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淡麗辛口ブームに火をつけた
「国士無双」ブランド。
昭和50年の誕生以来、男性的かつ爽やかな辛口の旨さで評判になった「国士無双」。中国の史記に由来するその名は今からおよそ2200年前、漢の時代に活躍したとして武勇伝が残る将軍・韓信を「国士無双(天下に二人といない傑出した人材)」と称えたという逸話にちなんだもの。天下に二つとない酒、後世に語り継がれるような酒に、との願いを託して三代目蔵元が命名いたしました。
現在、「国士無双」の銘柄名で展開しております酒は、大吟醸酒から季節限定酒まで全10数種。日本酒の流れを変えたと言われるその酒は、誕生から四半世紀を越え、その味はますます磨かれ、研ぎ澄まされて、全国の皆様の喉と心を潤しています。 「国士無双」が誕生するまで、昭和30年代から40年代にかけて、清酒は甘口が主流でした。それは当時の嗜好というよりはむしろ時代の流れ。終戦後、ほとんどの酒造メーカーが、少ない原料米から少しでも多くの酒を造ろうとしてアルコール度数を上げ、水で薄めていたため、辛口の酒しかなかった昭和20年代から昭和30年代初頭。その反動で、原料の心配がなくなってくると、清酒は一気に甘口へと転じました。甘口全盛時代はしばらく続きましたが、その後、昭和40年代半ばになって酒の味や品質があらためて問われ始めるようになり、高品質な辛口の酒へのニーズが高まっていきました。そんな時代の流れをいちはやく掴みとり、高砂酒造が一念発起して世に送り出したのが辛口清酒「国士無双」なのです。
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ネーミングにまつわるエピソード
「国士無双」というネーミングを考案したのは、三代目蔵元である小檜山亨。中国の歴史家・司馬遷の『史記』の中の韓信列伝から引用した「国士無双」というこのネーミングは、大雪山の雪清水と凛冽な北国の寒気が醸す男性的な辛口清酒のイメージを印象づける上で非常にインパクトがあり、一度聞くと忘れられない名として好評を博しました。しかし、英雄の武勇伝よりはむしろ麻雀の十三公九で連想される方が多く、三代目蔵元は後に、国士無双という満貫役名の云われを調べ、諸説を尋ね歩いたと言います。
そのインパクトのあるネーミングにふさわしい、まさに天下に二つとない酒「国士無双」。高砂の看板銘柄である「国士無双」は、こうして誕生からすぐに一人歩きを始め、たくましく市場を切り開いていったのです。
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