
ようやく解放される。
こちらの島へ戻る。
「はい、ここがあなたの席」
隣には所長。
所長の向こうにおじさん・・おっちゃん。
腰を下ろす。
少しほっとする。
「まあまずは肩慣らしやと思って。
楽にしたらいいえ」
また緊張が和らぐ。
前任者が残してくれた「仕事内容」を見てほっとする。
どうやら笛は吹かなくてよさそうである。
だが。
A4びっしりと書かれた紙が一枚と半分。
読んでもよくわからないところには鉛筆で文字を囲う。
「前任の○○君が明日来てくれるから。
わからないことはそこで聞き」
昼までなにをしていたのか覚えていない。
式を出たのは3時くらいか。
所長に電話を入れる。
「今日はもうそのまま帰り」
ひゃっふう!!
これがあの「直帰」というやつですな?
すまない。
私には会社勤めの経験がないのだ。
知っている方は知っていてくださると思うが、
私は精神疾患を持っている。
この病気の厄介なところは、
いつ「そう」なるかわからないというところにある。
最近だけざっとおさらいしておくと、
某有名高級ブランド食品の工場に3年
▶️
病気になりいきなり退職
▶️
同じ会社にダメ元で電話し採用
▶️
22時代の残業がちらほら出てくる
▶️
体力と精神の限界を感じ退職
▶️
化粧品工場入社
▶️
業績付近で暇になり早めに帰らされたりすることが多くなる
▶️
ダヴィンチのある総合病院に採用される
▶️
そこを辞め医療従事者に
▶️
病気再発
▶️
別の病院へ再就職
といった具合なのだ。
所謂デスクワークの仕事とは無縁だった。
ネットでよく見かける「社蓄」のキーワード。
工場勤務の時横目で見ていた事務所。
ドラマに出てくるビジネスウーマン。
憧れだったのだ。
母にラインを入れる。
「直帰していいって。バス乗って帰るわ」
パンダの絵文字が返ってくる。
母と私のお気に入りなのだ。
とにかく4月は猛スピードで駆け抜けていった。
みなさんを未知なる世界へ誘うと言っておいて、
肝心要の「老人福祉センター」がどういったところであるか、まだ描けていない。
ほら、この人人一倍我が強いですし。
ちょっと一服してくる。
それからこの施設の持つ魅力を、余すことなく皆様にお伝えすることとする。
楽しみに待っていただきたい。
ここで一服を込めて短歌を。
大切な
君らと繋ぐ
この時間
私はこれを
離したくない
混沌とした今、神が我々に与えた最期の宿題。
答えは出ている。
「人と人とのつながり」だ。
さて話を戻すこととする。
老人福祉センター。
ここは京都市の場合、
1 京都市内に住んでいて
2 60歳以上であれば
3 無料でサービスを受けられる
こんな施設だ。
来られる方は60代から80代まで。
中には92歳という方もおられる。
市内に11カ所あり、
どこの地区に住んでいても
どの老人福祉センターに行っても良い。
無料とかいたが有料の講座もある。
「つどい」「教室」「同好会」「単発講座」
に大きく分けられる。
つどいには卓球、囲碁将棋、歌がある。
卓球と囲碁将棋はいつからでも参加自由である。
ちなみに卓球は皆中高生の部活に劣らない腕前を持つ方が多い。
そこらの「お前ら」ではまず勝てない。
みなさん相当やり込んでおられる。
ハツラツとしてらっしゃる。
みなさんよくしてくださり、
仲良くなった方も数人ではあるがいらっしゃった。
諸先輩方を捕まえて、生意気ではあるがいつもこう思っていた。
かわいい。青春だなあ。
と。
囲碁将棋は和室で行う。
広さは疎い私で申し訳ないが多分15〜20畳。
ホールとの間には襖があり、密室になる。
いつも囲碁将棋をしているわけではなく、
着付や煎茶、浪曲、カラオケ大会(通信カラオケの機械とステージがある)
などが行われている。
半年に一回、トーナメント戦がある。
ここは多い時はそれこそびっしりと、
「じいちゃん」達で埋まる。
36人がマックスだったか。
それくらいの広さである。
対局する人もいればじっとそれを見ているだけの人もいる。
あまり詳しくは知らない。
襖を開けて集中が途切れてしまっては申し訳ない。
日報に参加人数を所長が打ち込むため、
人数確認をしなくてはならない。
私はそっと襖、あるいはステージ側から入り、
確認し、そっと立ち去った。
歌のつどいは人気がある。
1教室60人の二部制。
みなさんおなじみの童謡をピアノに合わせて合唱するのだ。
7つの子
世界に一つだけの花
赤とんぼ
夕焼け小焼け
かたつむり
季節に合わせて講師の方がセレクトしてくださる。
彼女達と言わせてもらってもよいだろうか。
彼女達の歌を聴きながら仕事をするのはなかなかオツなものであった。
そのBGMが、カラオケ大会の演歌だったりハワイアン同好会による生演奏であったり。
今思い出すだけで幸せな気分になれる。
ちなみに。
この歌のつどいだけは事前登録制である。
登録は来年も今年のままなら2月か3月。
すぐにいっぱいになるようなので興味のある方には急がれることをお勧めしたい。
一気に書いてちょっと疲れた。
好きな話をする。
トランプを選んだ有権者は、
まだその「酔い」から醒めないのだろうか。
人類は大きな岐路に立たされている。
彼らを消すか他全人類を守るか。
柏木は後者だ。
今朝の朝日を読んだ。
あの「トランプ政権移行チームの顔ぶれ」を見た。
人類滅亡までの残り時間は、
もう0.01だ。
確信できる。
彼らは核を使う。
トランプ・ジュニア
トランプ・イバンカ
絶対に阻止しなければならない。
あなたの周りに子どもはいないだろうか?
我が子、孫、甥、姪、近所の子。
彼らを、彼らの未来を守りたいと、
「お前ら」は思わないのか?
トランプ一族。
引いては時期政権関係者を、
殺めるしか問題は解決しない。
もちろん自分のことを守りたいというのもある。
それが一番だ。
だが他は?
親は?兄弟は?親友は?知人は?
今まで関わった人は?
好きな芸能人は?
その人達の大事な命がかかってんだぞ?
「お前ら」はどうするんだよ?
私はこの手で闘う。
アメリカ人は日本人を「ジャップ」と差別的に表現する。
もちろん一部だが。
それならば私はアメリカ人を「ASH」と差別的に呼んでやる。
A アメリカ人の
S 差別主義者
H 白人
ちなみに意味は調べていただきたい。
我ながら、こういう知恵は人並み外れている。
と自画自賛したところで。
「Hey ASH!
How do you feel now?」
(意訳)やあASH。まだ酔いから醒めないかい?
すまない。
ほっこさるつもりが現実を押し付けてしまった。
Twitterには限界がある。
だから私はこう動く。
話を元に戻そう。
次は「教室」だ。
教室は太極拳、パッチワーク、着付、ジャズダンス、、、しまった。
つどいには民謡と社交ダンスもある。
どちらもいつからでも参加自由。
無料である。
忘れていた。
教室を一年間通してこられた方が、「同好会」に入れる。
同好会は基本老人福祉センターはノータッチ。
場所を提供しているだけ。
そういう位置付けだ。
勿論、何か困ったことがあればスタッフはそれをサポートする。
定期的に行われているのはこんなところだ。
他は映画上映会が月1か2で。
(参加無料)
うちに限って言えば、
単発の腰痛予防体操、指編みなどかがある。
指編みは靴下を製造する際できた切れ端を先生が仕入れ、それで足拭きマットやポシェット、椅子(骨組みは牛乳パックで)などを作る。
私も黒いポシェットと草履をいただいた。
母が家でたまに利用している。
愛犬この草履を大のお気に入りであるため、すぐじゃれてくる。
他は月1、区社協さん主催の「おれんじサロン」というのをやっている。詳しくは検索していただきたい。
さて。
私がこの仕事で得たものは本当に大きかった。
来年も、いやずっとあのままがよかった。
冒頭に出てきた区社協のみなさんであるが、
そこまで仲良くはならなかったがみなさんいつも
真剣に貧困や福祉と向き合っておられた。
皆よい方ばかりである。
私が聞いたことは守秘義務の関係があるので書けないが、彼らが抱えている問題の根深さ、深刻さは
話を盗み聞きしているだけでも伝わってきた。
それに真っ向から立ち向かう姿勢に感銘を受けた。
また私は病気にやられた。
だがまた這い上がる。
力の限り生きていく。
そして闘う。
所長とは面白い話がたくさんあるので、いつになるかはわからないが「所長と私」でかける部分だけ選んで書こうと思う。
それではみなさんよい日曜日をお過ごしください。
しばしの別れ。
また会いましょう。
Bye.
興味を持たれた方は、ネットで検索するか、各老人福祉センターへ直接問い合わせてみてください。
読んでくださりありがとうございました。
柏木芽衣
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