旨みがある。香りがある。それでいて後味さわやか、のど越しが良い…。「酒質第一」。高清水に脈々と受け継がれる、酒造りへの熱い思い。その思いを貫くために、蔵人は手間を惜しむことなく、その味わいに日々磨きをかけてきました。例えば「麹」。酒造りは麹造りといわれるほど、麹は酒の品質を左右する大切な役割を担っています。麹をふんだんに使うと、ふっくらとした深い味わいながら、後味の良い酒が生まれます。しかし、麹の大切さはわかっていても、コストや手間の問題から、麹を増やすことに消極的な酒蔵も少なくありません。麹使用量を示す「麹歩合」の基準は、本醸造などの特定名称酒で15%以上、普通酒では制約がありません。そのなかで高清水は、本醸造はもとより普通酒である「高清水精撰」に至るまで、25%以上にまで麹歩合を高めています。手間をかけ、麹をたっぷり使った、おいしいと言って頂けるものをお届けしたい。あくまでも真面目に、近道を選ばずに、高清水は、今日も最高の酒造りをめざします。
今夜も高清水を楽しみにしてくださるお客様がいます。高清水は、そのことを、かた時も忘れず、よりおいしいお酒をお届けするために、努力を積み重ねています。「酒質第一」。高清水が何よりも大切にしていることです。そのために、できるかぎり手作業にこだわります。たとえば酒母造り。酒母とは「酒のもと」。水と蒸米と米麹を混ぜ、その中で清酒酵母を育てます。「麹造り」「もろみ造り」とともに、酒造りの大変重要な作業です。高清水はこれを、小さな仕込み容器で行います。小さな容器を選ぶのは、人の手で、より丁寧な作業ができるからです。酒母係は、やさしく櫂を入れながら、ときには湯たんぽのような暖気樽(だきだる)沈めたり、ときには氷の入った冷温器を入れ、繊細な温度管理をしています。高清水のお酒の1本1本は、全てこのような手作業から生まれています。人手をかけるべきところには、かける。高清水を愛してくださるお客様のために、蔵人は手間を惜しむことなく、酒造りに情熱を傾けています。
冬、山内杜氏が丹誠こめて仕込む「高清水」。春には、搾りたての新酒がタンクを満たします。しかし酒造りはこれで終わりではありません。醸した酒を製品として完成させるための、もう一つの酒造りが始まります。伝統的な酒造りでは、一度に大量に造らず、蔵人が扱える量を何回かに分けて仕込みます。酒造りは自然が相手。素材や造る手順が同じでも、仕込み毎に出来具合が違ってきます。さらに、お酒は熟成の進み具合で時とともに変化。常に変わらない高清水の味わいをお届けするには、調合という作業が必要になります。調合とは、微妙に異なるお酒を混ぜ合わせることによって、味わいを一定にすること。お客様にお約束した品質を実現する大切な工程です。調合を担うブレンダーは全てのタンクの個性を把握し、お酒同士の相性を考えます。さらに季節・季節の飲み方までもイメージ。味わいの絶妙な調和を目指します。全ての酒を手塩にかけて造り、育て、最後まで愛情を注ぐ。高清水の味わいは、品質への熱いこだわりから生まれます。
稲刈りが終わり、秋が深まると高清水に蔵人たちが集まってきます。杜氏をリーダーに、杜氏の補佐役である頭(かしら)、蒸米、麹、酒母、醪、しぼりの各主任など、40名近くが入蔵します。彼らが何よりも大切にするのは、チームワークです。「和醸良酒」。酒には、造る人間の心がそのまま映し出されます。和が乱れるといい酒はできません。杜氏は、酒造りはもとより、一人一人の体調や心の状態にまで気を配ります。そして蔵人は自分の仕事に精を出しながらも、次の持ち場に思いを巡らせます。彼らの多くは、ふだんは農家や大工さん。互いに助け合うことの大切さを知っているのです。春までの半年間、彼らは寝食をともにし、和を大切にしながら、酒造りに没頭します。自然とともに暮らす彼らには、大自然への深い造詣や祈り、感謝があります。酒造りも自然の営みが相手。酒造りがどんなに近代化されても、彼らは欠かせない存在です。人の和、人の感性、人の技。さまざまな英知が、高清水の品質を支えています。