【ローマ共同】ローマ法王庁(バチカン)と日本財団は9日、ハンセン病への差別問題を考えるシンポジウムをバチカンで初めて開催した。各国の回復者や専門家のほか、キリスト教やイスラム教、仏教など異なる宗教の指導者ら約250人が出席。2日間の日程で、患者らの尊厳の尊重とケアをテーマに偏見解消への取り組みを議論する。
シンポジウムはハンセン病制圧に尽力してきた日本財団の笹川陽平会長が提案した。ローマ法王フランシスコが聖職者らを戒める際「出世主義はハンセン病」などと悪い例えとして病名を使ったことがあり、笹川氏が遺憾の意を表明。バチカン側に呼び掛け、共催が決まった。