海外サイトのQUORAという、国内でいうなら「大手小町」や「ヤフー知恵袋」のようなSNSが面白いので、時々チェックしています。
先日、人間関係のトピックで「自分は内向的な人間で言葉数が少ない方なのだけれど、人というのは案外こちらの話をすると喜んでくれることが最近わかった」風な書き込みを見つけました。
「自分のこと」を会話にたくさん盛り込む方が話も弾むし、人とより仲良くなることができたという体験談でした。
「そうなのかなあ。」
リアルの人との関係で、自分のことをたくさん話すとかえって敬遠されるような気がしていたからです。こんな単純なトピックをきっかけに、最近思っていることを書くことにしました。
ブログを自由に書きたいとは思いつつ、どこか自分の中でいろいろ制限しているところがあります。
いまのところ「情報」や「誰かにシェアできる内容」が、自分のブログで「読まれる記事」なので、雑談や思いを書いた過去記事は存在価値がない気がして削除するかしないか迷っています。
ある時ツイッターでフォローしている人気ブロガーさんが、「自分の本音をブログに書かずに前向きばかり装っている人は信用しない」と呟きました。
その人はどんどん流れていくツイッターに、自分の気持ちを140字内で流しているそうです。ブログだと自分の内面を切り売りするようで嫌になることがあるし、残るからだと言っていました。
本音や日々の心の内を書いて共感してもらえるような人気ブロガーさんはいいけれど、自分がもしそれをしてしまうと、後味のよくないただの愚痴に終わりそうです。だから本当は書きたくても書けない人がいることをわかってほしい気がしました。
自分のブログのスタイルや立ち位置を謙虚に考えると、少なくとも誰かひとり以上にシェアできる内容を書くようにしています。
けれども時々、それに疲れることがあるのが本音で、私にも感情があるし、書くことで思いをぶつけたくなる時があるからです。
私は誰かの書いたブログやエッセイを読むことが好きです。
ブログには書くことだけでなく読むことで、誰かをフォローしたり応援する楽しさもあると知りました。また偶然の出会いや、少しずつ築かれる「つながり」も本当にうれしいものです。
情報をもらうだけでなく誰かのブログを読ませてもらうことは、書き手のいろんな感性に触れることができるし、経験したことのある思いに自らを重ね合わせて共感したり、感動することがあります。
それならこんな自分の話でも、誰かに共感してもらうことができるのかといえば、答えは未知数で「やめとこ。引っ込んでおこう。」とささやく声が聞こえます。
つまらなすぎるのではないかとか、雑談はただの独りよがりなんじゃないか、というふうに下書きで終わったもの、削除したものは少なくありません。
基本的に「人は誰も自分のことに興味はない」
このスタンスでいなければという制限する気持ちがあるけれど、あまり何も言わないのも書く側としてつまらないので、その辺のバランス感覚を見定めているところです。
どちらにしろたいしたことはできないので、ブログを作った当初の「目標は特になく、過程を楽しみたい」でいい気もします。
スチュワーデスをしていた頃の同僚たちと中華料理のテーブルを囲んだときの昔話です。
円卓に次々に運ばれる大皿料理にスープ、お茶、お酒やグラス。
後輩・同期の誰かが、常時気を配っていて、一人たりとも自分のお皿とグラスが空っぽになることはありませんでした。
プライベートなシーンにもかかわらず、その場にいる人の飲み物が足りているか、場所や食事に満足しているかなど、お互いが気を遣いあっていて、それははもう職業柄とはいえ見事でした。
反面、疲れる部分もありました。どこか心から楽しめなかったのですが、みな「~であらねばならない」に縛られていたのだと思います。
地上の仕事に戻ってからしばらくたった頃、私は会社の普通の宴会で衝撃を受けました。
誰かに気を配ることなく、それぞれの人が自分のペースで思い思いに食べていたからです。グラスが空っぽだったり、手酌の人もいて、みんなが身勝手に興じていました。
「もう気を遣わなくてもいいんだ!」
それが妙に新鮮でうれしく、開放感を味わったことを覚えています。
あれこれと、そんなに気を遣わなくてもいいんじゃない?
ブログも手酌と同じようなものと考えてもいいかな、とふと思いました。
誰かに特に気遣ってもらうこともない分、こちらも自由気ままにやって、誰にも文句は言われません。
大切なのはまず自分が楽しむことです。どう転んでも自分のものだから責任は自分でとり、嫌になったら即やめればいいだけです。
それにブログというのは所詮、みな「おひとりさま」のような気がします。
おひとりさまどうしが集まって、いつも行く人気店で盛り上がるのも楽しい。
静かだから好き、という店に立ち寄り、その日の気分の一杯と肴があればそれだけでシアワセ。
連れがいないおひとりさまだから、ほかのおひとりさまが気軽に話しかけてきてくれることもある。
気分がのれば常連さんと意気投合するときもあって、そんなときはこちらの話にも耳を傾けてもらえそう。
別の日には隣の席の誰かの話を聞くだろうし、、なんとなくひとりで飲みたいときもある。
いつも来て下さる方、今日偶然に来てくださった方に感謝しつつ、そんなこんなで今宵も酔いがさめたら「おひとりさま」は自分の住処に戻っていきますね。
最後までおつきあい下さりありがとうございました。