今日はちょっと最新号のジャンプについて語りたいと思います。
ワートリ読者にとってはすごくショックな知らせがありましたよね、葦原先生の体調が相当まずいことになっているようで
急遽連載を中断することになり、ワートリはしばらく長期休載に入ると…再開時期も不明ということで、
ツイッターでもこのことで嘆きのツイートをしていた人が大勢おり、月曜は「葦原先生」がトレンドに入るぐらいの騒ぎになってました
さらにはYAHOOニュースでもこの休載騒動が取り上げられていて、これほどワートリの影響力って大きかったんだと俺も驚きました

これだけ多くの人が葦原先生の体を心配しているわけですが…そもそもなぜ葦原先生の体はそんなに悪くなってしまったのか?
という点について今日は語っておきたいと思います。まあ原因は葦原先生自身が語っているのでハッキリしているんですが、
2014年に単行本2ヶ月連続刊行をやった時に、あまりの過密スケジュールで体を壊してしまったのが原因なんですよね

その時の流れを説明すると、時期的には2014年の夏ごろのこと、この頃はワートリのアニメ化がこれから始まるという時期で、
ワートリがジャンプの表紙を飾ったりカラーになったり、とにかく編集部から猛プッシュされてた頃なんですよ

↓表紙のワートリ

↓カラーのワートリ

こんな風に「TVアニメ化決定!!」とひたすらワートリのプッシュが続く中、その一環として編集部が行ったのが
2ヶ月連続でワートリの単行本を発売するということだったわけです。
アニメ化の波に乗ってワートリの存在感をアピールするためだったのでしょう、ただ…
この2ヶ月連続刊行は葦原先生にすさまじい負担をかける結果となり、今なお続く体調不良の引き金となってしまったわけです

実際に、この2ヶ月連続刊行を行ったあたりから、葦原先生がちょくちょくジャンプの連載を休むようになりました
そんな休載をするようになってしまったある日、ジャンプに掲載された作者コメントがこれです



2ヶ月連続刊行で首と肩がおかしくなってしまったというやつですね…
ここで故障してしまった首が問題なわけですよ。首の異常については葦原先生も病院で診断を受けたようで、
別の休載の時にその結果も明かされていました。その時の文章がこれです



頚椎症性神経根症の治療のため休載します。
頚椎症性神経根症…この言葉で書くといまいちピンとこないかもしれませんが、
要するに首の神経に負担がかかっていて、首を動かそうとすると激痛が走るという症状のようです
一般的には、実生活に悪影響が出たりもするらしく、首を動かすことができないから
たとえば缶ジュースなどを飲む時に飲む干すような動作ができないだとか、
道ばたを歩く時にとっさに左右や後方を振り向くことができないといったような弊害があるみたいですね

そして漫画を描く仕事についても相当な弊害が出ているようです。
時にはこんな風に、仕上げをすることが出来なかった原稿がそのまま掲載されたこともありました

←仕上げのできなかったワートリ

この原稿が載った時は、確かちょうどアニメのワートリが始まった週だったと思うんですよね…
「ついにワートリアニメ放送開始!!」とジャンプでも大々的にアピールしていたので、
そんな時に本編が休んでいてはカッコがつかないと、無理にでも掲載したということなんでしょう。
なんだかアニメ開始のプッシュのために、葦原先生がとことん振り回されてるって感じがしてしまいます

そして葦原先生自身も、この時の過度の負担や、特に2ヶ月連続刊行については相当うんざりきていたようです
それについては単行本8巻の作者コメントで触れられていますね



もう二度と2ヶ月連続刊行なんてやらないというのがそれでして…
こんな宣言をしたくなるくらい、この時はさんざんな思いをしたってことのようです。
もはや2ヶ月連続刊行が、ワートリを取り巻く悲劇におけるすべての元凶って気がしてきますね…

ともかくこの2014年の夏〜秋にかけて、葦原先生は体を壊してしまい、数話に1度は休載を挟まなければ
連載を続けていくことのできない状態になってしまったわけで…その後しばらく時間が経ってどうなったかというと



これは故障から数ヶ月後の様子。2014年の終わりに書いていた作者コメントです。
首が悪化して2014年最後の週を乗りきれなかったとのことで
数ヶ月経っても首の状態は良くなっておらず、むしろ悪化してしまったようですね…

ちなみに年が明けても首の具合はよくない状態だったらしく、ジャンプの新年会も首の痛みで欠席したそうです



このジャンプの新年会っていうのは、他の作家たちみんなが参加する催しで、
ちょうどこの時、葦原先生以外の目次コメントではみんな新年会の話題で盛り上がっていたんですよね…

←新年会の話題が並びまくる様子

見事にみんな新年会の話題で埋まってます。この中に混ざれなかった葦原先生はけっこう疎外感あったでしょうね

ともかく2015年が始まったわけですが、この年の葦原先生は「数話に1度は休載を挟んで連載する」というペースを
ずっと続けていました。そういう意味では大崩れすることは少なく、定期的に休みを取っている効果が出たのか
首の容態について語ることも減っていったわけで。こちらとしても、ちょっとは回復に向かってるのかな?と思っていたわけですが…
しかしその期待もむなしく、2015年の年末で再び不穏な状態であることが語られてしまいます




そう、この2015年末、葦原先生は調子を崩して連続休載してしまい、そのことを謝りながら病院に行ったり
「早く治ってくれおれの首」と嘆きのコメントを書いたりと
かなりの悲壮感を漂わせていました。すでに故障から1年数ヶ月が経過したわけですが
それでもまだ全然状態は良くなっていなかったようですね…

そして年が明けて2016年。この時期の葦原先生は、「新しくもらった痛み止めがかなり効いてる」ということを
何度か繰り返し語っていました

痛み止めっていうのがなんだか不安ですが、しかし本人としては「この薬があればいける」という実感があったようで、
ここからは休まずに連載を続けるという意欲を見せていました。そして実際に、言葉通りここからは休載をしなくなった葦原先生は
2016年の前半をそのままの勢いで駆け抜けたんですよね

休載をせずに半年間を乗り切った葦原先生ですが、これを今後も続けていけるのか?と思ったのもつかの間、
やはりまた首の状態が悪化してしまったようです




これは2016年の中期ごろの作者コメント。「首の調子が思わしくなくなってきた」と再び首の調子が悪化してきたことを明かし、
「また休みを挟みつつやらせてもらいます、申し訳ない」と、やはり休載が必要なことを実感してしまった葦原先生。

そしてこの後は、また定期的に休載を挟みつつ、2015年のようなペースで連載を始めた葦原先生ですが…
しかし、そのペースでもキツイぐらいに首が悪化してしまったのか、
とうとう最新のジャンプで限界が来てしまい、長期休載をすることになってしまったということです

これがワートリが長期休載になるまでの一連の流れですね…今回のこの話をまとめていて思ったんですが、
とにかくあの2ヶ月連続刊行さえなければ…ってことばかりずっと考えてました
あれで首を故障しなければこんなことには…編集部にはそのことを本当に反省して欲しいです

2ヶ月連続刊行って、結局は短期的な利益のために作家に無茶をさせるってことなわけで、
そんな目先のことのために作家に過度の負担を強いるなんて、あっちゃいけないことだと思うんですよ。プロ野球でたとえるなら、
大谷翔平に「2日連続でピッチャーやって完投しろ」と言ってるようなものじゃないですか。

大谷は普段から野手として試合に出てて、それだけでも大変なんだからピッチャーをやらせるなら
きちんと負担を考えて間を空けるべきなんじゃないのかと。実際、大谷は中6日ぐらいに間を空けて登板してますよね
そんな大谷が2日連続でマウンドに上げられたりしたらどうなるか。ファンは大谷の連投を喜ぶどころか
大谷の体が心配で心配で仕方ないと思いますよ。選手をそんな使い方するなって絶対に抗議が来ますよ

それぐらいファンの心理としては、無駄な負担をかけないでほしいと思ってるし、こんな短期的に無茶なんかするより
もっと健康な体で長期的に活躍をして欲しいって思ってるわけですよ。しかもこんな無茶をした結果、
大谷が体を壊して今までのように活躍できなくなりましたってなったら
ファンの人達はどう反応すると思います?こんなのはもう、「大谷をこんな使い方して壊しやがってふざけんな!!」って
責任者に対して暴動みたいなものが起きてもおかしくないと思いますよ

これは大谷でたとえた話でしたけど、ジャンプ編集部は
これと同じようなことを実際にやってしまったということを自覚して欲しいです。
葦原先生に「お前ちょっと2ヶ月連続刊行しろ」と指示して大きな負担をかけてしまったんだから。
そのせいで葦原先生の体を壊してしまったんだから。本当にこんなのはファンとしては許せないことだと思いますよ




ちなみにジャンプ編集部としては、今回の長期休載は
葦原先生は連載をしたがってるけど、今の体調でそれは無理だから編集部の判断で休ませたと言っているので
それが本当なら、以前よりは作家の負担を考えてくれるようになったのかなと思うわけですが
でもね…ひとつ言わせてもらうと、体を壊した後に負担を考えても遅いんですよ!

まず何よりも予防してくれなきゃ困るんですよ、もしも大谷翔平が体を壊してしまったら、
後になってから負担をいくら軽くしたって今さら遅すぎるんですよ!
そのことをジャンプ編集部には分かってほしいとつくづく思います。何しろ2ヶ月連続刊行は
ワールドトリガーの後にも食戟のソーマがアニメ化した時もやってたからね…

葦原先生が体を壊した後なのにそれをやるのかっていうね…
不必要な負担をかければどうなるかっていうことに、もっと敏感になって欲しいです。
壊れてからじゃ遅いんですよ、人間の体は一度壊れたら簡単には元に戻らないんですよ…

(C)葦原大介/集英社






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